【中三応援プログラム】自家受粉しない仕組み(2018年大阪)
エンドウは、一つの花の中で自分の作った花粉がその花のめしべに受粉し、花粉の中の精細胞とめしべの中の卵細胞と受精して種子ができる。
確実に子孫を残すためには自家受粉は都合がよい。しかし、遺伝子の多様性を作ることが難しく、環境の変化に適応した子孫を残す有性生殖のはたらきがいかせられない
有性生殖では他の固体の花粉とめしべが受粉することが多様な子孫を生み出すことができる。
これをするためには、花の中でおしべとめしべの熟す時期を変えるということを行う。
ホウセンカでは、めしべを包むようにおしべが存在している。
このままでは、ホウセンカは一つの花の中で作られた花粉を使い、受粉してしまう。
しかし、それは起こらない。
これに関する問題が、2018年、大阪で出題されている。
おしべとめしべの観察
【Gさんの観察 2 の記録】
記録1:1本のホウセンカには複数の花が咲き,いずれの茎にも,Sのような先端がとがった形をした突起をもつ花と,Tのような先端がふくらんだ形をした突起をもつ花の両方が咲いていた。
記録 2:開花直後の花の突起は,いずれもTのような形をしており,突起の先端のふくらんだ部分をル- ペで観察すると,花粉がたくさん入った袋状のつくりをしていた。
記録3:開花直後のTのような形をした突起を縦に切り,その断面をルーペで観察すると,突起の内部に直径 0.5 mm ほどの緑色の粒が並んでいるのが観察できた。
記録4:Tのような形をしていた突起はいずれも開花してから7日ほどたつと,突起の先端のふくらんだ部分を含む表面部分がとれてなくなっており,Sのような形をした突起に変わっていた。
記録5: Sのような形をした突起は,花弁が散った後も,2cm ほどの長さになるまで成長し,指で触れると, はじけて中から直径3mm ほどの茶色の種子が飛び出した。飛び出した種子は, 複数の花 の突起の断面を観察することで,緑色の粒が成長したものであることが分かった。
種子になる前
(3) 上の文中の下線部は,種子となる前は何と呼ばれているか,書きなさい。
種子になる前は胚珠である。
胚珠が種子
脂肪が果実になる
めしべであること
(4) Gさんの観察2の記録から分かることについて,次の問いに答えなさい。
1 Sのような形をした突起がめしべであることは,Gさんの観察2の記録のどれから分かるか。次のア〜ウのうち,最も適しているものを一つ選びなさい。
ア記録1 イ記録4 ウ記録5
めしべであることは、種子ができることによって確かめられる。種子ができているのを示しているのは記録5である。
答えはウ
おしべであること
2 Tのような形をした突起にはおしべがあることは,Gさんの観察 2の記録のどれから分かるか。次のア~エのうち,最も適しているものを一つ選びなさい。
ア記録1 イ 記録2 ゥ 記録3 ェ 記録4
記録2で花粉が出来ていることが分かることから。Tのような形をした突起がおしべである。
よって答えは イ
おしべとめしべの成長の時長
3 次のア~エのうち,ホウセンカの花の特徴として最も適しているものを一つ選びな さい。
ア 開花直後は おしべだけをもち,やがて めしべがおしべの中につくられる。
イ 開花直後は おしべだけをもち,やがて めしべがつくられて おしべをおおう。
ウ 開花直後は おしべがめしべをおおっており,やがて おしべがはがれる。
エ 開花直後は おしべがめしべにおおわれており,やがて めしべがはじけて中から おしべが現れる。
開花直後はおしべが成熟している。このおしべの花粉が開花が早い花のめしべに受粉する。
しばらくすると、めしべが成熟する。おしべがはがれ、めしべが現れる。
ホウセンカのように
花粉を作るおしべが先に熟し、あとでめしべが熟すことで一つの花の中で受粉しないようにしている。
このような仕組みはトウモロコシにもみられる。
生殖細胞がどのような順番で出来るかが出題されるのは珍しいので今回取り上げてみた。