手を握られたのでものさしをつかんだ(2020年山口)
見てつかむのが握られてつかむに変わった場合どうなるか。
ものさしが落下するのを見て、ものさしをつかんだ
という問題が反応するのにかかった時間ではよく出題される問題であるが、次のような問題もある。
[実験]
1 30cm のものさしを用意した。
2 図1のように,Aさんは, ものさしの上端を 持ち,ものさしの0の目盛りをBさんの手の 位置に合わせた。また,AさんとBさんは お互いに空いている手をつなぎ,Bさんは 目を閉じた。
3 Aさんは,つないだ手を強くにぎると同時に,ものさしをはなした。Bさんは,つな いだ手が強くにぎられたのを感じたら,すぐ ものさしをつかんだ。
4 図2のように,ものさしが落下した距離を測定した。
5 2~3の操作をさらに4回繰り返した。表1はその結果である。
なぜこの実験は5回繰り返したのか?
実験においてより正しい値を求めるためには,[実験]の5,6のように繰り返し 測定し,平均値を求める必要がある。その理由を簡潔に述べなさい。
一回の測定で正確にはかり取れればいいが、一回では正確にははかり取れない
測定値には誤差があるから
平均を求め、グラフから読み取る
(3) 図4は, 30 cm のものさしが落下する時間と 落下する距離の関係を示したものである。図4と, [実験]のGで求めた距離の平均値から,手を 強くにぎられてから反対側の手でものさしを つかむまでの時間を答えなさい。
5回の実験結果が 19.0 20.8 18.5 20.0 19.2 である。
小さい順に並べると 18.5 19.0 19.2 20.0 20.8
ここで、3番目の値 19.2を中央値として
18.5=19.2-0.7
19.0=19.2-0.2
20.0=19.2+0.8
20.2=19.2+1.0
から5回の平均は
19.38cm
グラフより落下距離が19.38cmのときの落下に要する時間は0.20秒
ポイント
目で見てから、つかむまでの反応時間と
握られてから、つかむまでの反応時間がほぼ同じであるということを示す実験である。
石川の問題は音を聞くと同時にものさしをつかむのと目で見てものさしをつかむのでは時間があまり変わらなかったという問題が出題されている。
手を握られるという刺激で、ものさしをつかむという実験でも反応までにかかる時間は目で見てものさしをつかむのと変わらないという結果が得られる。
ものさしをつかむ実験の動画