水を蒸発させていたときの再結晶の計算~34.6%の正解率(2020年兵庫)
水の量が150gのときの溶解度
図2は,3種類の物質A〜Cについて 100gの水にとける物質の質量と温度の関係を表している。
(1) 60°Cの水 150gが入ったビーカーを3つ用意し、物質A~Cをそれぞれ 120g加えたとき、すべてとけることができる物質として適切なものを,A~Cから1つ選んで、その符号を書きなさい。(正答率81.9%)
60度の水100gに物質Cは110g、物質Bは60g、物質Aは37g溶ける。
水150gは1.5倍溶けるので 物質Aは110×1.5=165g 120gは全て溶ける。
物質Bは60×1.5=90g 120g入れると 120ー90=30g余る
物質Cは37×1.5=55.5g 120gいれると 120ー55.5=64.5g余る
ということで Cだけが溶ける。
(2) 40 °Cの水150g が入ったビーカーを3つ用意し,物質A~Cをとけ残りがないようにそれぞれ加えて 3種類の飽和水溶液をつくり,この飽和水溶液を20°Cに冷やすと,すべてのビーカーで結晶が出てきた。 出てきた結晶の質量が最も多いものと最も少ないものを,A〜Cからそれぞれ1つ選んで、その符号を書きなさい。(正答率70.1%)
水100gのときは黄色で塗った部分が再結晶で出てくる。
水150gのときは1.5倍の量とけ、再結晶も1.5倍析出する。
物質Aが一番、析出量が少ない
物質Cが一番、析出量が多い。
(3) 水 150gを入れたビーカーを用意し、物質Cを 180g加えて,よくかき混ぜた。
① 物質Cをすべてとかすためにビーカーを加熱したあと,40°Cまで冷やしたとき、結晶が出てきた。また、加熱により 水 10gが蒸発していた。このとき出てきた結晶の質量は何gと考えられるか。 結晶の質量を書 きなさい。(正答率36.4%)
水150gのうち、水10gが蒸発したのだから水140gに溶ける量を考える
縦軸は60gから80gまでの5目盛りなので、1目盛り4gである。
水100gには64gとける。
溶質:溶媒=64:100=x:140
100x=140×64
x=89.6g
180gとかして89.6g溶けて飽和になるのだから、
180-89.6=90.4gが再結晶で出る。
② ①の溶液の質量パーセント濃度を求めなさい。(正答率34.9%)
溶質90.4g
溶媒140g
溶液140*90.4g=230.4g
溶質/溶液 ×100=90.4/230.4×100=39.2%
ポイント
溶媒の量が1.5倍なので、溶ける量も結晶として析出する量も1.5倍になる。
(1)(2)の正答率は高いのに(3)の正答率が低いのは水が10g蒸発した
というのを140gの水に溶かしていると判断できるかどうかである。