ミョウバン40gと食塩10gの混合物から再結晶で片方の物質を得たときの質量
水の量が200gのときの硝酸カリウムの析出量を求める。
問題
ミョウバン40gと食塩10gをを60°Cの水 200gに入れてよくかき混ぜたところ,完 全にとけた。この水溶液の温度を10°Cまで下げると、どち らの物質が取り出せるか、書きなさい。また、取り出せる 質量はいくらか,次のア~エから選びなさい。
考え方
200gの水に溶かしているので溶解度は2倍になる。このことから、
縦軸が2倍の目盛りで考える。
黄色の部分が溶かした硝酸カリウム、青い部分が溶かした食塩である。温度を冷やしていくと硝酸カリウムの溶解度曲線よりも上側に来る赤色の硝酸カリウムは析出する。
一方食塩は、溶解度曲線よりもはるかに少ない量が解けているので析出することはない。
10℃のときの硝酸カリウムの溶けている量は図より16gぐらいと読み取れる。(グラフの1メモリが10gより、目分量で1gの単位までグラフを読み取る。)
40gとかして16g溶けているから、40-16=24gの硝酸カリウムが析出している。
答えは「硝酸カリウム、ウとなる。」
出題の狙い
2倍の水の量だから、溶解する量も2倍になる。
溶解度曲線よりも上側に来ると溶け切らないということを知っているか。
硝酸カリウムは溶解度曲線よりも上に来るが、食塩は溶解度曲線よりも上に来ないので析出しないということをグラフから考えられるか。
硝酸カリウムの10℃の時の溶解度が元のグラフから8gとよみとれるか?
(一メモリが5gだから0.5gまでよみとる)
水の量が2倍だから2✕8=16gとけていると判断できるか。
40ー16=24gと出せるか?
この問題では選択肢で答えることになっている。水100gの時の溶解度8gから
40ー8=32gでエを間違って選択するように作られている。
10℃の時の溶解度が8gと読み取れないで7gでも、2倍量の14g溶けていることを考えて40―14=26g
と出した場合、選択肢には24gと近い値があるので、容易に正解を出すことができる。
しかし、これからの入試問題では4つから選べではなく、計算で数値を答えさせる問題もあると考えられるからグラフを正確に読み取る力を身につけたい。