地震はどこで起こったかを作図しようとしたら、すごいことになってしまった(2014年神奈川)
震央はどこだ???
ある日の夕方、Kさんが家でテレビを見ているときに地震が発生した。テレビのニュースでこの地震の情報が流れたので、Kさんはこの地震について調べてみた。 図はKさんの家とKさんが震度を記録した地点A~Cの位置関係を示していて、一目盛りは 1km を表している。
震央を作図により求める
地点Aから、震源までの距離が20kmなので、震源は地点Aを中心とした半径20kmの球面上のどこかである。
一メモリが1km四方より、点Aを中心とした半径20kmの円を描いてみる。
すると、Aの横軸は目盛りがちょうどあるところの恥のところが20kmで円がはみ出るという展開になる。
もう少しマス目をいっぱい用意してもらいたいなぁと思いつつ、点Bについても同様に円を書く。
震源は点Aを中心とした球面と点Bを中心とした球面上にある。
このことから、二つの円の公演を結んだ線上の真下に震源があることになる。
そして、この直線上に震央がある、
次に地点Cを中心都市半径28kmの円を書く。もう、点A、点Bがはみ出ているのだから、この円もきっとはみ出る。というより、この方法で合っているのだろうか?と受験生は不安になるに違いない。問題用紙からはみ出るのだから。
地点Aを中心とした半径20kmの球面と地点Cを中心とした半径28kmの球面上に震源があり、その震源は二つの円の交点を結んだ直線の真下にある、
地点Aを中心とした球と地点Bを中心とした球のときに引いた交点を結んだ直線と一点で交わる。この点が震源の真上の地上の点、震央である。
この点は、地点Bを中心とした球と地点Cを中心とした円の交点を結んだ線とも交わる。
このようにして、震央を求める。この震央の求め方は教科書にも載っている方法なので、受験生はできるようにしておきたい。
「理科の世界1年」大日本図書p261
震央の距離は、A地点から、横軸の直線上で西に16目盛り行ったところなので
16km
Kさんの家からは、南に4km、西に8kmのところが震央である。
震央を求める解説動画
この方法を動画で説明しています。
震源の深さを求めてみる。
2014年の神奈川県の問題はこれで終わりになっている。
もっと出題したいけど、これ以上出題したら問題多すぎというクレームが来るからなのだろうか?この問題用紙の下の方に、{問題はこれで終わりです)と書いてあって、ホッとした受験生もいたかもしれない。
しかし、受験生が本領発揮できるのはこれからである。
この図が出ている段階で、もう震源の深さを求めなさいと言っているようなものである。
観測地点をA点にするとA点と震央までの距離が16km、A点と震源までの距離が20km、震源の深さがdkmとすると、三平方の定理が成り立つ。
ここで因数分解の公式
が使えるので
震源の深さは12km
これの求め方は、標準問題で全国で出ています。2014年の神奈川では出なかっただけで普通に震央を求めたら、震源の深さを求めるのが当たり前のような感じです
動画で解説
地震に関する学習が中学1年生で行います
三平方の定理は中学3年生で数学で学習します。
今まで教科を超えた問題は出ない傾向だったのですが、ここ最近、増えてきました。
この計算のポイントは因数分解を使うというところです。
この問題の場合、、
とすぐに出せる人はいいですが、問題によってはすぐに出ないこともあります。
他の地震との比較
この地震と,マグニチュードおよび震央が同じである地震が,より深い位置で発生した場合に考えられることとして最も適するものを次の1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。ただし、 土地の性質や地下のつくりはどこでも同じであるとする。
1. 観測地点にP波がより早く到達するようになると考えられる。
2. 観測地点にP波よりもS波が先に到達するようになると考えられる。
3. 観測地点における地震のゆれは大きくなると考えられる。
4. 観測地点における初期微動の継続時間がより長くなると考えられる。
マグニチュードは地震の規模、震央はA地点から距離が16kmの地点で変わらない。
わかることは、地点Aでは震源までの距離が大きくなっている。
P波が伝わる時間は遅くなる。そのあとに来るS波との到達時刻の差である初期微動継続時間が長くなる。
マグニチュードが同じ場合は、震源からの距離が大きいと震度は小さくなる。
これが選択肢になっているものを選ぶ。
1はP波が遅くなるので×
2はどんな地震でもP波が先に来てS波が後であるから×
3は震度が小さいからゆれは小さいので×
4は正しい
この問題は正しいのを1つ選びという問題なので、解きやすい。
最近の問題は、すべて選びが多いのですべてこたえられるようにしておこう。
また、主要動が大きくなる。
マグニチュードとゆれの大きさ
地震波の伝わり方
このように円を書いて求めることができるのは地震が同心円状に広がるという性質があるためである。
P波とS波はP波の方が常にはやい