力学的エネルギーの変化(2016年和歌山)
はじめに運動エネルギーを持っている
和也さんと美紀さんが理科の授業で行った次の実験II について,下の(1),(2)に答えなさ
い。ただし、小球とレールの間の摩擦や空気による抵抗はなく、レールはなめらかで、小球はレールに沿って運動したものとする。
実験II 位置エネルギーと運動エネルギーの移り変わりについて調べるための装置をつくり、次の(i),(ii)の操作を行った。図5は、その装置を模式的に表したものであり,AB問お よびCD間は水平で,斜面の傾きの角度xとyは等しい。
(1) 小球を転がし、A点からB点まで等速直線運動をさせた。
(ii) (1)の後,小球の運動のようすを観察し、小球の速度と,最も高くなる位置を調べた。
速度が一番大きいとき
(1) 図5のアーエのうち、小球の速度が最も速くなっているのはどれか。アーエの中から1つ選んで、その記号を書きなさい。
小球の持つエネルギーは ウの高さを基準とすると
アは位置エネルギーと運動エネルギー
イはアの位置エネルギーが運動エネルギーに変化しているときともともとあった運動エネルギー
ウはアの位置エネルギーがすべて運動エネルギーに変化する
エはウの運動エネルギーが位置エネルギーに変化している。
ウが一番運動エネルギーが大きい。その分、速さも大きくなる。
よって、速さが一番大きいのはウ
(2) 次の文は、先生と和也さん,美紀さんの会話文である。下の1,2に答えなさい。
先生:小球が達した最も高い位置をE点とするよ。A点からE点までの小球のもつ位置エネルギーと運動エネルギーの変化はどうなるかな。図6に、A点からの水平方向の距離と小球 のもつ位置エネルギーや運動エネルギーの関係をかいてみよう。ただし、CD間を基準の 高さ(高さ0m),A点で小球のもつ位置エネルギーを4目盛り分,運動エネルギーを2目盛り分とするよ。小球が回転することは考えなくていいからね。
和也:A点からB点までは高さが同じだから、A点からB点の間は小球のもっている位置エネルギーは4目盛り分のまま変化しないね。このことを,図6にかいたら実線aのようになるよ。
美紀:小球は、A点からB点まで等速直線運動をしているから、A点からB点の間は小球のもっている運動エネルギーも2目盛り分のまま変化しないわ。このことを,図6にかいたら実線 bのようになるわ。
和也:そうすると、小球のもつ位置エネルギーと運動エネルギーの和である(Z )は, A 点からB点の間は6目盛り分で一定だね。
エネルギーの名称を答える
1 文中の( Z )にあてはまる語を,書きなさい。
位置エネルギーと運動エネルギーを合わせたものなので力学的エネルギーを示す。
答え 力学的エネルギー
力学的エネルギーの変化をグラフで表す
2 B点からE点までの小球のもつエネルギーの変化を,解答欄の図に実線でかき入れなさ い。ただし,位置エネルギーは実線 aに続いて,運動エネルギーは実線 bに続いてかきなさい。
位置エネルギーはCに達すると0になるので、次のようにかける
位置エネルギーと運動エネルギーの和はつねに6目盛りである。位置エネルギーの減少分が運動エネルギーになるのでC点の運動エネルギーは6目盛りある。C点の位置エネルギーは0である。
CからDまで運動エネルギー、位置エネルギーは変わらない。
Dから坂を上るとき、坂を下った時と同じ角度より、運動エネルギーの減少量は同じ割合になる、
位置エネルギーの増加は運動エネルギーの減少と対称になる。
はじめに持っていた運動エネルギーがすべて位置エネルギーに変化するので、最初の位置よりも高くなる。
ポイント
中学校では運動エネルギーと位置エネルギーは定量的に扱っていないので、値を求める問題はない。
しかし、この問題のようにグラフを各問題は多くの県で出題されている、