【基礎問題】示相化石、岩石の特徴、ビカリア、地層の傾き(2014年長崎)
図1は、ある地域の地形図であり、1目盛りは 10 m を表している。図中のa地点(標高 200 m)、 b地点(標高 200 m)、およびc地点(標高 190 m)においてボーリング調査を行った。図2は、 そのボーリング試料を模式的に示したものである。また、この地域の地質調査から、この地域には 断層はなく、それぞれの地層が平行に重なっていて、同じ角度で傾いていることもわかった。
問1 a地点のボーリング試料中に見られる、れき岩、砂岩、泥岩は、いずれも堆積岩である。これらの岩石を、構成する堆積物の粒子が小さい順にならべ左から書け。
粒子の小さい順に並べる
泥 0.063mm未満( 未満 )
砂 0.063mm~2mm未満
レキ 【2mm以上)
砂岩のスケッチ
問2 次のア~エは安山岩、花こう岩、砂岩、石灰岩のスケッチである。砂岩のスケッチとしも適当なものは、次のどれか。
砂岩は0.063~2mm未満の粒が見れる。
かりあげ (火山岩 流紋岩 安山岩 玄武岩)の中に安山岩はあるので、
火山岩の特徴である 斑状組織(大きな結晶の斑晶と小さな石基がみられる)
しんかんせんは (深成岩 花崗岩 閃緑岩 斑レイ岩)の中に花崗岩があるので
深成岩の特徴である等粒状組織(大きな結晶が集まってできている)
ア 砂岩
イ 深成岩(花崗岩)
エ 石灰岩
答えは アになる。
ビカリアはいつの化石か?
問3 b地点の砂岩層からビカリアの化石が見つかった。このことから、この地域の砂岩層の年代として最も適当なものは、次のどれか。
ア 古生代
イ 中生代
エ 新生代第四紀
古生代。。。サンヨウチュウ
ここでビカリアは新生代だ!ということで選択肢を見ると
新生代と名の付く選択肢が3,4がある。
中学の教科書にはこの分類をしていない。(「理科の世界一年」p249大日本図書)
2010年に新生代の定義が変わったからである。
新生代は古第三紀と新第三紀に分類され、新第三紀も160万年前から256万年前と80万年短くなった
256万年前から第四紀になる。
もともと地質時代は
第一紀 第二紀 第三紀 第四紀に分類されていた。
第3紀が新生代古第三紀、新生代新第三紀、第四紀が新生代第四紀
第四紀は人類が誕生した時代と考えて作られた。
ビカリアは現在、絶滅していて見ることができない生物であるので新生代第四紀ではない。と考える。
最も適当なものということでウを選択する。
問4 ビカリアのような、ある限られた時代の地層にしか見られず、その年代を示すよい目印となるような化石を何というか。
問5 d地点において新たにボーリング調査を行った。凝灰岩層に到達するまでに掘る深さとして最も適当なものは、次のどれか。ただし、ボーリング調査は真下に掘るものとする。
ア 30m
イ40m
ウ 50m
エ 凝灰岩層へは到達しない。
-
aとcは標高が同じところに凝灰岩の層があるので南北の地層の傾きはない
aとbではbのほうが10m低い位置に凝灰岩の層があるから東西間では東に向かって傾いている。
dも同様に傾いていると考える。bと同じ標高147~150mにかけて凝灰岩の層がある。
c、dの標高は190mより40m~43mの深さに凝灰岩の層がある
よって イ
まとめ
2014年に実施されたテストだが2010年に学会にて変更された地質年代の定義が反映されていない問題になっている。冥王星が惑星から準惑星になったことは2009年に変更され、その変更がすぐに教育現場に導入されたことを考えると不備のある問題である。
2021年に完全実施になる新学習指導要領には新生代を区分していないのでこのような問題はなくなると思われる。
長崎県の問題では、標高と柱状図がすぐにわかるような出題のされ方がされているが、このような出題は珍しい。自分で標高に合わせて考えるのが基本である。
岩石の分類で砂岩だけが聞かれているが、安山岩、花崗岩の見え方についてもわかるようにしておきたい。
凝灰岩層をカギ層として地層の傾きを考えさせる問題である。
カギ層として用いられる条件は何かというのがこれから出題される可能性がある。
語句を覚えるのも重要だが、語句を説明しなさいという問題も増えてきているのでとけるようにしておきたい。