【中三応援プログラム】<基本問題>炭酸水素ナトリウムの熱分解、鉄と硫黄の反応(2021年島根)
金星が内合
去年の12月4日に金星が最大光度でした。
最大光度では金星が地球に一番近づいた。だから明るく輝いて見えた。
この時の金星の形は双眼鏡でも確認できた。
宵の明星であった金星
夕方に西の空に見えました
肉眼でも見える形にすると🌘なります。
細長いのですが、近いから明るいんです。
そして今年に入り、金星は見えなくなりました。
金星は太陽と同じ方向にあるために見えないのです。
金星が地球よりも太陽に近いところを公転しているため見えないのです
水星、金星のように地球よりも太陽に近いところを好転している惑星を
内惑星といいます
そして、太陽、金星、地球と一直線に並んだ時、金星は見ることができません
これに関して2012年の金星の太陽面通過が入試に出題されたこともあります。
2012年6月6日の時の出題
4日から6日まで、夕方の空では水星、木製、土星が観測できました
水星が東方最大離角のため観測しやすかったためです。
昨日の星の見え方と今日の星の見え方は違う
1日違うだけでも大きな違い
世の中はダイナミックに動いているのです。
新型コロナウィルスの話題だらけな毎日ですが、世の中には変化し続けていることもあるんだよというのを何気ない空に感じてほしいです。
今回は、島根県の問題から炭酸水素ナトリウムと硫黄と鉄の反応の基本問題である。
ここで出題されていない事柄でもテストに出る重要事項はいっぱいあるので注意です。
問1 ベーキングパウダーの主成分である炭酸水素ナトリウムを加熱したときの変化を調べる目的で実験1を行った。これについて、下の1~4に答えなさい。
実験1
操作1 図1のように、炭酸水素ナトリウムを加熱し、発生した気体Xを水上置換で集めた。
このとき、加熱した試験管の内側には液体Yがつき、その試験管の底には白色の固体Zが 残った。
操作2 気体Xを集めた試験管に石灰水を加えてよくふったところ、石灰水は白くにごった。
操作3 液体Yに青色の塩化コバルト紙をつけたところ、桃色に変化した。
操作4 炭酸水素ナトリウムと固体Zを同量はかりとり、それぞれを水にとかした後、
フェノールフタレイン溶液を加えた。このとき表1のように変化した。
表1
炭酸水素ナトリウムの熱分解
1 気体Xと液体Yは何か、それぞれ化学式で答えなさい。
炭酸水素ナトリウムを熱分解すると、二酸化炭素と水と炭酸ナトリウムができる。
水上置換法で気体を集めるときは最初に出てくる気体には二酸化炭素は多く含まれていない
このことに関して問われることもある。
なぜ、二酸化炭素が多く含まれていないか?
熱している試験管の中にもともとあった空気を多く含むため
と答える。
二酸化炭素を水上置換法で集められるのはなぜか。
水に少ししか溶けない気体だから
加熱するときに試験管の口を下にするのはなぜか。
液体が発生するので発生した液体を試験管の口のほうにためるため。
液体が発生し、試験管の底にたまると試験官が割れる危険があるから
発生する液体の水は塩化コバルト紙を近づけると青から桃色に変化する
この問題で発生する気体 二酸化炭素
発生する液体 水
これらを言葉で書くのは正答率が高いので、化学式で答えさせる問題になっている
発生する気体 CO₂
発生する液体 H₂O
分子を作っている
2 気体Xと液体Yは分子をつくって存在している。このように分子をつくって存在する物質を 次のア~エから一つ選び,記号で答えなさい。
ア マグネシウム
イ アンモニア
ウ 酸化銅
エ 塩化ナトリウム
物質の分類に関するもの
物質の分類には一種類の原子からできている単体
二種類以上の原子からできている純物質
一種類の物質からできている純物質(単体、化合物)
二種類以上の物質からできている混合物
などに分けられる
分子からなる物質は
酸素、窒素のように一種類の原子からなる単体
がある。
分子からなる物質は周期表の非金属元素からなるというものを知っているかどうかという問題である。
原子番号1から20までの元素は書けるようにしておこう。
赤で書いたものが非金属元素
それ以外が金属元素である
非金属元素のみからできている物質が分子である。
マグネシウム Mg
アンモニア NH₃
酸化銅 CuO
塩化ナトリウム NaCl
塩化ナトリウムは ナトリウム(金属)と塩素(非金属)からなるので イオン結合でできた組成式
炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの違い
3 次の文の( )にあてはまる語句として最も適当なものを、下のア~ウから一つ選び、記号 で答えなさい。
固体Zの水溶液のpHの値は,炭酸水素ナトリウム水溶液のpHの値( )。
ア より大きい
イ より小さい
ウ と同じである
フェノールフタレインはアルカリ性が強い、pHが7より小さい(酸性)で無色
pHが7の中性で無色
pHが大きくなるとうすい赤 から 赤色になる
pHが大きいほど赤色
炭酸水素ナトリウムより炭酸ナトリウムのほうが赤色なので
炭酸ナトリウムである固体Zを溶かした水溶液のほうが炭酸水素ナトリウムを溶かした水溶液よりもpHは大きい
炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの違いは水への溶解性にも違いがある
炭酸水素ナトリウムは水に少ししか溶けない
炭酸ナトリウムは水によく溶ける
実験の注意
4 この実験では、ガスバーナーの火を消す前にしなければならない操作がある。その操作とその 操作を行う理由を簡単に説明しなさい。
操作 ガラス管を水そうから出す
理由 水の逆流を防ぐため
鉄と硫黄の反応
問2 鉄と硫黄の化合について調べる目的で実験2を行った。これについて、下の1~4に答えなさい。
実験2
操作1 鉄粉7.0gと硫黄4.0gを図2のようによく混ぜ合わせ、そのうち5.0gをアルミニウムはくの筒にすきまなくつめた。そして、図3のように筒の端をねじって閉じ、弱い磁石を 近づけた。
操作2図4のように、筒の一端をガスバーナーで加熱し、赤くなったところですばやく砂皿の上に置き、反応が終わるまでしばらく 放置した。反応が終わったところで、弱い磁石を近づけた。
操作3 加熱前の混合物の一部と加熱後の物質の一部を別々の試験管に入れ、うすい塩酸を加えて発生した気体のにおいを調べた。
結果 結果は、表2のようになった。
表2
できた物質
1 操作2において、鉄と硫黄の反応によってできた物質は何か、その名称を漢字で答えなさい。
この問題の答えは漢字指定である。
京都府の問題などでは、答え方にひらがな指定、カタカナ指定がある。
漢字で指定されているところは漢字で答えなければならない
鉄と硫黄の反応でできた物質は硫化鉄
硫化鉄
気体の確認方法
2 操作3で発生した無臭の気体を確かめる方法として最も適当なものを、次のア~エから一つ 選び,記号で答えなさい。
ア火のついた線香を気体の中に入れ、線香が炎を出して激しく燃えるかどうかを確かめる。
これは酸素の発生を確認する方法で参加銀の熱分解の時に用いる
イ 火のついたマッチを近づけポンと音を立てて燃えるかどうかを確かめる。
これは水素の確認方法である、
無臭の気体は水素なのでこれが答えになる。
ウ 精製水を加えてよく振り、フェノールフタレイン溶液を加えて赤くなるかどうかを確かめる。
これは、アンモニアの確認方法である。アンモニアは刺激臭のある気体なので無臭の気体の確認方法ではない。
アンモニアは塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物の加熱で得られる
エ 精製水を加えてよく振り、BTB溶液を加えて黄色になるかどうかを確かめる。
これは、水に溶けて酸性になる気体
二酸化炭素(無臭)、硫化水素(腐卵臭)、塩素(刺激臭)、塩化水素(刺激臭)、二酸化硫黄(刺激臭)、二酸化窒素(刺激臭)などに用いる
二酸化炭素以外はにおいがある。
二酸化炭素は石灰水で白く濁るという方法でも確かめられる
反応でできた物質の硫化鉄と塩酸が反応すると硫化水素が発生する
この物質は水に溶け、酸性の物質になる。
卵の腐ったようなにおいがするという特徴がある
答えは イ
鉄が余る反応
3 鉄粉7.0gと硫黄 4.0gを混合して加熱すると、過不足なく反応する。表3のような分量の混合物A~Cについて操作1および操作2と同様な 実験を行った。加熱後の物質が弱い磁石についたと考えられる混合物として最も適当なものを、表3のA~Cから一つ選び,記号で答えなさい。
鉄:硫黄=7:4の時過不足なく反応する
鉄が余るとするとき、硫黄の量を固定して、鉄がいくら必要か考える
Aの場合 鉄がagひつようとすると
7:4=a:4でa=7g ところが鉄は3.5gしかないので鉄が足りない
Bの場合、鉄がbg必要として
7:4=b:2 b=3.5
ところが鉄は7.0gあるから 7.0-3.5=3.5があまる
このため、磁石につく
Cの場合、鉄がcg必要として
7:4=c:2.0
4c=7×2.0
c==3.5
という関係より、cは3.5gより、過不足なく反応し鉄は残っていない
よって磁石につかない
答えはB
発熱反応
4 次の文は、操作2のように、加熱をやめても鉄と硫黄の反応が続いた理由を説明したもので ある。 X、Yにあてはまる最も適当な語句を答えなさい。
この反応はX( ) 反応であり、反応にともなって周囲の温度がY( )なるから。
X 発熱
Y 高く