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考察の仕方が間違ってます。位置エネルギーで木片を動かす(2017年宮崎)

 

考察の仕方が間違っています。

【目的】 位置エネルギーの大きさは,物体の高さや質量とどのような関係があるかを調べる。

【方法】 質量が異なる3つの小球A(ガラス),B(金属), C(木片)について,基準面からの高さを変えて斜面を転 がし,木片に当てて,木片の移動距離を調べた。

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【結果】

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【考察】 木片の移動距離が大きいほど,位置エネルギーの大きさは大きいといえるので,位置エネルギーの大きさは, 次の2つのことに関係していると考えられる。

1 位置エネルギーの大きさは,基準面からの高さが高いほど大きい。

2 位置エネルギーの大きさは,物体の速さが大きいほど大きい。

グラフを作成する

(1) 【結果】をもとに,小球Aのときの小球の基準面からの高さと木片の移動距離と
の関係を表すグラフを,解答用紙の図IIのグラフ用紙にかきなさい。

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小球Aの高さと移動距離の結果が完全に比例しているという結果のデータならば

 小球1の10cmのデータが3.4cmなら2倍の高さの20cmなら6.8cm、3倍の高さの30cmなら10.2cmとなる。

しかし、結果は10cmで3.4cm 20cmで7.1cm 30cmで11.1cmと比例の値ではない。

 

グラフは縦の一メモリが1cmであることに気を付けて、3点を打ち、原点を通り3点のそばを通るような直線を書いたものが求められる答えになる。

小球B、小球Cについても基準面からの高さと木片の移動距離の関係を調べる

 

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小球の質量を変えても基準面からの高さと木片の移動距離は比例の関係がある。

 

次に、小球の質量と木片の移動距離について考える。

 基準面からの高さが10cmのとき20cmのとき30cmのときで、グラフを作成する。

 

基準面からの高さが10cmのときの小球の質量と移動距離
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基準面からの距離が20cmのときの小球の質量と木片の移動距離

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基準面からの距離が30cmのときの供給の質量と木片の移動距離

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どの場合も比例している。

このことから、小球の質量と木片の移動距離は比例関係にある。

速さは調べてはいなかった。

 (2) 【考察】の1.2のいずれかは,【目的】に対して適切とはいえない。適切でない ものを選び,番号で答えなさい。また,その番号の文を【目的】に対して適切な 【考察】となるように書き直しなさい。

目的を振り返る

位置エネルギーの大きさは,物体の高さや質量とどのような関係があるかを調べる。

結果は

位置エネルギーが大きいと木片の移動距離が大きいという仮説の下で行っている。

位置エネルギーと移動距離が何の関係もないのなら、この実験自体意味がない。

 これから結果では

基準面からの高さと木片の移動距離は比例関係がある

物体の質量と木片の移動距離は比例関係がある

がわかっている。

考察を見てみる。

1 位置エネルギーの大きさは,基準面からの高さが高いほど大きい。

2 位置エネルギーの大きさは,物体の速さが大きいほど大きい。

1は結果から言えることであるが、

2の物体の速さはこの実験では測定していないからこの考察はおかしいのである。

ではどうすれば、よいか、1以外の考察であるから質量との関係を述べればよい。

位置エネルギーの大きさは物体の質量が大きいほど大きい。