かつては沿岸から遠く離れた海だった。(2015年静岡)
図11は,ある地域の現在の等高線のようすを表した模式図である。図12は、図11のA地点とB地 点における,地表から地下20mまでの地層のようすを表した柱状図である。
(1) 図12のあの層から,貝の化石が見つかった。貝の化石を手がかりに,地層ができた当時の環境 を推定することができる。このように,地層ができた当時の環境を知る手がかりとなる化石は, 一般に何とよばれるか。その名称を書きなさい。
地層ができた当時の環境を知る手掛かりとなる化石を示相化石という。
示相化石には サンゴ あたたかく浅い海
ホタテ貝 冷たい海
サンゴはどのような環境であったでしょうという問題も多い。
このとき「あたたかく、きれいな海:と各答えが多い。
サンゴは、熱帯から亜熱帯の地域で現在も生息している。
古くから同じ環境で生息していたと考えられるから示相化石として使える
「あたたかい」「浅い」というキーワードが重要である。「きれいな」というのはサンゴの環境として当てはまるものではない。
きたない海ではサンゴは生息できないが海の汚れが問題になってきたのは人間の活動によっておこった200年の間であり、数万年の単位で考える地層では当てはまらない。
柱状図の予測
(2) 図11のC地点でも,地表から深さ20mまでの地下のようすを調べることになった。図11,図12をもとにして,C地点の柱状図を推定してかきなさい。ただし,地層は,水平につながっており 厚さは変化せず,地層の上下が逆転するような大地の変化は起きていないものとする。
C地点はB地点より5m低いのでB地点の5m~20mの柱状図がC地点の0m~15mに入る。
A地点はC地点より5m低いのでA地点の0m~15mが
C地点の5m~15mと一致する。
C地点では0~9mまで大きい歴 9~12mまで砂 12~17nが泥
17~19mが砂 19~20mが小さなレキ
というように、5m間隔で変化していないので書きにくい。
特にB地点の20m以下とA地点の10m以下の砂の層が連続しているので注意したい。
(3) さまざまな調査から,図11で示した地域一帯では,長い年月の間に,数回海水面が上昇したり 下降したりして,海岸線が大きく動いたと考えられている。図13は, 現在から約20万年前の,図11で示した地域を含む周辺地域一帯の地 形を推定して表した模式図である。
図11のB地点で,約20万年前に堆積したと考えられる層は,図12 の柱状図のい,うのどちらの層か。記号で答えなさい。また,その ように判断した理由を,堆積した土砂の粒の大きさとB地点の河口からの距離との関係が分かるように書きなさい。
20万年前の地図からB地点は海岸からかなり離れている。
海岸に近い順に、大きい粒子 レキ
そこから 小さい粒子 砂
離れると 泥
が蓄積する。
このことからB地点では泥が堆積していると考えられる。
B地点では泥がたまってできた泥岩ができている
いはレキ岩
うは砂岩であることから ウの層であると考えられる
「粒の小さい泥が河口から離れて、堆積したと考えられるから」
静岡県らしく、そう考えた理由を答えなさいという問題である。