浮力から密度の計算(2019年神奈川)
浮力を求める(2014年茨城)
密度が7g/cmで体積が 10 cm" の金属がある。この金属を図のようにばねばかりにつるして水中に沈めると、ばねばかりの 目もりは 0.6 Nであった。水中でこの金属にはたらく浮力の 大きさは何Nか,求めなさい。ただし,100gの物体にはたら く重力は1Nとする。
力を記入する
この金属の質量は
密度✕体積=質量より
7g/cm³×10cm³=70g
重力=0.70N
力のつり合いを書く
張力+浮力=重力
浮力=重力ー張力
浮力=0.70Nー0.60N
浮力=0.10N
浮力の大きさは 0.1N
水圧と密度(2019年神奈川)
図1のように,物体Xをばねばかりにつるし,a~d の位置におけるばね ばかりの値を測定した。また,物体X を材質が異なる物体Y,物体Zにかえて同様の操作を行った。表は,これら の結果をまとめたものである。
水圧の模式図
図1のdの位置のように物体が水中に沈んでいるとき、物体にはたらく水圧の様子として最も適するものを次の1~6の中から一つ選び、その番号を答えなさい。ただし、矢印の長さは,水圧の大きさを表している。
dは水にすべて沈んでいるので、上からも水圧がかかっている。水圧の大きさは深くなるほど大きくなる。
よって答えは6
Xの浮力
図1のdの位置における物体Xにはたらく浮力の大きさは何Nか。
aの時のばねばかりの力が物体の重力になる
cの時のばねばかりの大きさ+浮力=aの大きさ
浮力=aの大きさーcの大きさ
物体 |
a |
c |
a-c |
a/(a-c) |
X |
0.50 |
0.30 |
0.20 |
2.5 |
Y |
0.40 |
0.20 |
0.20 |
2.0 |
Z |
0.50 |
0.40 |
0.10 |
5.0 |
よって、Xの力は0.20N
密度の大きさ
浮力(a-c)の大きさは体積に比例する。
aの重力の大きさは質量に比例する
a/(a-c) は 質量/体積 である密度に比例する。
(ウ) 物体X~Zについて述べたものとして最も適するものを次の1~5の中から一つ選び、その番号を 答えなさい。
1. 物体Xと物体Yの密度は等しい。
2. 物体Xと物体Zの密度は等しい。
3. 物体X~Zの中では,物体Xの密度が最も大きい。
4. 物体X~Zの中では、物体Yの密度が最も大きい。
5. 物体X~Zの中では,物体Zの密度が最も大きい。
Xは2.5 Yは2.0 Zは5.0
より密度の大きい順に並べると
ZXY 密度が大きいのはZなので5
ポイント
密度の大きさを求めるときに、cの位置のばねの力ーaの位置のばねの力から求めることができる浮力から
X,Y,Zのaの位置からX.Y、Zの質量を求める
X 0.50N → 50g
Y 0.40N → 40g
Z 0.50N → 50g
水の質量をそれぞれ求める
X 0.20N → 20g
Y 0.20N → 20g
Z 0.10N → 10g
ここで、水の密度を1g/㎝³とおくと
水の体積=水の質量÷水の密度
X 20g/1g/cm³ → 20cm³
Y 20g/1g/cm³ → 20cm³
Z 10g/1g/cm³ → 10cm³
この水の体積と物体の体積が同じであり、物体の密度は
物体の質量÷物体の体積であるから
質量 体積 密度
X 50g 20cm³ 2.5g/cm³
Y 40g 20cm³ 2.0g/cm³
Z 50g 10cm³ 5.0g/cm³
というように、水の密度が与えられている場合は、X,Y、Zの密度の大きさを求めることができるが、この問題では、水の密度が与えられていないので
物体の重力は物体の質量に比例している
水の浮力は水の体積に比例している
として、物体の重力/水の浮力は、物体の密度に比例するという考えを使った。
この考え方は水以外でも、液体をエタノールと水の混合物(密度が1.0g/cm³より小さい液体)や水銀(密度が13.6g/cm³)という物質でも応用できる。