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【中三応援プログラム】本みりんの蒸留(2021年山口)

 

中学生が苦手とする質量パーセント、密度を使った蒸留の問題である。

蒸留の問題ではエタノールを含む割合が最初のほうが多く、試験管を変えて蒸留した液を集めると次第に水が多くなる。

 これを密度との関係で示したものである。

山口県では問題数が多いので、表ですでに密度の計算をしてあるのでこの問題は取り組みやすい問題になった。

 

しかし、データから密度を求める問題も出てもおかしくない。

そのときに、同様の答えを出せるように密度の計算もできるようにしておきたい。

 

[目的]

本みりんを蒸留して取り出された液体の「密度」を測定することで,エタノールが 取り出されるようすを調べる。

[実験]

1 2cm³の位置に油性ペンでしるしをつけた試験管を6本用意した。

2 本みりん 30 cm³ をはかり,枝付きフラスコに入れた。

3 ガスバーナーの炎を調節し, 図1のように,本みりんを加熱した。

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4 液体が,試験管に2cm³たまったら、素早く 次の試験管に交換した。

5 4の操作を繰り返した。

6 液体が,6本目の試験管に2cmたまった * ところで, ガスバーナーの火を消した。 図2のように,メスシリンダーを電子てんびんにのせ,電子てんびんの表示を0にした。

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8 6のメスシリンダーに,それぞれの試験管に 取り出された液体を入れ,質量と体積を測定した。

9 3で測定した液体の質量と体積から,それ ぞれの試験管に取り出された液体の密度を小数第2位まで求めた。

10 8で測定した液体の質量と体積および9 で求めた密度を,表1にまとめた。

 

表1

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デンプンを分解する酵素

(1) 本みりんの特有の甘みは,原料に含まれるデンプンなどが分解されることでつくられている。デンプンを分解する消化酵素を何というか。書きなさい。

 蒸留の問題の中に生物の問題が混ざっている。山口県らしい問題である。

山口県では分野を問わず、出題されることが多い。

 ここでは、デンプンを分解する酵素 アミラーゼを答える

タンパク質を分解する消化酵素 ペプシン

脂質を分解する消化酵素 リパーゼ

と消化酵素名をしっかり覚えること

 つぎに デンプンを麦芽糖に分解される

デンプンはヨウ素液を青紫色にさせ、ベネジクト液は青色のまま

麦芽糖はデンプンは色が変化しない。ベネジクト液は赤褐色

 ベネジクト液は加熱して、反応を見る

 

タンパク質は分解されてアミノ酸になる

 デンプンは分解されると麦芽糖をへて、ブドウ糖になる

ブドウ糖アミノ酸は小腸の柔毛から吸収されて毛細血管の中に入る

 

脂肪はモノグリセリドと脂肪酸に分解される。分解されたものは小腸の柔毛からリンパ管の中に入る

 

ここで

ブドウ糖アミノ酸が毛細血管

モノグリセリド、脂肪酸がリンパ管

という組み合わせも大事である。

 

さらに、小腸の柔毛はどうしてひだ状になっているのか

 表面積を大きくすることで効率よく栄養分を吸収するため

 

これだけのことを知識として知っておく必要がある。

 

電力量の単位変換

(2) Y さんは、本みりんの「煮切り」を,電子レンジで行う方法があることも知った。消費電力が 1200 Wの電子レンジで60秒間加熱する場合,消費する電力量は何 Whか。 求めなさい。

 

消費電力=電圧×電流

電力量=消費電力×時間

 

ここで 60秒加熱している。Whで求めることなので

60秒=1分=\dfrac{1}{60}h

 

電力量=1200 \times \dfrac{1}{60}=20Wh

 

 

(3) 図3は, 25 °Cにおける, エタノール水溶液の質量パーセント濃度と密度との関係を表 したものである。次のア、イに答えなさい。ただし,本みり んに含まれる物質は, 水とエタノールのみ とし,水とエタノールの密度は,それぞれ 1.00 g/cm³, 0.79 g/cm³ とする。

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ア 次の文が,表1と図3をもとにした考察となるように,( )の中のa~d の 語句の組み合わせを選びなさい。

 

1本目に取り出された液体の密度が, 0.79g/cm³より大きいことから、1本目 に取り出された液体は, (a 純粋なエタノール b 水とエタノールの混合物) であると考えられる。また,取り出された液体の密度が,本数を重ねるごとに, 徐々に大きくなることから,含まれるエタノールの質量パーセント濃度は, 徐々に(c 大きくd 小さく)なることがわかる。

 

物質によって密度は決まっている。

 蒸留では「純物質」を得ることは難しく、この蒸留でも最初はエタノールの含有量が多い水溶液が得られるだけである。よってb

 本数を重ねていくと水の割合が増えていくことで、密度が大きくなる。

エタノールの質量パーセント濃度は徐々に小さくなる。

よってd

bとdを選ぶ

 

密度の図を使う

イ 実験を終えたYさんは,T先生と,次のような会話をした。Yさんの発言 が,実験の結果と合うように,あ,いに入る適切な数字を書きなさい。

Yさん: 本みりんからエタノールが取り出されるようすや、取り出された液体の密度と質量パーセント濃度との関係を調べることができました。

T先生: エタノール水溶液の質量パーセント濃度は,火を近づけたときのようすからも調べることができますよ。

例えば,今の実験室の室温で, 取り出された液体に火を近づけたとき, 液体が燃えたら、含まれているエタノールが 50%以上であるといえます。

Yさん: わかりました。では、50%以上であると考えられる、あ (  )本目から

い (  )本目が燃えることを確かめてみます。

 

図3よりエタノールの濃度が50%以上は密度が0.91g/cm³より小さいときである。

1本目の密度 0.83g/cm³

2本目の密度 0.85g/cm³

3本目の密度 0.90g/cm³

4本目の密度 0.96g/cm³

 0.91g/cm³より小さいのは 1本目から3本目

あ 1 い 3