生物分野は正答率が高いため、ひねった問題がよく出る~血液の循環の定番問題‘~(2017年石川)
血液循環で聞かれることは決まっている
語句で答える
問1 血液の成分である血しょうの一部は毛細血管からしみ出し、細胞のまわりを満たす液体となる。この液体を何というか、書きなさい。
組織液
このように語句で答える問題は正答率が高い
問2 図は,肺の内部の一部を拡大した模式図である。これについて、次の(1)、(2)に答えなさい。
(1) Aのような小さな袋を何というか、書きなさい。
肺胞
これも語句を答えるだけの問題である。
文章で答える
(2) 肺は、Aのような小さな袋が多数集まってできている。 このことで、酸素と二酸化炭素の交換を効率よく行うこと ができるのはなぜか、書きなさい。
空気と多くふれられるように表面積が大きくなるから
言葉で説明しなさいと言われると正答率は少し下がる。これは魔法の言葉
「表面積を大きくし、効率よく○○することができるから」というものの一部を使う問題である。学校でこの魔法の言葉を教えているので、これを丸暗記している生徒が多い。これを呪文のように唱えれば、解けると信じている受験生も多い。
しかし、最近の受験では、この問題のように魔法の呪文の一部を使って表現することが求められている。
組み合わせで答える
問3 血液が,肺,肝臓,腎臓を通過するときに血液中から減少する主な物質はそれぞれ何か,次のアーエから適切な組み合わせを1つ選び、その符号を書きなさい。
これも変化球的な問題である。
肺で酸素と二酸化炭素を交換する
尿素は腎臓でこしだされる
ということとこの問題を結び付けられるかということである。
通過した後の血液だから、肺で何をしているか
二酸化炭素を吸収して 酸素を含む血液にしている
肝臓は何をしているか
腎臓は何をしているか
というようにに、言葉だけを覚えていたのでは答えられない。
そして3つ正解で得点になる。 エ
関連動画(2021年愛媛)
語句と文章の合わせ技
問4 骨についている筋肉の毛細血管につながる動脈と静脈を比べたとき、栄養分が少ない血液が流れている血管はどちらか、書きなさい。また、そう判断した理由を、「呼吸」という語句 を用いて書きなさい。
静脈
理由
静脈には、筋肉の細胞による呼吸によって栄養分が分解された後の血液が流れ込むから。
文章で表現することができるかどうかの問題である。
計算だけではない問題
問 5あるヒトの体内には血液が 5000 cm³ あり、心拍数が1分につき80 回で、1回の拍動により心臓の右心室と左心室からそれぞれ75 cm³の血液が送り出されるものと仮定する。このと き,血液はどのように循環していると考えられるか、次のア~エから最も適切なものを1つ選 び、その符号を書きなさい。
ア左心室から送り出された血液が、平均25 秒で右心房に到達する。
イ 左心室から送り出された血液が,平均25 秒で左心房に到達する。
ウ 右心室から送り出された血液が、平均 50 秒で右心房に到達する。
エ右心室から送り出された血液が,平均50秒で左心房に到達する。
何秒で血液は入れ替わることができるかの計算問題は今年も愛媛県などで出題されている。
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1分間に80回、1回あたりの血液が75cm³だから
60秒間に
時間:血液=60:=1:100
a秒ですべて入れ替わるとして
1:100=a:5000
a=50
平均50秒だからウかエのどちらかである
ウは肺循環と体循環をあわせたもの
エは肺循環だけ
全身の血液を考えているからウ
ポイント
生物の分野の問題は多くは語句で答えるものが多く、暗記系のものが多い。
計算で出るのは蒸散と遺伝の分野とごくわずかであり、高得点が狙える。
そこで、最近では語句だけ文章で表す、語句と文章の合わせ技 計算だけではない問題
といろいろなパターンが増えている。最近多いのは複数を選択肢て全部が正解でないと得点にならないという問題が多い。またすべて選びなさいという問題も多いのでパターンで覚えると本番では点が取れないということが起こる危険がある。
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