ボルタ電池(2014年東京)
ボルタ電池の仕組み
<実験手順>
(1) 亜鉛板と羽根の付いたモーターを導線でつなぎ, 亜鉛板と電圧計を導線でつないだ。同様に, 銅板と羽根の付いたモーターを導線でつなぎ,銅板と電圧計の+端子を導線でつないだ。
(2)薄い塩酸を入れたビーカーに亜鉛板と銅板が互いに接触しないように入れ、金属の 間の電圧を測定した。また,そのときのそれぞれの金属の表面の様子と、羽根の付いたモーター の様子を観察した。
(3) (1)と(2)で用いる亜鉛板と銅板を,亜鉛板と亜鉛板、銅板と銅板にそれぞれ替え,(1), (2)と同様の実験を行った。
<結果>
銅板の表面で起こること
銅原子1個を◍ 銅イオン1個を◍⁺ 水素原子1個を〇、水素イオン1個を〇⁺、電子1個を●というモデルで表したとき、銅板表面で起こることを示したものはどれか、次のア~エの中から選びなさい。
考え方
銅板の表面では電子●が導線の先端から流れ込み、水素イオン〇⁺に電子●を与えて、二個の水素原子〇が結びついた水素分子1分子〇〇となる。
これを示した図はアである。
見通しをもって実験をする。
銅と亜鉛、亜鉛と亜鉛、銅と銅という金属の組み合わせを変えずに、この実験で気体の発生と電流が流れるかどうかには関係がないということを示すためにこの実験のほかにどのような実験をすればよいか。
考え方
塩酸という酸性の溶液を使っているので、気体の水素が発生している。塩酸ではなく、食塩水に変えて実験を行い、気体が発生しなくても電流が流れることを示すことができれば、気体とは関係なく電流が流れることを示すことができる。
金属のイオン化傾向
試験管A~Dにマグネシウム、亜鉛、鉄、銅をそれぞれ入れ、うすい塩酸を入れて、気体が発生するかどうかを調べたところ、結果1のようになった。
(1)(2)で使う電極にマグネシウムリボンと鉄板を加えて、すべての金属の間の電圧を調べたところ、結果3のような結果が得られた。
(1)この実験結果から一番イオンになりやすい金属は何か。元素記号で答えなさい。
(2)<結果1>と<結果3>から分かる、薄い塩酸に異なる2種類の金属を入れたときの、金属の間の電圧がより大きくなる金属の組み合わせについて述べたものとして適切なのは、次のう ちではどれか。
ア 薄い塩酸と反応して気体がより発生しやすい2種類の金属の組み合わせ
イ 薄い塩酸と反応して気体がより発生しにくい2種類の金属の組み合わせ
ウ 薄い塩酸と反応して気体の発生のしやすさの違いがより大きい2種類の金属の組み合わせ
ェ 薄い塩酸と反応して気体の発生のしやすさの違いがより小さい2種類の金属の組み合わせ
考え方
同じ金属の組み合わせでは電圧が0になる。
塩酸と反応しない銅板と塩酸と反応する金属を電極にすると大きな電圧が生じる。
(マグネシウムと銅が一番大きな電圧が生じる)
塩酸と反応するもの同士の金属を電極にすると生じる電圧は大きくならない。
よって、選択肢ではウである。