【中三応援プログラム】津波注意・電池の三要素(2021年山梨)
宇宙からも観測できた噴火
噴火における津波
コロナ禍のなか、ただでなくても不安や恐怖を感じながらの受験が多い中、通り魔的なことが起きたり、津波警報で試験が受けられなくなったりと波乱の大学共通テストになりました。
今年の受験は高校受験にとってみれば、新学習指導要領が完全実施されての初めての試験になります。
新学習指導要領では、学習指導要領という制度ができてから初めての内容も多く含まれています。誰も習ったことのないものを中学の先生は教えているわけです。
誰も見たこともない問題が出る可能性があります、
その一つとして、電池に関する問題があります。
電池のところでは、
イオンになりやすい金属があること
ダニエル電池
が新たに加わりました。どんな問題が出るかはわかりませんが、水溶液の中の様子を書きなさいという問題は出るかもしれません。
2021年山梨県の問題はその点からして参考になるので紹介します。
水溶液に金属板を入れて電流がとり出せるか調べるために,次の実験を行った。1~5の問いに答えなさい。
〔実験〕 1 うすい塩酸を入れたビーカーによくみがいた亜鉛板と銅板を入れ,この2枚の金属板と 電子オルゴール, スイッチ,電圧計をつないで図1のような装置をつくった。
2スイッチを入れると,電子オルゴールが鳴り, 電流が流れたことが確認できたため,電圧計 で電圧を測定した。
3 しばらくした後,スイッチを切りビーカー から亜鉛板をとり出して観察したところ, 表面がざらついていた。
4 砂糖水,うすい水酸化ナトリウム水溶液, マグネシウムリボンを用意し,使用する水溶液 や金属板の条件を変えて,電子オルゴールが 鳴るか調べた。
質量パーセント濃度
1 〔実験〕では質量パーセント濃度が15%の砂糖水を 60g用意した。この砂糖水には砂糖が何g溶けているか, 求めなさい。
質量パーセント濃度の計算ができない生徒はよくいる。
パーセントというのは パーが/(割る)という意味
セントが100という意味
なので ÷100ということだから
15パーセントは 15÷100=0.15
60gの0.15が砂糖の質量だから
60✕0.15=9.0g
2 [実験]の2で測定した電圧は,0.60Vであった。この とき,電圧計の針は図2の目盛りのどこを指すか, 図1の電圧計にならって針をかきなさい。
黒の端子が3Vにつながれているので、この電圧計の最大のめもりが3Vである。
電圧計の小さい人メモリが0.10Vであるので6メモリ目が0.60Vである。
もし、黒の端子が15Vの入りにつながれていたら、最大メモリが15V
小さい1メモリが0.50Vになる。0.50Vから1.0Vを目分量で5等分して、0.50Vに近いところが答えになる。
15V 300Vの端子の時は線を書きなさいという問題はないかもしれないが
どの電圧計が正しく示されていますかという問題はよく出題される。
電圧計の使い方
最初に大きい電圧の端子につないで、そのあと小さいのにする
また、この電圧計はマイナスの値も図れるので、金属板を逆にした時どうなるかという出題もあるかもしれない。
さまざまなパターンの問題ができる。
水溶液中のイオンの変化
3 〔実験〕の3で亜鉛板の表面がざらついていたのは, 亜鉛がとけて亜鉛イオン(Zn²⁺)になったからであり, この化学変化は電子オルゴールに電流が流れたことに 関係している。図3は,〔実験〕の2でスイッチを 入れる前の水溶液中のイオンの種類と数を模式的に 表したものである。また,図4は、電流が流れたあとの 水溶液中のイオンの種類と数を模式的に表すために, とけ出した亜鉛イオンのみをかいたものである。図4の 水溶液中にふくまれている他の2種類のイオンは,何 であると考えられるか。それぞれのイオンの種類と数 がわかるように,図3にならってかきなさい。
水溶液は H⁺が3個、Cl⁻が3個書かれている 塩酸の水溶液である。
陽イオンが+3と陰イオンがー3である。
陽イオンである亜鉛イオンZn²⁺がとけたとき、銅板から水素が
2H⁺+2e⁻ → H₂ で水素イオンが水素分子になって水溶液から出ていく
このため、H⁺が2個へり1個になる。Cl⁻の数は3個のままである。
2021年の教科書からダニエル電池を学習することになった。ダニエル電池では水溶液が硫酸銅水溶液で Cu²⁺ と SO₄²⁻になる。
銅イオンがこの亜鉛が溶けだすときに減ることになる。
このパターンの問題が2022年から出題される可能性がある。
電池の条件
4 〔実験〕の4では,次のア~オのように条件を変えて電子オルゴールが鳴るか調べた。この とき, 電子オルゴールが鳴ると考えられるものをア〜オからすべて選び,その記号を書きなさい。 ただし,電子オルゴールの金属板とのつなぎ方は+と-を逆につないだ場合も調べ,どちらか 一方のつなぎ方で鳴ればよいものとし,金属板はよくみがいてから使用するものとする。
電池の条件
1 溶けやすい物質(マイナス極 負極)
2 溶けにくい物質(プラス極 正極)
3 電解質溶液(塩酸など)
ア水溶液はうすい塩酸のまま,金属板を両方とも亜鉛板にする。
金属板が同じなので電池にならない
イ 水溶液はうすい塩酸のまま,金属板を亜鉛板とマグネシウムリボンにする。
マグネシウムリボンが溶けやすいので マイナス極
亜鉛板がプラス極の電池になる
ウ 水溶液はうすい塩酸のまま,金属板を銅板とマグネシウムリボンにする。
銅板がプラス極
マグネシウムリボンがマイナス極の電池になる
エ 水溶液を砂糖水にし,金属板は亜鉛板と銅板のままにする。
砂糖水は電解質溶液ではないので電池にならない
オ 水溶液はうすい塩酸にうすい水酸化ナトリウム水溶液を加えて中性にし,金属板は亜鉛板 と銅板のままにする。
塩酸と水酸化ナトリウムと反応して塩化ナトリウムになる
塩化ナトリウムは電解質なので電池になる
もしこれが、硫酸とOH⁻バリウムの時はできた硫酸バリウムは水に溶けないで電気が流れなくなるので電池にならなくなる
すべて選ぶ問題はイ、ウになる。
電子オルゴールはつなぎ方を変えると電流が流れないので音が鳴らない。
このため。この問題のように「どちらか一方のつなぎ方でなればよい」という注意書きがある。
高校の化学基礎ではどちらがプラス極でどちらがマイナス極であるかまでが出題される。
燃料電池
5 [実験]で調べたような,化学変化によって電流をとり出すしくみをもつものを電池という。 私たちの身のまわりには様々な種類の電池がある。その中で,環境に対する影響が少ないと 考えられており,水素と酸素が化合する化学変化を利用して電気エネルギーをとり出すしくみ をもつ電池を何というか,その名称を書きなさい。
と答える問題である。
燃料電池はSDGsから考えて、環境に配慮されているかを考えると難しい問題がある。
まず、水素をどのようにして得るかである。
現在、石油や天然ガスを原料として水素を得るという方法が主である。
さらに、水素を供給するため、ガソリンスタンドに変わる水素ステーションを作らなければいけない。
水素は爆発する危険のある気体なのでどのように、車に搭載するかが問題になる。
さらに、燃料電池の局番に使われるのが白金などの希少な金属である。
この金属に依存するため、コストとして高くなる。
燃料電池搭載車が今後の主要な自動車になるというのは難しいかもしれない。
いまはEV車(電気自動車)がガソリン車に変わろうとしているが、EV車は、充電式またはハイブリッド式 である。
充電池の性能をいかに上げるかがカギになる
EV車はガソリン車に比べ部分数が少ない。そのため、ガソリン車を基幹産業としている日本ではEV車になかなか切り替えられない。
そのため、世界の流れから遅れてしまっている。