【中三応援プログラム】マグネシウムと塩酸。マグネシウムの燃焼、マグネシウムと二酸化炭素(2021年石川)
フランスでは1秒間に二人のコロナ陽性者が出ているといわれている
日本でも感染者が500人越えでこれは10月16日以来
日本での第六波が近づいてきそうな怖い今日この頃
日没の空を見ると惑星を観測することができます。
去年は木星と土星の接近がありましたね。しかし、今日から年明けにかけて寒波が迫って着る予報もあります。
それも怖いものです。
世の中怖いものであふれている。
今日は、2021年の石川県の問題からマグネシウムの反応を中心に酸化と還元の実験についてみてみましょう。
北陸の問題は受験者は大都市の十分の一と少ないのに大都市よりも難しい問題が出題されています。京都や大阪よりも難しいことがよくあります。
- 「実験1]水素による還元
- 単体
- 二本目の試験管を使うのはなぜか
- 還元の反応
- [実験II]マグネシウムの燃焼
- 未反応のマグネシウムの質量
- 化学反応式
- [実験Ⅲ] 二酸化炭素との反応
- 酸素と結びつきやすさ
「実験1]水素による還元
図1のように、試験管Aにマグネシウムと塩酸を入れ、発生した気体を水上置換法で試験管Bに集めた後,続けて試験管Cに 集めた。図2のように、ガスバーナーで加熱した後、表面が黒くなった銅線を ①試験 管Cに入れたところ反応し、②銅線は赤くなった。
単体
問1 マグネシウムや銅のように、1種類の原子だけでできている物質はどれか、
次のア~エから最も適切なものを1つ選び、その符 号を書きなさい。
物質の分類に関する問題
物質は1種類の物質からできている純物質と2種類の物質からできている混合物に分類される
ア 硝酸 硝酸水溶液であるので 硝酸’(純物質 化合物)、水(純物質、化合物) の混合物
イ アンモニア (純物質、化合物)
ウ 硫黄 (純物質、単体)
エ 水酸化ナトリウム(純物質 化合物)
混合物 ア
純物質 イウエ
純物質は1種類の原子からできている単体と二種類の原子からできている化合物がある
アンモニアは 化学式 NH₃ で表され、Nの窒素と Hの水素から成る
二種類の原子からなるので化合物
硫黄 化学式は S Sという原子だけで出来ているので単体
水酸化ナトリウム 化学式は NaOH NaとOとHという3種類の原子からなるので化合物
二本目の試験管を使うのはなぜか
(1)下線部①について、この操作では、試験管Cに集めた気体を使う。試験管Bに集めた気体を使わないのはなぜか、理由を書きなさい。
気体発生の実験で、気体を取り出すときは、もともと試験管の中にあった空気を最初に多く集めてしまうため、2本目を使う。
「試験管Bの中の気体は試験管Aの中にあった空気が多く含まれているから」
Bを使わない理由をかけという問題だから、Bにはどういう不都合があるのかをかく。
このため、「空気が含まれているから」という答えの場合正解にならない。
どこの空気が入っているのかを書かなくてはいけない。
「試験管Bの中には、もともとあった試験管A内の空気とゴム管とガラス管の中の空気を多く含んでいるため」
と書くとより正確な答えになる。
理由をかけという問題では「~から」「~のため」というように末尾をまとめる
還元の反応
(2) 下線部②について、この化学変化と同時に、試験管Cに集めた気体にも化学変化が起こった。集めた気体の名称と、この気体の化学変化後の物質の名称を、それぞれ書きなさい。
マグネシウムと塩酸の反応では
Mg + 2HCl→ MgCl₂ + H₂
マグネシウム 塩酸 塩化マグネシウム 水素
の反応が起こり 気体としてH₂が発生する H₂は水素である。
加熱した銅は空気中の酸素と反応して酸化銅になる
2Cu+O₂ → 2CuO
銅 酸素 酸化銅
色 赤 黒
この CuO 酸化銅が H₂ 水素と反応すると
CuO + H₂ → Cu + H₂O
酸化銅 水素 銅 水
黒 赤
Cuは酸素と結びつくので 酸化
CuOは酸素を失うので 還元
水素は酸素と結びつくので 酸化
酸化還元の問題だが、解答は、マグネシウムと塩酸の反応で出来た気体なので水素
水素と酸素が反応した後の物質だから 水
とここまでで答え方を確認する。今回、「名称で答えよ」となっているので
集めた気体 水素
反応後の物質 水
で正解。
これを
集めた気体 H₂
反応後の物質 H₂O
と書くと不正解である。H₂、H₂Oは化学式で答えているからである。
[実験II]マグネシウムの燃焼
図3のように、1.2gのけずり状のマグネシウムをステンレス皿に入れた。このけずり状のマグネシウムをガスバーナーで3分間加熱し、冷ましてから、加熱後の物質の質量を調べる操作を、その質量が増加しなくなるまで繰り返 した。図4は、加熱した回数と加熱後の物質の質量の関係をまとめたものである。
けずり状のマグネシウムというのは粉末のマグネシウムのことである。
炎や熱を出して激しく酸素と反応する反応を燃焼という。
この実験では完全にマグネシウムが空気中の酸素と反応するまで何回も実験を繰り返している
加熱した回数が0回というのが最初のマグネシウムの量で1.20g
これが加熱をすると酸素と結びつき、1回目、2回目は反応後の質量が大きくなるが3回目、4回目では質量の変化があまりなくなる。
これは、3回目、4回目では
「酸素と反応するマグネシウムがもうなくなってしまったため」
である。この質量が変化しなくなる理由もよく聞かれるので答えられるようにしておこう。
未反応のマグネシウムの質量
(1) マグネシウムの1回目の加熱後に、まだ酸化されていないマグネシウムの質量は何gか、求めなさい。
マグネシウム 1.20gを加熱すると 酸化マグネシウムとマグネシウムの混合物が1.80gできている。
最大の酸化マグネシウムが2.0gで一回目の加熱の時は1.8gだから
2.0ー1.8=0.2gがこたえだぁ
とするのは間違えである、
1回目ではマグネシウムと酸化マグネシウムの混合物で1.80gなのである
マグネシウム1.20gを完全に酸化させると酸化マグネシウムが2.0gできることから
マグネシウム:酸化マグネシウム=1.2:2.0=3:5の比である。
x+y=1.80・・・①
3x=5(1.20ーy)
3x=6ー5y
3x+5y=6・・・・②
②ー①×3
3x+5y=6
3x+3y=5.4
2y=0.6
y=0.3g
となり、未反応のマグネシウムは0.30gとなる。
化学反応で未反応のものがあるときの計算問題であるこの問題が一番この化学の計算では難しい問題である。
正答率がかなり低い問題ではあるがこの難しい問題が解ければ、あなたにとってそれは大きな武器である。
動画で解説(未反応の物質がある)
化学反応式
(2) マグネシウムが燃焼する変化を、化学反応式で表しなさい。
これは
2Mg + O₂ →2MgO
[実験Ⅲ] 二酸化炭素との反応
図5のように、マグネシウムをガスバーナーで加熱しすぐに二酸化炭素で満たされた容器の中に移したところ、激し い反応が起こった。反応後,容器の内部を観察すると白い粉 末とともに、黒い粒子ができていた。また、銅線を用いてマグネシウムと同様の操作を行ったが、銅は二酸化炭素の中で は全く反応しなかった。
ここでは
2Mg+CO₂ → 2MgO + C
が起こっている。
Mgと酸素の結びつきの方が
Cと酸素の結びつきよりも強いので二酸化炭素が還元されている
しかし
2Cu + CO₂ → 2CuO +C
という反応は起こらない。
Cuと酸素の結びつきは Cと酸素の結びつきよりも小さいのである。
酸素と結びつきやすさ
問4 実験IIIについて、次の文は、この実験について説明したものである。文中の(あ)~ (う)にあてはまる物質の名称をそれぞれ書き、文を完成させなさい。
実験結果から、マグネシウム、鋼、炭素について、酸素と結びつきやすい物質から順に 並べると、( あ )( い ) う)になることが考えられる。
よって反応しやすさを並べてみる
マグネシウムと二酸化炭素
炭素と酸素
銅と酸素
よって 結びつきやすさは あ マグネシウム い 炭素 う 銅 の順になる
2021年の学習指導要領からイオン化傾向が新しく中学で学習することになった。
これは金属がどれだけイオンになりやすいかというのを示したものでイオンになりやすいのは酸化しやすい金属である。
これは電池のところでも出てくる。