生態系の問題は消去法で答える(2017年富山)
生物同士のつながりと炭素の流れを示している
生物の組み合わせ
生物a、生物bの組み合わせで適するものをア~エの中から選びなさい
考え方
図より生物aは肉食動物でこの生態系の頂点に立つ生物である。
モズ
ウサギを食べる動物にモズは合わないだろう。アは不適
土の生物の中ではモグラは生態系の頂点にあるが、ウサギを食べることはない。ウも不適
キツネとイヌワシはどちらも、肉食動物で生態系の頂点である
次に生物bを見る。
生物bは植物を食べるので草食動物である。
写真引用
カエルが舌で獲物を捕まえる瞬間、唾液の粘度が変化する | ギズモード・ジャパン
カエルは肉食動物である。
バッタは草食動物である。このことからエが答えになる
動物と食性を知っていないと組み合わせが迷う問題である。モズ、ムクドリといった鳥の名前を知らない中学生も多いのではないだろうか。
生物aは肉食動物の頂点、生物bが草食動物という組み合わせでモウとエのどちらか、エだけがウサギに勝てるという選び方である。
答えの組み合わせ
(3) 次の文は,生物cのはたらきについてまとめたものである。文中の空欄( X )( Z )に 入ることばとして適切な組み合わせはどれか。下のア~カから1つ選び,記号で答えなさい。
生物 cは,生物の死がいや動物の排出物などの有機物を完全に無機物に分解する過程にか かわっており,自然界では( X )といい, ( Y )などの菌類や大腸菌などの細菌類が例 としてあげられる。菌類や細菌類などの微生物のなかには,人間にとって有用なはたらきをするものもあり, ( 7 )では,それらのはたらきを利用する場合もある。
ア X 分解者 Y ゼニゴケ Z 乳製品の製造過程
イ X 消費者 Y 乳酸菌 Z 乳製品の製造過程
ウ X 分解者 Y シイタケ Z 原子力発電
エ X 消費者 Y ダニ Z 原子力発電
オ X 分解者 Y アオカビ Z バイオマス発電
カ X 消費者 Y 納豆菌 Zバイオマス発電
考え方
答えの組み合わせ
生物cが「分解者」であることはすぐわかる
分解者は、細菌類、菌類である。
ア X 分解者 Y ゼニゴケ Z 乳製品の製造過程
イ X 消費者 Y 乳酸菌 Z 乳製品の製造過程
ウ X 分解者 Y シイタケ Z 原子力発電
エ X 消費者 Y ダニ Z 原子力発電
オ X 分解者 Y アオカビ Z バイオマス発電
カ X 消費者 Y 納豆菌 Zバイオマス発電
zは微生物利用であるから 原子力発電は合わない
微生物の利用で発酵食品の乳製品を考えてしまうが、ア、イはどちらも当てはまらない
X,Yがあっているのはオだぇである。
バイオマス発電は、生物資源を利用した発電である。使われる燃料を微生物の力で発酵させてアルコールなどの燃料にするバイオ燃料が思い浮かべばオが答えになる。
この問題は消去法で考えるというのが答えの導き方
(4) 物質Aは何か,化学式で書きなさい。
火力発電からも空気中に出ている炭素を含む無期化合物。
二酸化炭素 CO₂
入試で出てくる気体は?
二酸化炭素と答える問題は多い。
炭酸水素ナトリウムの熱分解
炭酸水素ナトリウムと塩酸の反応
炭酸カルシウムと塩酸の反応
石灰石と塩酸の反応
呼吸で出てくる物質
光合成で吸収する物質
石灰水を白くにごらせる物質
地球温暖化の物質
温室効果の物質
金星の大気の主成分
など
多くに登場する二酸化炭素、高校での理科の時間に生徒に「ここで発生する気体は何」
と聞くとあてずっぽうで「二酸化炭素」と答える生徒が多い
それだけ中学理科での学習で何度も登場してきて覚えさせられている二酸化炭素
化学式で答える
CO₂
である。
Co₂ではない。
Coはコバルトの元素記号、
炭素Cと酸素Oが O=C=O と結びついている
から二酸化炭素。だが、Co₂と覚えている生徒が多い。
だから、出題では「化学式で答えよ」という形で出すのである。
二酸化炭素と書くと正答率が100%になってしまうからである。
火力発電
(5) 石油,石炭,天然ガスは化石燃料と呼ばれており,これらは古い時代の生物の死がいなどが変化してできたものである。火力発電所では,化石燃料を燃焼させて高温・高圧の水蒸気や燃焼ガ スをつくり, タービンを 回して発電する。1,2にあて はまるエネルギーとして 適切なものはどれか。
次のア~オからそれぞれ1 つずつ選び,記号で答え なさい。
ア 位置エネルギー
イ 運動エネルギー
ウ 核エネルギー
エ 光エネルギー
オ 化学エネルギー
エネルギーの変換の問題はよく出題されている。
化石燃料が 化学エネルギー オ
タービンを回す 運動エネルギー イ
エネルギーは変換する、
「理科の世界3年」p304,305では各発電とエネルギーの変換の関係が書かれている。熱エネルギーがら電気エネルギーに教科書ではかかれてあり、この富山県の問題を解くことが教科書を見ただけでは解けない。
思考力を使えば、熱エネルギーが運動エネルギーに変わることはすぐわかる。
ポイント
この生態系の問題はほかの分野の問題のように出てくるものが限られているという問題ではなく、動物の種類を変えれば、どんな問題でも作れる」
動物のことを知っていれば、答えるのは簡単であるが知らなければ答えられない。
かといって、中学3年生に動物をいっぱい覚えましょうというのは現実的ではない。
出てくる動物で難しい動物はそんなに出ない。モズ、ムクドリのような鳥の名前の区別がつけられるかどうかぐらいのレベルである。
類題を解いて、出てきた生物で、この生物 なんだろう?と思ったら調べるぐらいのレベルでいいかもしれない。