ばねばかりと台ばかりの値は水の中で糸を切ったらどうなるか?(2018年神奈川)
浮力と張力の関係
図のように、水を入れた容器を台ばかりにのせ、その水の中に糸でつないだ物体Aと物体Bをばねばかりにつ るして入れたところ,どちらも完全に沈み、容器の底に着 かずに静止した。このときのそれぞれのはかりの目盛りを 最初の値とする。次に,物体Aと物体Bをつなぐ糸を切る と物体Bが容器の底に落下して静止した。このときのばね ばかりと台ばかりの目盛りは、最初の値と比べてそれぞれ どのようであると考えられるか。最も適する組み合わせを 次の1~4の中から一つ選び、その番号を答えなさい。
糸を切る前
物体にかかる力 台ばかりにかかる力
張力AB=重力Aー浮力A+重力Bー浮力B
台ばかりにかかる力=物体Aの浮力の反作用+物体Bの浮力の反作用
糸を切った後
物体にかかる力 台ばかりにかかる力
張力A=重力Aー浮力A
重力Bー浮力B>0より、
張力A<張力AB
糸切る前の台ばかりにかかる力=浮力Aの反作用+浮力Bの反作用
糸切った後の台はかりにかかる力=浮力Aの反作用+浮力Bの反作用+物体Bの垂直抗力の反作用
より
糸切る前の台ばかりにかかる力<糸切った後の台ばかりにかかる力
よって、組み合わせは2になる。
ポイント
ばねばかりの値と台ばかりの値を考えるためにそれぞれにかかる力を別々に考える。
浮力は教科書では1ページの扱いである。
「理科の世界3年」p26大日本図書
水に物体を沈める実験が昨年度まで中学1年で学習していたものが今年度から中学3年生にうつった。中学1年でばねばかりとともに学習していた内容がうつったことで出題形式は変わることが考えられる。
今まで、浮力の学習のときには習っていなかった作用反作用の法則を、
中学3年生に移行したことで作用。反作用の法則との関係で聞かれることになると考えられる。
このことから、台ばかりをつかったこの問題は今後増えると考えられる。