ピストルの音を聞いてからストップウォッチを押すと100m走のタイムが正確でない(2016年石川)
音で聞くのと目で見るのはどちらが正確か
和夫さんは明子さんの 100m 走のタイム測定を行った。図1のような位置で,和夫さん は先生がスタート地点で鳴らしたピストルの音を聞いてストップウォッチを押して、ゴールした明子さんを見てストップウォッチを止めて測定したところ,16.5秒だった。測定後, 2人は先生から「スタートのときはピストルの煙を見てストップウォッチを押さないと、 実際のタイムとの間に差が出るんだよ」と言われた。このことについて,以下の各問に答えなさい。ただし、先生と和夫さんの距離は 100 m であり、先生と明子さんの距離や風の影響は考えないものとする。
問1 ピストルの音の振動は、何によって和夫さんの耳まで伝わったか、書きなさい。
音の振動は 空気 によって伝わる。
先生と明子は近くにいるので、
ピストルの音 と 見える煙 同時に明子には信号として伝わる。
先生と和夫は100m離れているので
見える煙はピストルが鳴ったと同時に信号として伝わる
ピストルの音は遅れて信号として伝わる。
明子は ピストルの音→耳で受信→感覚神経→中枢神経→脳→中枢神経→運動神経→筋肉(走る)
和夫は ピストルがなる→空気を伝わり和夫まで届く→耳で受信→感覚神経→中枢神経→脳→中枢神経→運動神経→筋肉(ストップウォッチをスタートさせる)
と伝わるので、空気を伝わり和夫まで届くという時間の分だけロスしていると考えられる、
ピストルの音と煙が同時として
煙→目で受信→感覚神経→中枢神経→脳→中枢神経→運動神経→筋肉(ストップウォッチ)
とした方が、光が伝わる速さの方が、音の速さよりも速いのでロスがなくなると先生は思って下線部のように言った
耳の構造
問2 図2は、耳の構造の模式図である。耳小骨に音の振動を伝える部分はどれか,a~cから1つ選び、その符号 を書きなさい。また、その名称を書きなさい。
耳の各部の名称は覚える
a 鼓膜(こまく)
b 耳小骨(じしょうこつ)
c うずまき管
外側から鼓膜までを 外耳
鼓膜と耳小骨 を 中耳
前庭、半規管、うずまき管 を 内耳
耳小骨を伝えるのはa鼓膜
耳の構造に関する解説動画
問3 次のア~オを,音の刺激を受けてからストップウォッチを押すという反応が起こるまでの、刺激や命令の信号 が伝わる順に並べ、その符号を書きなさい。
ア 中枢神経
イ感覚神経
ウ 運動神経
エ 感覚器官
オ 運動器官
音の刺激→感覚器官(鼓膜→耳小骨→うずまき管)→感覚神経(聴神経)→中枢神経(脊髄→脳(処理)→脊髄)→運動神経→運動器官(筋肉)→ストップウォッチを止める
エ→イ→ア→ウ→オ
耳から筋肉までの信号の経路
耳で聞いてから筋肉を動かすのと、目で見てから筋肉を動かすのとの間に違いはあるか?
問4 2人は下線部について,「実際のタイムとの間に差が出るのは、ストップウォッチを
押すときに、目で見て押す場合と耳で聞いて押す場合とで、刺激を図3 受けてから反応するまでの時間が違うためである」という仮説を立 てた。そこで、図3のような落下するものさしをつかむまでに、も のさしが落下した距離を測定する実験を2つ行い、その結果を比較 して仮説を確かめることにした。次のア~エのうち、どの実験と どの実験を行えばよいか、その符号を2つ書きなさい。
ア 明子さんがものさしを離し、和夫さんがそれを見てつかむ。
イ 先生が光で合図し,明子さんは先生の合図を見てものさしを離し、和夫さんも先生 の合図を見てつかむ。
ウ 明子さんが音を出すと同時にものさしを離し、和夫さんは目を閉じてその音を聞い
てつかむ。
エ 先生が音で合図し,明子さんは先生の合図を聞いてものさしを離し、和夫さんは目
を閉じて先生の合図を聞いてつかむ。
ア 和夫は物差しが落下するを見てつかむので落下した距離は落下した時点からの距離に等しい
イ 和夫はものさしをみて、反応したわけではない。そのため、反応の時間は測れない。
ウ 明子が出す音と和夫が落下するのを見るのが同時である。
エ 和夫はものさしをみて、反応したわけではないから。反応の時間は測れない。
この中で、比較するものは、和夫が目の信号を直接見ている ア
和夫が音と落下が同時な ウ
正確な時間はいくつか?
問5 問4の実験の結果,刺激を受けてから反応するまでの時間にほとんど違いがないことがわかった。このことから2人は、原因が別にあることに気づき、次のようにまとめ た。文中の1にあてはまる内容を書きなさい。また、文中の2にあてはまる値を小数第 2位を四捨五入して求めなさい。ただし、音の速さを340 m/sとする。
実際のタイムとの間に差が出るのは、(1 )ためである。 このことをもとに計算すると、明子さんの実際のタイムは(2 )秒だったことになる。
実際のタイムとの間に差が出るのは、刺激が耳まで伝わる速さと目に伝わるまでにかかる時間が違うためである。
100m伝わるのに、音は何秒かかるか。
小数第二位を四捨五入すると 0.3秒であるから
16.5秒よりも0.3秒速く走りだした
16.5+0.3=16.8s