ヒトの呼吸は横隔膜が下に引き下げられることにより、ろっ骨が引き上げられる(2016年群馬)(2011年北海道)(2016年千葉)
ヒトの呼吸をゴム膜で作ったモデルで示す
(1)図は、ヒトの肺のモデル装置を示したものである。(2016年群馬)
次の1,2の問い に答えなさい。
1 肺は胃や小腸などとは異なり,自ら運動することができない。その理由を、簡潔に書きなさい。
陸上生活をする両生類、ハ虫類は、植物が陸上に進出し、光合成をし、その光合成によって作られた酸素を利用することで大きなエネルギーを取り出すことができた。
今から3億年前の古生代石炭紀では今よりも酸素濃度が高く(35% 現在は20%)、容易に動物は呼吸出来たと考えられる。
しかし、2億5100万年前に大きな火山活動があり、二酸化炭素が増大し、酸素濃度が低下し、大量絶滅が起こる。
その後、中生代に入り。低酸素でも生きられる呼吸器の仕組みを持った哺乳類が誕生したと考えられる。
肺は、筋肉がない器官である。
胃や小腸には内臓筋と呼ばれる筋肉が存在する。この筋肉は意思とは関係なく動く不随意筋(ふずいいきん)である。
意思で動かすことのできる筋肉を 随意筋(ずいいきん)
意思で動かすことのできない筋肉を 不随意筋(ふずいいきん)という。
随意筋は骨格を動かす骨格筋
不随意筋は内臓を動かす内臓筋
おなかがなる というのは 胃や小腸が運動しているために起こる現象
これは、意思で止められませんね。心臓も不随意筋で意思で動きをコントロールできません。胸がドキドキするというのを自在にコントロールはできません。
肺には筋肉がありません。そのかわり、肺胞をふくらませたる横隔膜があります。
この横隔膜を持つことで低酸素濃度の中生代でも生きられるようになりました。
ゴム膜は人で言うと何か
2 図のペットボトルの下部につけたゴム膜を手で下に引くと肺にみたてたゴム風船がふくらんだ。ペットボトルの下部につけたゴム膜は、ヒトの体の何にあたるか、書きなさい。また図1のA~Dのどこに当てはまるか。(2016年千葉)
横隔膜(おうかくまく)、D
肺のしくみ
次の文章は,実験をもとに肺が空気を出し入れするしくみについて述べたものである。文章中 のx, yにあてはまることばを答えなさい。
ゴム膜を引くと、風船がふくらむ。これはヒトが息を(x 吸うとき )の状態を表している。 ゴム膜を戻すと、ふくらんでいた風船もしぼんで元の状態に戻る。また、ヒトが息を ( X 吸うとき ) は、筋肉によってろっ骨が(Y 引き上げられる)
このようなしくみで空気を出し入れするのは,肺には筋肉がなく,自ら運動できないため である。
体を循環する酸素
(2) 次の文は、ヒトの肺に入った酸素が、全身の細胞に運ばれるまでの流れについてまとめたものである。文中の1~3に当てはまる語を、それぞれ書きなさい。
肺に入った酸素は、気管支の先端にある(1 肺胞 )で毛細血管の中の血液にとりこまれる。酸素を多く含んだ血液は(2 動脈血 )とよばれ、この血液が、ポンプのはたらきをする器官である(3 心臓 )から送り出されることで、全身の細胞にまで酸素が運ばれる。
肺胞は一つが0.3mm 10億個あるといわれている、
肺胞はどう都合がよいか(2011年北海道)
小さな袋を多数持っていることは呼吸をするうえでどのように都合がよいのか、簡潔に説明しなさい
小さいほど、表面積が大きくなる。肺の肺胞を広げると100m²、人体の外側の表面積の50倍
テニスコート半分の大きさになる。
表面積を大きくすることで効率よく酸素と二酸化炭素を交換する働きを持っている。
(3) 肺でとり入れられた酸素は、血液の循環によって運ばれ、ある液を通して細胞にとり入れら れる。一つ一つの細胞では、とり入れた酸素を細胞の呼吸(細胞呼吸)に使っている。次の(a), (b) の問いに答えなさい。
(a) 下線部のある液は,血しょうの一部が毛細血管からしみ出て細胞のまわりを満たしているものである。この液の名称を書きなさい。
細胞の周りを満たしている液体を組織液という。
(b) 細胞の呼吸とはどのようなはたらきか。「二酸化炭素」「水」「エネルギー」ということばを用いて,簡潔に書きなさい。
酸素を使って栄養分を水と二酸化炭素に分解し、エネルギーを取り出す働き
安静時と運動時の呼吸の違い
実験
ヒトの安静時と運動時の呼吸について調べるため、次の実験を行った。
[1] 吸う息(空気)にふくまれる酸素の体積の割合を測定したところ、21%であった。
[2] 安静時の30秒間の呼吸について、呼吸回数を数えながら、はいた息をポリエチレン の袋に集め、呼吸1回当たりのはいた息の体積はいた息にふくまれる酸素の体般の 割合をそれぞれ測定した。
[3] 運動時の30秒間の呼吸について, [2] と同じように実験を行った。 . [2]と[3]の結果をまとめると表のようになった。ただし、呼吸における吸う息の体積 は、はいた息の体般に等しいものとする。
問3 次の文の(1) , (2)..に当てはまる数字を書きなさい。ただし、呼吸において血液にとりこまれる酸素の体扱は吸う息とはいた息のそれぞれにふくまれる酸素体積 の差であるものとする。
実験の結果から,安静時の1回の呼吸において,血液にとりこまれる酸素の体積は,吸う 息にふくまれる酸素の体積の (1 7 ) 分の1であることがわかる。
また、運動時の30秒間の呼吸において血液にとりこまれる酸素の体積の合計は、安静時の30秒間の呼吸において血液にとりこまれる酸素の体積の合計の (2 8 ) 倍であること がわかる。このように、運動時は血液に多量の酸素がとりこまれるため,細胞は、細胞の 呼吸(内呼吸)をさかんに行い,多くのエネルギーをとり出すことができる。
安静時の1回の呼吸では
空気中の酸素は21%
はいた息内の酸素18%
これより
七分の一
30秒間のはいた息の体積は
安静時は
は
運動時は
は
運動時÷安静時
÷
=
==8倍
ポイント
はいた息の中で使われた酸素は もともとあった酸素の何倍か
はいた息の変化量を始めの量でわる
運動時は安静時の何倍か
運動時の酸素の量を安静時の酸素の量でわる。
このように
○○は△△の何倍jか?という感が方は
○○÷△△
そして、割り算の場合、逆数にしてかける。約分が最後にできると考えて途中でのかけ算は極力しないのが計算を速く正確にする鉄則である。