ボールから空気を抜くとボールは軽くなる。(2016福井)
ボールから空気を抜く
ボールに空気を入れて、質量を測り、ボールの大きさが変わらない程度に空気を抜き、再び質量を測った。測定の結果、図1のように変化した
ボールから空気を抜いたということは、ボールに入っていた空気の質量分軽くなるので
306.4-305.5=0.9g軽くなった。
ボールから抜いた空気の体積を求めてみよう。空気の密度は0.0012g/cm³とする。
ここで 密度をd 質量をm 体積をVとすると
V=750cm³
圧力の大きさ
図2のように、重さ3Nの直方体の物体をスポンジの上に乗せ、下にする面を変えてスポンジのへこみ具合を観察した。
圧力は何倍か。割り算は逆数をかける
物体のA面を下にしておいたとスポンジは最も深く沈みこんだ。A面を下にした時にスポンジが物体から受ける圧力はB面を下にした時の何倍か。
A面を下にした時の圧力をP₁
B面を下にした時の圧力をP₂
とする。A面の面積は 3cm✕2cm=6cm²
B面の面積は3cm✕5cm=15cm²
物体の重さは3N
A面の圧力はB面の圧力の何倍かはA面の圧力をB面の圧力でわる
=2.5倍
大気圧の比較
実験2で物体のA面を下にしておいた。このとき、次のア~ウの文について、正しいものに〇、誤っているものに×をつけよ。
ア B面およびC面は、水平な台に対して垂直になっているのでB面およびc面には大気圧ははたらかない。
大気圧はどの面にも働くのでこれは間違い。
イ 大気がB面を押す力と,B面の反対側の面を押す力はつり合っている。
これは同じ面積なので正しい
ウ 大気がB面を押す力の大きさと、C面を押す力の大きさは同じである。
B面の面積は 3cm✕5cm=15cm²
C面の面積は 2cm×5cm=10cm²
力=圧力×面積より、面積が大きくなるほど大きくなるのでC面を押す力が大きい
よって間違い
吸盤が支える力
「実験3] 図3のように,質量 900gのおもりをつるした吸盤を天井に押しつけ、ゆっくりと手を離し吸盤の状態を観察した。吸盤は天井からはなれず,おもりは落ちずにぶら下がった。吸盤と糸の重さは無視できるものとする。
実験3で、整にはたらく大気圧のようすを正しく表しているものはどれか。最も適当なものを次のアーエから1つ選ん で、その記号を書け。
大気圧は面に対して垂直にかかるのでエ
実験3で吸盤にはたらく力を図4に示した。力1と力2は、空気と吸盤および大気と吸盤がふれている面全体にはたらく力を 1本の矢印で表したものである。このとき,力1と力3の合力と 力2がつりあっているものとする。
力2の大きさが 100 N であるとき、力1大きさは何Nか。 ただし、質量 100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとする
力1と力3の合力は力2とつりあっている
力1+力3=力2
力3は重力とつりあっているので
力3=重力
重力=9N
力2=100N
力1+9N=100N
力1=100-9
力1=91N
吸盤に関する問題はあちこちで出題されている。
計算ミスを誘う問題(2021年京都)動画解説
0がいっぱいあって間違えそうな問題(2021年北海道)動画解説
圧力の問題は単位変換
圧力の計算は大きい数字を扱うことが多い。そのときに計算ミスをしないように小数は分数、割り算はぎゅく数のかけ算というのを徹底する。
また物体100gの重さが1Nである1kgの重さが10Nというように、質量から重力の大きさにすぐに変換できるようにしておく。
圧力の単位で
N/m² と N/cm²がある。
N/m² ニュートン毎平方メートルはPa(パスカル)に置き換えることができる。
1N/m²は 1m=100cmだから 1m²=100cm×100cm=10000cm²
1N/m²=1N/10000cm²=
大気圧は 1013hPa(ヘクトパスカル)
h(ヘクト)は100倍のという意味がある
1013h=1013×100
大気圧は101300Pa=101300N/m²=101300×
=10N/cm²
1㎝²に10Nの力 つまり1000g、1kgの物体をのせたことになる。