【中三応援プログラム】カエルの遺伝(2011年北海道)
カエルは両生類の仲間ということで幼生はエラ呼吸、大人は肺と皮膚呼吸をする
というので良く出題されるが、遺伝で出題されることはない。
だから、遺伝の問題でいきなり、出題されたらみがまえてしまうが、そんなに大変なことを聞いてはいない。
メンデルの遺伝と同じように考える
カエルのあるなかまには、体色が灰色のものと白色のものがあり,このカエルの体色は, メンデルが注目したエンドウの形質と同じように遺伝する。このカエルを用いて,次の実験 を行った。なお、このカエルは1回の産卵で数百から数千の卵を産む。
実験1 何代にわたって飼育しても、親と同じ灰色のカエルのみが生まれる個体のグループと、親と同じ白色のカエルのみが生まれる個体のグループから、それぞれ1匹ずつカエル を選んだ。次に、選んだ灰色のカエルと白色のカエルを親として,卵を産ませて受精 させたところ、①受精卵は,細胞分裂をくり返しながら変化し、からだを完成させて カエルになった。このとき生まれたカエルはすべて 体色が灰色であった。図は、この実験における体色と子の体色の関係を示したものである。
実験2 実験1で生まれた子どうしを親として卵を産ませたところ、②灰色のカエルと白色のカエルが生まれ、 その合計は1197匹であった。
発生について
問1 次の文の(1) (2) に当てはまる語句を書きなさい。
下線部1の過程を(1)という。また,動物では、受精卵が細胞分裂を始めてから自 分で食物をとり始める前までの子(個体)を (2)という。
これは「発生」に関する問題である。
小学校ではメダカの発生を観察している。メダカのような魚は大きな卵黄を持ち、受精卵という1個の細胞から体が作られていくまでは卵黄が邪魔をして一部分でしか細胞分裂が起こらない。
子の細胞分裂を卵割といい、
魚、は虫類、糖類は 盤割
両生類は 不等割
哺乳類は 栄養を親に頼って卵黄が少ないので等割
をする。という高校で学ぶ内容をもしかすると中学で習っているかもしれないが、これはテストには出ない。
出るのは①発生 ②幼生
という言葉だけである、中学でも覚えることばかりだと思っている人へ
中学で覚えるのはほんの初歩的なことしかやりません、
カエルの発生についても発生の段階による胚の名前、さらに肺というのは3つの胚用に分かれ、それが決まったものに分化するというのは高校生物の分野である。
知れば知るほど子の発生の仕組みはうまくできていると感心するばかりである。
間2 実験1で親として用いた白色のカエルの生殖細胞の説明として、正しいものを、アーエから選びなさい。なお,このカエルの体色の遺伝における優性の形質をあらわす遺伝子をA, 劣性の形質をあらわす遺伝子をaとする。
ア 生殖細胞は遺伝子Aを1つもつ。
イ 生殖細胞は遺伝子aを1つもつ。
ウ 生殖細胞は遺伝子の組み合わせAAをもつ。
エ 生殖細胞は遺伝子の組み合わせaaをもつ。
灰色と白色の純系を交雑したら雑種第一代は灰色になった。
色に関する対立形質である灰色は優性形質 白色は劣性形質である。
灰色尾遺伝子がA 白色の遺伝子がa
灰色の純系がAA 生殖細胞はAのみ
白色の純系がaa 生殖細胞はaのみ
雑種第一代(子供)の遺伝子はAa 生殖細胞はAとa
白色のカエルの遺伝子はaaで生殖細胞は半分になるからa1本のみになる イが答え
孫の個体数
問3 実験2で生まれた1197匹のカエルのうち、下線部2のカエルの個体数として,最も適当なものを、アーエから選びなさい。
ア311匹 イ 408匹 ウ 614匹 エ 895匹
孫はAA:Aa;aa=1:2:1生まれる子の中で灰色の固体は
AAとAaである。
4個体生まれたとするとそのうち3個体が灰色である
1197固体のうち、[tex:\dfrac{3}{4}が灰色である
≒=900
これに近い値はエである。
割り切れるわけではないのでおおよその数を使って計算を素早く行う。
選択肢の中で900にやたらに近い数字がいっぱい並んでいたら困るが
それはないので、おおざっぱに計算してもよい。