エタノールと水の混合物の蒸留によって得られた液を使って、プラスチックの密度を調べる
蒸留で得た溶液を使っての密度比較(2018年埼玉)
実験1 エタノールの密度を求める
ビーカーにエタノールを入れ、エタノールを電子てんびんで測定したところ27.3gだった。体積を測るため、100mLのメスシリンダーに移した。液面を真横から水平にみると、図1のようであった。1mL=1㎝³とする。
エタノールの密度を計算する
密度=質量/体積である、メスシリンダーの目盛りを読むと34.5mLと読める。
27.3/34.5=0.79g/cm³
実験2 エタノールと水の混合物の蒸留実験
(1) エタノール 5cm? と 水 20 cmをはかって混合物をつくり、枝付きフラスコに入れた。
(2) 図3のような装置を用いて混合物を加熱し、1分ごとに温度を測定した。
(3) 混合物が沸とうし、試験管に液体がたまりはじめた。その液体を約3cmずつ3本の試験管に集めた。
(4)(2),(3)の結果をグラフに表したところ、図4のようになった。
(5)(3)で試験管に集めた液体の性質を調べ るために、図5のように、試験管に集まっ た液体にポリプロピレンの小片を入れ、浮 き沈みを調べた。また、図6のように、液 体にひたしたろ紙に火をつけたときのよ うすを調べた。表は、その結果をまとめた ものである。
(a)蒸留装置の目的
試験管を水の入っているビーカーに入れる目的を、液体という語句を使って書きなさい。
(b)蒸留実験でとれる液体
1本目の試験管に多く集まった液体は何ですか。その名称を書きなさい。また、図4と表の結果から、そのように考えた理由を書きなさい。
(c)プラスチックの密度
図7は、実験(5)で使用したポリプロピレンとそれ以外の3種類のプラスチックの質量と体積を測定し、その結果をグラフに表したものです。実験(5)で使用 したポリプロピレンとして最も適切なものを、図7の アーエの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
(a)の考え方
蒸留装置には各部にはそれぞれの意味がある。どれもテストによく出る事項である
1 温度計の位置
2 沸騰石を入れる理由
3 枝付きフラスコが丸底である理由
4 蒸留する液体の量
5 試験管を水の中に入れて冷やす理由
高校ではゴム管のところにリービッヒ冷却器を取り付け、冷やすことを学ぶが、中学では試験管に集める部分で冷やす。
枝付きフラスコから出てきた期待を冷やして液体に戻すため
試験管を水の中に入れる、
(b)の考え方
沸点はエタノールが78℃、水が100℃というようにエタノールが低いため、
最初にエタノールを多く含む液体をとることができる
答え エタノール
理由 エタノールの沸点近くで集められていること。ろ紙に液体を浸したところ燃えたから。
(c)の考え方
1本目はエタノールが多い
エタノールの密度は実験1より0.79g/cm³より、それよりも、ポリプロピレンの密度は大きい。
3本目は水の量が多すぎて、エタノールが少ないので密度は1.0g/cm³に近い。
1.0g/cm³では浮かぶことより
エタノールの密度 0.79g/cm³<ポリプロピレンの密度<水の密度1.0g/cm³
二本の直線の間にあるものがポリプロピレンである。 当てはまるのはエ
まとめ
この問題では
メスシリンダーを読み取ることができる
密度を求められる
蒸留装置を理解している
蒸留でなにが出てくるかを理解している
エタノールの性質を理解している
質量と体積の図の意味を理解している
沢山のことが一つの問題の中に集まっている良問である。
しかも、解答は 「説明しなさい」と文章で書かなくてはいけないので、文章表現力も問う問題になっている。