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高校レベルで考えなくてはいけない浮力(2019年茨城)

 

浮力とは

物体を水の中に入れると、押しのけた水の体積分の水のおもさと同じ大きさの浮力が上向きに働く

 

浮力は水の中に入れていない時は働かない

浮力は水のなかに徐々に沈めていくとき、浮力は徐々に大きくなる

浮力の最大の量はすべて水の中に入った時である。

水の中で物体が静止して浮かんでいるときは 浮力=重力

水の中で物体が静止せずに上に浮かぶときは 浮力>重力

水の中で物体が静止せずに下に沈むときは 浮力<重力

糸でつり下げ、下に沈ませない時は糸の張力+浮力と重力はつりあっている

糸でつり下げずに、下に沈んだときは浮力<重力である。

台ばかりが関係しているときは台ばかりは水の重さを測っているので水にかかっている力(物体の浮力の反作用と物体の垂直抗力の反作用)を測定している 。直接おもりの重さを測ってはいない。

 

ということを思考できるかどうかの問題が浮力の問題である。

 

質量のわからない物体を軽くて細い糸でしばり,図1~3のように状態を変化させ,電子てんびんの示す値を読みとったところ、図1の状態で 282 g,図2の状態で 320 g, 図3の状態で 365 g であった。

 ただし, 100gの物体にはたらく重力の大きさを1N とする。

 

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水に入れる前

図1は水と容器の質量を示してある。

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水に入れているとき

物体にかかる力と台ばかりにかかる力を別々に考える

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糸の張力+浮力=重力

台ばかりにかかる力は浮力の反作用なので

浮力の反作用=(320ー282)/100=0.38N

 

 

水の底にあるとき

 

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浮力と垂直抗力の和は物体の重力とつりあっている。

水の増えた重さ=浮力の反作用+垂直抗力の反作用

水の増えた重さ=おもりの重力

水の増えた重さ=(365ー282)/100

水の増えた重さ=0.83N

 

物体の質量は0.83N×100=83g

 

実は難しい台ばかりの問題

 中学校では浮力は物体の上面に働く水圧と物体の下面に働く水圧の差で求めると学習する。

 

これで考えると、水底に着いた物体には下からの水圧が存在しない。

そうなると浮力が存在しない。

だから、このときに台ばかりにかかる力は物体の重力だけだ。

という風に解釈してしまう。

 または、浮力はかかるが、その浮力の大きさはこの台ばかりにかかる力に考えない

という説明をしているホームページもある。

それは乱暴すぎる考え(間違っている考え)

 糸でつるした時の水の増えた重さが浮力の反作用である。

 水底に着いた時の水の増えた重さは物体の浮力と物体の垂直抗力の反作用である。

 

机の上に置いた物体の垂直抗力は重力とつりあう。というので垂直抗力=重力

で覚えている人は、垂直抗力+浮力=重力というのを思いつかない。

 

しかし、机の上に置いた物体をおくと、机にかかる力は、垂直抗力+空気による浮力がかかっている。ただ、台ばかりも空気中にあるのでこの空気による浮力は台ばかりにかかる空気のおもさとつりあい、机に置いた物体の重さに影響を与えていない。

 

 これについては、高校の物理基礎で学習する。この問題は実は高校レベルの問題なのである。