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呼吸に必要な酸素が足りません(2014年北海道)

 

オオカナダモとメダカのいる世界

 

 

オオカナダモとヒメダカを用いて,次の実験を行った。

【実験】

水を満たした同じ大きさの4本のペットボトルW~Zを用意した。WとXには図3のように ヒメダカとオオカナダモを,YとZには図4の ようにヒメダカのみを入れ,それぞれふたをし て、直後にヒメダカの1分間あたりの呼吸回数 を測定した。次に,WとYは光がよく当たる場 所に,XとZは暗い場所に置き,2時間後に,それぞれのヒメダカの1分間あたりの 呼吸回数を測定した。表はこのときの実験結果である。なお、ペットボトルW~Zの 中の水の温度は同じであり、変化しなかった。また、ヒメダカの呼吸回数は水にとけ ている酸素の量が少なくなるにつれて増える。

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表からわかること

W オオカナダモとメダカ 光が当たる場所

  オオカナダモ光合成と呼吸を行う。

  メダカは呼吸を行う

    呼吸数は変化がないことから、酸素の量は変わっていない

X オオカナダモとメダカ 光が当たらない場所

   オオカナダモは呼吸する

   メダカは呼吸する

    呼吸数は、\dfrac{160}{100}=1.6倍になる。 酸素は足らない。

Y メダカのみ 光が当たる場所

   メダカが呼吸する

    呼吸量は\dfrac{145}{100}=1.45倍になる。 酸素は足らない。

Z メダカのみ 光が当たる場所

   メダカが呼吸する

    呼吸量は\dfrac{145}{100}=1.45倍になる。 酸素は足らない。

考察

  •  YとZから、メダカは光を当てても当てなくても同じ呼吸量である。
  • XとZから、オオカナダモの呼吸によって、メダカは呼吸量が 160-145=15回増えるほど酸素がメダカだけのときよりも少ない。
  • WとXから オオカナダモオオカナダモとメダカの呼吸で必要となるメダカの呼吸量160ー100=60回分の二酸化炭素を酸素に変える
  • WとYから、光を当てるとオオカナダモがいるとメダカの呼吸量は変わらない

これらのことが考えられる。

 

空欄に当てはまるペットボトルの組み合わせを答えなさい

オオカナダモから酸素が発生していることはペットボトル( WとY    )を比較することにより判断できる。また、オオカナダモから酸素が発生することに光が必要なことはペットボトル( WとX   )を比較することにより判断できる。

 

酸素が発生していることは WとYを比較することでメダカの呼吸量が変わらないということから判断できる

 

光が必要なことは WとXで 光を当てないとメダカの呼吸量が多くなることからわかる。

 

オオカナダモにとって有益なこと

ペットボトルWで,ヒメダカがいることは,オオカナダモにとってつごうがよい。そ
の理由を「呼吸」,「光合成」という語句を使って書きなさい。

 

ヒメダカにとってオオカナダモは呼吸に必要な酸素を供給してくれるので都合がよいことはすぐにわかる、

 

ではオオカナダモにとってメダカという存在は必要なのか?

 

ヒメダカは呼吸によって二酸化炭素を排出する。

オオカナダモ光合成をするためには二酸化炭素が必要である。

二酸化炭素が無ければ光合成ができないのである。

 

このため

ヒメダカが呼吸によって排出した二酸化炭素オオカナダモ光合成で利用するから

都合がよい。

消費者は生産者が作る有機物が無ければ生きていけない。そして、生産者が作り出す酸素が無ければ生きていけない。

 消費者は生産者に依存している。

 

しかし、生産者も消費者が出す二酸化炭素が無ければ生きていけない。

また、生産者は自分で動くことはできない。生殖のときに花粉を運んでもらうとき、種子を運んでもらう時には消費者の力を必要としている。

 生産者と消費者の関係は、食べる、食べられるの関係(食物連鎖)だけではなく、共生関係ともいえる複雑な生態系を形作っている。