地層の観察と柱状図と地震の起こる仕組み(2020年兵庫)
【目的】
家の近くの地域の地層を観察し,図書館や防災セ ンターで地形の特徴を調べる。
【方法】
図1の地点A,Bで,地面に対し垂直に切り立っ た崖を観察し,地層をスケッチしたものが図2である。
図書館や防災センターで資料の収集とインタ ビューを行い,表1に図1の地点A,B,C,Dの 標高を,図3に地点Dの柱状図を示した。 注)図2のスケッチの●はA,Bそれぞれの地点 で崖を観察した位置を示しており,表1に示した
【わかったこと】
○この地域の地層は断層やしゅう曲,上下の逆転がなく,地層の厚さも一定で広がっている。
○図2,3の地点A,B,Dの火山灰の層ができた のは同じ年代である。
○火山灰の層は,大雨などで水を含むと土砂くずれなどの災害の原因になることがある。また,地震 によるゆれでも土砂くずれなどの災害になること がある。
○地点Cでは現在ボーリング調査が行われている。
【考察】
○地点Dの柱状図から,この地域でれき岩の層が堆 積し,火山灰の層が堆積するまでに,この地域は地層の模様は図3と同じ 大地の変動により、( 1 )し,海岸から、 (2 )と 考えられる。
○地層の上下の逆転がないことから,砂岩の層Xと泥岩の層Y,Zは、(3 )の順に堆積したと考えられる。
○図1,2,3から,地層は一定の傾きで、(4 )の向きに傾いて低くなっていると考えられる。
【感想】
○自分が住んでいる地域の地形の特徴を調べることで,地層が災害に関わっていることがわかった。 緊急地震速報などの情報に注意したり,日ごろか らハザードマップを見て災害の時の行動を考えた りすることが大切だと思った。
地殻変動と海岸の位置
(1) レポートの考察の中の (1),( 2) に入る語句の組み合わせとして適切なものを,次のア~エから 1つ選んで,その符号を書きなさい。
ア 1沈降 2遠くなった
イ1沈降 2近くなった
ウ 1隆起 2遠くなった
ェ 1隆起 2近くなった
地層は レキ 砂 泥 の順に堆積している。
粒の大きさは小さくなっている。
粒が小さくなるということは河口から遠ざかるということである。
河口から遠ざかるということは、低くなるということである
低くなるということは「沈降」
よって。
1 沈降 2 海岸から遠くなった
を持つアを選ぶ。
このように入試問題は二つの空欄を同時に正解にならないと得点にならない
地層の堆積の順番
(2) レポートの考察の中の、3に入る順として適切なものを,次のア~エから1つ選んで,その符号を 書きなさい。
ア X→Y→Z
イZ→Y→X
ウ X→Z→Y
エ Y→Z→X
表1の標高に合わせて地層を並べる。このとき、地点Aの標高18mのところに露頭があり、露頭は18mの位置から高さ3mの位置にある。
Aの露頭の地表面は標高 18+3=21m
同様にBの露頭の地表面は17+3=20m
AとBは北と南に位置しており、標高を合わせると、カギ層である火山灰の層が同じ高さである。このことから。南北には傾いていない。
Dは標高が20mよりBの露頭の地表面と同じ高さである。
このことから、火山灰の層の下のYが一番古く、その次がZ、一番新しいのがX
Y→Z→Xの順番に堆積したと考えられる。
よって、エ
(3) レポートの考察の中の「4」に入る語句として適切なものを,次のア~エから1つ選んで,その符号を書きなさい。
ア東
イ西
ウ南
工 北
火山灰の層で比較するとAとBから南北には傾いていないが
東西で比べると
DはAより低くなっている。このことから、西に傾いている。
よって、イ
柱状図の推定
(4) 図3のCの柱状図として適切なものを,図4のアーエから1つ選んで,その符号を書きなさい。
表1よりDの標高が20m Cの標高が19mで南北間には傾きがないのだから
Dの表面の1mを削ったものがC層になる、地表から2m~2.5mの位置に火山灰の層がある。
アかウである。
アとウの違いは火山灰の下の層である。
Dは火山灰の下が泥岩、砂岩がともに1mであることから、C層も同じと考えられる。よって、ウ
緊急地震速報の仕組み
(5) 緊急地震速報について説明した次の文の1 ~ 3 に 入る語句の組み合わせとして適切なものを次のア~エから 1つ選んで,その符号を書きなさい。
緊急地震速報は,震源に近い地震計で、(1)波を感知して ( 2)波の到着時刻や,ゆれの大きさを予測して知らせる気 象庁のシステムである。震源からの距離が、(3) 地域では, ( 1)波が到着してから(2)波が到着するまでの時間は長 くなるため,(2)波が到着する前のほんの数秒間でも地震 に対する心構えができ,ゆれに備えることで地震の被害を減ら すことが期待されている。
ァ 1S 2P 3近い
イ1S 2P 3遠い
ウ 1P 2S 3近い
エ1P 2S 3遠い
地震波は P波が速くS波が襲い。
P波が到着してS波が来るまでにかかる時間を初期微動継続時間という。
初期微動継続時間(PS時間)は震源から離れるほど長くなる。
1 P 2 S
PS時間が長いのは、震源から 3 遠い
答えはエ
2 はなこさんは、旅行で淡路島の北淡震災記念公園を訪れ,地震が起こるしくみについて興味を持ち、調べ ることにした。
断層にかかる力
(1) 図5は地震が起こるときに生じる断層の1つを模式図で表している。図のような断層ができるとき,岩 石にはたらく力の加わる向きを → で示した図として適切なものを,次のア~エから1つ選んで,その符 号を書きなさい。
上盤(右)が下盤(左)に乗り上げる。
これは逆断層で圧縮の力が働いて起こる 。選択肢はイ
地震の起こる仕組み
(2) プレートの境界付近で起こる地震について説明した次の文の(1)~(3)に入る語句の組み合わせ として適切なものを,あとのア~エから1つ選んで,その符号を書きなさい。
西日本の太平洋沖には,大陸プレートである(1)プレートと海洋プレートであるフィリピン海プレー トとの境界がある。このようなプレートの境界付近では(,2) プレートの下に沈みこむ(3) プレート に引きずられた(2 )プレートのひずみが限界になり,もとに戻ろうと反発して地震が起こると考えら れている。
ア 1ユーラシア 2大陸 3海洋
ィ1ユーラシア 2海洋 3大陸
ウ 1北アメリカ 2大陸 3海洋
ェ○北アメリカ 2海洋 3大陸
1の大陸プレートは ユーラシアプレート
プレートは 大陸プレートの下に海洋プレートの下に潜り込む。
大陸プレートが海洋プレートとともに引きずり込まれて、大陸プレートのひずみが限界に来ると元に戻ろうと反発し地震が起こる
2 大陸 3 海洋
よってア
ポイント
柱状図と露頭の観察を組み合わせた問題である。
表1から地点A、地点Bの標高と露頭の表面の高さは異なるというのがわかるかどうかで地層の傾きは逆になる。
ここは気を付けたいところである。標高18mの地点Aに3mの露頭が見えるというのとDはボーリング調査の結果なので露頭ではない
火山灰をカギ層に使うということで「カギ層」と答える問題もあってもいいと思うがそれは今回は出されていない
カギ層はどういうのが条件になるのか
「広範囲に堆積している」
これもこたえられるようにしておこう
今回は緊急地震速報と地震の仕組みを一緒にとく問題になっている
緊急地震速報に関しては基礎問題である
プレートの名前に関しては兵庫県の問題なので
大陸のプレートであるフィリピン海プレート
海洋プレートであるフィリピン海プレート
が出題されている。
東北の問題なら
大陸のプレートの葉北アメリカプレート
海洋プレートは太平洋プレートになる
兵庫県の問題なので、海洋プレートが沈み込んでいる「南海トラフ」
もテストによく出る用語である。