塩化アンモニウムと水酸化バリウムの反応で冷たくなる(2018年群馬)
吸熱反応の実験
塩化アンモニウムと水酸化バリウムの反応
化学変化と熱の関係を調べるために、次の実験を行った。後の(1)~(3)の問いに答えなさい。
[実験]
試験管に、塩化アンモニウム1gと水酸化バリウム3gをそれぞれ入れ、混ぜた後、水2mLを加えた。次に、図Iのように、発生した気体が外に出ないように、水で湿らせた脱脂綿ですばやくふたをし、試験管内の温度を1分ごとに測定した。図IIは,測定時間と湿らせた 試験管内の温度の関係を示したものである。なお、室温は27.5°Cで一定とする。
塩化アンモニウムと水酸化バリウムを混合すると次の反応が起こる
2NH₄Cℓ + Ba(OH)₂ → BaCℓ₂+2H₂O+NH₃
塩化アンモニウム + 水酸化バリウム→塩化バリウム+水+アンモニア
反応の動画
この反応では25℃から―22℃まで温度が低下する。
周りから熱を奪うと温度は低下する。
化学反応で熱を吸収する反応を吸熱反応という
次の問いに答えなさい
(1) 実験において
①発生する気体を化学式で書きなさい。
この反応で発生する気体は アンモニアである。 化学式は NH₃
②脱脂綿を水で湿らせた理由を、発生した気体の性質に着目して簡潔に書きなさい。
アンモニアは有毒な種激臭を持つ気体である。
脱脂綿を水で湿らせるのは、アンモニアが水に溶けやすい性質を持つのを利用して、反応で発生するアンモニアを脱脂綿の水に溶かすためである。
化学変化でなくても、吸熱反応は起こる。
ブドウ糖をなめるとひんやりするのは、ブドウ糖が口の中で解けるときに熱を奪うためである。
また、アルコール消毒をするときに冷たく感じるのは、アルコールが蒸発して気体になる反応が熱を奪うためである。
たたくと冷える瞬間冷却剤の中には硝酸アンモニウムと水が分かれて入っている。
たたくと、硝酸アンモニウムが水に溶けて熱を奪うので冷たくなる。
硝酸アンモニウムの溶解による吸熱反応
室温と同じ温度22.5℃の水が急激に温度を下げる。
吸熱変化に関する問題
(2) 次の文は,実験の結果を考察したものである。文中の1については { } 内のア,イから 正しいものを選び、2]には当てはまる語を書きなさい。
塩化アンモニウムと水酸化バリウムを混ぜると化学反応が起き、そのときに熱を 1{ア 周囲からうばう イ 周囲に出す)ため、試験管内の温度が下がった。このよ うな化学反応を(2 )という。やがて,試験管内の温度は上がり始め、さらに十分な時間が経過すると,室温と等しくなった。
吸熱反応は
周りから熱を奪うので温度が下がる。
1 ア 2 吸熱反応
(3) 図 II で、十分な時間が経過した後に試験管内の温度が室温と等しくなった理由を、簡潔に 書きなさい。
十分温度が経過すると、室温に近づく。これは
外から熱が移動して、試験管内の温度が上がったから。