メダカは餌をどのようにして認識するのか(2018年広島)
仮説 メダカは餌を視覚と嗅覚で認識する
真央さんは,メダカを捕まえて,家で飼育し始めました。そして,右の図 のように,粒状のえさを与えていたとき, メダカがこのえさに近づくのを見 て,どうやってえさを認識するのか疑問に思い,調べてレポートにまとめて 美月さんに見せました。次に示したものは,このレポートの一部です。
【方法と結果】
方法Ⅰ えさをラップフィルムに包んで、水面に落とした
結果Ⅰ ラップフィルムに近づいてきた
方法Ⅱ 餌の入っていないラップフィルムを水面に落とした
結果Ⅱ ラップフィルムに近づいてこなかった
方法Ⅲ えさをすりつぶして水に溶かした無色透明な液体をスポイトで水面に落とした
結果Ⅲ 液体を落とした周りに近づいてきた
【考察と結論】
【方法と結果】I~Ⅲより, メダカが,えさを見て近づくことと,えさのにおいを感じて近 づくことが分かった。したがって,メダカは,えさを視覚でも嗅覚でも認識すると考えられる。
視覚がなくても認識するか?
3 このレポート中の〔考察と結論〕の内容が正しいとすると,〔方法と結果]のI~IIIの中で, 暗室で行っても結果が同じになると考えられるものはどれですか。その記号を全て書きなさい。
暗室では見ることができない。
Ⅰではラップフィルムからはにおいが出ないとするとメダカは近づかないと考えられる
Ⅱではメダカは近づかないわけだが、暗室でも近づかないかどうかはわからない
Ⅲではメダカは餌のにおいで近づいたと考えられる。
考察と結論が正しいとして、暗室で実験をしても同じ結果になるのはⅢ
嗅覚で認識することを示す方法
4 このレポートを見た美月さんは,〔考察と結論〕のうち, メダカがえさを嗅覚でも認識するこ とは,この〔方法と結果〕からでは判断できないことに気付きました。そして,このことを判断 するためには、追加の実験が必要であると真央さんに助言しました。追加の実験としてどのよう な方法が考えられますか。その方法と,その方法を行ったときの結果を,簡潔に書きなさい。
すりつぶして水に溶かした液体をラップに包んでいれる。
嗅覚がしなければ餌に近づいてこない。
液体のした餌を視覚で認識することができるかできないかの実験が必要である。
スポイトでたらした液体のえさをメダカにはえさと見えていたら嗅覚ではなく、視覚で判断したことになる。、
スポイトで水を落とす
水をおとしたあたりには近付いてこない
スポイトで落としたものを視覚でとらえたメダカが餌であるとおもい、近づいたと考えられるので、スポイトで餌でないものを落とした時、においがしないので近づかないと考えられる。
生態系を作る
5 真央さんは,メダカを長く飼育するために,水槽の中に一つの生態系をつくろうと思い, 水槽 の水の中に入れるものを考えました。次に示したものは,真央さんが考えたものです。| ) に当てはまる生物として何が考えられますか。その名称を書きなさい。また,その生物は生態系 においてどのような働きをしますか。その働きを簡潔に書きなさい。
【水槽の水の中に入れるもの】
( ), ミジンコ, メダカ, メダカを捕まえた池の底の土
生態系を作るためには
生産者、消費者、分解者がバランスがとれている必要がある
ミジンコは植物プランクトン(生産者)をえさとしている草食動物
メダカはミジンコを餌にしている肉食動物
池の底の土は分解者の働きをする
働き
生産者は無機物から有機物を作り、酸素放出する。
ミジンコ、メダカ、土の中の微生物は無機物を有機物にすることはできず、有機物を分解してエネルギーを得るだけである。生産者以外の生物に有機物を供給する働きがある。
ミジンコ、メダカ、土の中の微生物が呼吸のために酸素を利用するのでそれを補うために酸素を供給する働きがある。
ポイント
実験をするときは見通しを持って行うことが必要である。
見通しを持つためには仮説を立てる
そして、結果を予想する
そして 考察が正しくなる別の実験を考える
これが必要であるという、新学習指導要領を先取りした問題である。