海水をどれだけ蒸発させれば食塩が析出するか
溶液を蒸発させて結晶を析出させる。
海水中に含まれる塩化ナトリウム
砂やプランクトンを取り除いた海水20gを蒸発皿に移した。図2のようにこれを加熱して水を蒸発させたところ、蒸発皿に白い固体だけが残った。この白い固体は塩化ナトリウムであり、その質量を測ったところ、0.67gであった。
海水を濃縮させて食塩を取り出す
これとは別に、図3のように砂やプランクトンを除いた海水を20gとり、試験管に入れた。この試験管を水の入ったビーカー内の水が沸とうし、試験管内の水が蒸発していき、やがて、海水の中に結晶が現れた。このとき、試験管内の海水の温度は約100℃であった。
図3
海水をどれだけ濃縮させればよいか?
水を蒸発させ、海水の量をどの程度にまで減らせば、塩化ナトリウムの結晶が出るか。次のア~エの中から最も適当なものを選びなさい。
ただし、100℃の水100gに溶ける塩化ナトリウムの質量は40gである。また、ある温度で水に対して溶かすことのできる塩化ナトリウムの質量は、水の質量に比例する、
(2014年千葉県後期改題)
考え方
海水を塩化ナトリウム水溶液と考える。
水100gには40g溶けることから塩化ナトリウムの飽和水溶液140gには40gの塩化ナトリウムが溶けている。
蒸発皿を使った実験から海水20g中には0.67gの塩化ナトリウムがとけている。
海水を塩化ナトリウムの飽和水溶液よりも濃度を大きくすれば、塩化ナトリウムが結晶となることから、この飽和水溶液の質量より少なくすればよい。
0.67gの塩化ナトリウムの溶けている塩化ナトリウムの飽和水溶液の質量をMgとする。
40gの塩化ナトリウムの溶けている塩化ナトリウムの飽和水溶液の質量が140gであるから。
塩化ナトリウムの飽和水溶液の質量:塩化ナトリウム×の質量=0.67:M=140:40
M:0.67=140:40
40M=0.67×140
もとの海水の量が20gより
濃縮率の式から
小数を分数にして考える。濃縮率の計算
0.67を分数に変換する。
どの程度まで少なくするかは 濃縮率を計算する。
小数のまま計算すると、溶液が2.345g未満になった時に結晶が出てくる。
分母が大きくなるほど、濃縮率は小さくなるので
からア~エの中ではエが一番近い。と出せるが、小数の計算で計算ミスをする可能性がある、正確な値を求めないでいい問題の場合、およその値で分数で計算する。
分数の大きさの比較では分母をそろえると大きさが比べやすい