緊急地震速報と主要動が同時な時の観測地の距離(2019年宮崎)
表から解く緊急地震速報の計算
表は,地下の浅い場所で発生した地震について,地点A,B,CにP波とS波が到達した時刻
を,それぞれまとめたものである。震源では,P波とS波が同時に発生しており,それぞれ一定 の速さで岩石の中を伝わったものとする。下の1~4の問いに答えなさい。
表
地点 | 震源からの距離 | P波が到達した時刻 | S波が到達した時刻 |
A | 40 km | 15時12分24秒 | 15時12分29秒 |
B | 80 km | 15時12分31秒 | 15時12分41秒 |
C | 120 km | 15時12分38秒 | 15時12分53秒 |
緊急地震速報の計算のやり方
表にまとめた地震では,震源からの距離が32 km の地点にある地震計でP波 を検知して,その3.4秒後に緊急地震速報が発表された。緊急地震速報が出されたときに,主 要動が到達しているのは震源から何 km までの地点か,求めなさい。ただし,答えは,小数第 1位を四捨五入して求めなさい。
第1ステップ 地震の発生時刻を求める。
A地点とB地点のデータから、AとBは40kmの距離の差があり、P波は7秒かかる
A地点よりも40km離れている震源にはその7秒前の15時12分17秒にP波が発生したことになる。
地震の発生時刻 15時12分17秒
地点 | 震源からの距離 | P波が到達した時刻 |
A | 40 km | 15時12分24秒 |
B | 80 km | 15時12分31秒 |
第2ステップ 緊急地震速報を受信した時刻を求める。
地震計に到達した時刻を求める。
40kmで7秒 32kmでt秒とすると
距離:時間=40:7=32:t
t=5.6s
15時12分22.6秒
このあと3.4s後緊急地震速報が出されているので
緊急地震速報が出されたのは
15時12分26秒
ステップ3 主要動が到着する時刻を求める
到着する時刻は緊急地震速報が出された 15時12分26秒である。
ステップ4 緊急地震速報が出された時間と主要動が到着した時間の差を求める
緊急地震速報が出された時刻と主要動が到着した時刻の差は0秒である。
地点 | 震源からの距離 | S波が到達した時刻 |
A | 40 km | 15時12分29秒 |
B | 80 km | 15時12分41秒 |
主要動(S波)は40kmで12秒進む。
地震発生時刻 15時12分17秒から緊急地震速報発進時刻 15時12分26秒
この間は9秒である。
別解
地点 | 震源からの距離 | S波が到達した時刻 |
A | 40 km | 15時12分29秒 |
B | 80 km | 15時12分41秒 |
表より A地点とB地点で距離が40km離れていると S波の到達時刻が12秒かかる
震源から9秒後にkmの位置にS波がいるとすると
距離:時間=40:12=x:9
また A地点はS波が来たのが15時12分29秒で
求める時刻は 15時12分26秒であるから、A地点より3秒早く、到着する場所である。
3秒間で進む距離を kmとすると
距離:時間=
よって
求める距離はA点よりも km震源に近い
40ー=
=30km
緊急地震速報と同時にS波が到着するという問題は多く出題されている。
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