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【中三応援プログラム】トマトの果実の色の遺伝(2021年国立高専)

 

トマトの遺伝

果実の色が赤色と黄色の対立形質をもつトマトがある。赤色の純系の花粉を黄色の純系のめし べに受粉させて種子をとった。この種子から100本の木を育てたところ,とれた果実(以後,ト マト A群とする)はすべて赤かった。

トマト A群の種子をとり育てたところ、赤色と黄色の果実(以後,トマトB群とする)を収 穫することができた。1本の木についている果実の色はすべて同じであり、1本あたりの果実の 数はほぼ同数であった。赤色の果実がついた木は249本,黄色の果実がついた木は81本であっ た。

はなのつくり

問1 図はトマトの花の模式図である。下の1,2に答えよ。

1 図のaから d の部分の名称を次のアからクの中からそれぞれ選べ。

f:id:gomasan8:20211112231439p:plain

国立高専の問題は、各部の名称をすべてこたえる形式が多い。

ここでは、花のつくりをすべてこたえよという問題である。

配点が小さいものが多く、問題量も多い。

a やく

b 花弁

c 胚珠

d 子房

e 柱頭

 

ここで、用語について

 おしべの先端にあるのが やく でこの中で花粉が作られる。

 めしべの先端にあるのが 柱頭 でここに花粉が付くことを 受粉 という

受粉には、エンドウのように一つの花の中で作られた花粉が柱頭に着くことによっておこる自家受粉とほかの花で作られた花粉が柱頭に着くことによっておこる他家受粉がある。

 

遺伝子の多様性を高め、環境の変化に適応した子孫を残すには他家受粉がよい。

 

自家受粉は遺伝子の多様性は低いが、安定した品種である純系を得ることができる。

 

受粉の後、花粉から花粉管が伸びる。花粉管の中に雄原細胞が入りこみ、花粉管の中で分裂して2個の精細胞になる、

 

精細胞のひとつは胚珠の中の中央細胞と受精する

精細胞のもう一つは胚珠の中の卵細胞と受精する。

 

胚珠はその後、種子になる

その時、子房が膨らみ果実となる。

果実と種子

2 トマトの果実と種子は,図中のaからfのどの部分が変化したものか、

 果実は 子房 d が変化したもの

 種子は 胚珠 c が変化したもの

 

トマトの優性形質

問2 トマトの果実の色のうち,優性の形質はなにか。

 

赤色の純系と黄色の純系で色についての対立形質を考えた時、子の形質はすべて赤だった、このことから、優性形質は赤

問3 トマトの果実の色について、赤色形質の遺伝子をR,黄色形質の遺伝子をYとする。次の1,2に答えよ。

1 トマトA群は、どのような遺伝子を持つ生殖細胞が受精してできたか。生殖細胞の 遺伝子の組み合わせ答えなさい。

 

赤色の純系の遺伝子型はRR 

黄色の純系の遺伝子型はYY

トマトA群は赤色と黄色を交配させたのでその遺伝子型はRY

 

このトマトA群の生殖細胞は RとYの2種類である

 

孫の形質の比

2 トマトの遺伝子の組み合わせとしては RR, YY, RY が考えられる。トマトB群にお いて、それぞれの遺伝子の組み合わせを持つ個体数の比を RR: YY: RY として答えなさい。

 

Rを持つと赤249

YYで黄色81

赤:黄色=249:81≒3:1

赤と黄色はメンデルの分離の法則が成り立つと考える。

RY と RYの交配だから

 RR RY YR YYができる RYとYRは同じ形質を示すのでRYとすると

RR:RY:YY=1:2:1である。

ところがこの順番に答えるのではなく

RR:YY:RYの順で答えるから1:1:2になる。

 

ポイント

遺伝の問題では教科書ではエンドウが載っている。

今まで、エンドウが入試に多く出題されている。エンドウのほかにマツバボタンも出題されている。

この国立高専の問題のようにトマトが出てくるのは、驚きである。

しかし、遺伝子がA,aがR、Yに変わっただけでメンデルの法則に基づいて解くことができる。

 

この問題のように、メンデルの法則の知識を基にして解く問題が婚が増える可能性がある。