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コースターの運動(2019年福井)

 

 

図1,図2のような2つのコースをつくり,下の実験1,実験2 を行った。なお,2つのコースの水平面に対する斜面の傾き はすべて同じである。また,小球はコース面から離れることなく,なめらかに運動し,小球にはたらく摩擦や空気の抵抗は無視 できるものとして,あとの問いに答えよ。

f:id:gomasan8:20210912074508p:plain

【実験1] 図1のコースを用いて小球の速さについて調べた。 操作 A に小球を置き,静かに手を離したあとの水平面 EF 上における小球の運動のようすをストロボスコープを使って撮影した。同様の操作をB~Dについても行った。

結果1  撮影した写真から水平面 EF 上の小球の速さをそれぞれ求めたところ, A,B, D は,表のような結果となった。

結果2  図3のグラフは,A で手を離したあとの小球の運動について,時間と小球の速さの関係の一部を表している。なお,グラフの横軸は小球が動き出してからの時間(s]を,縦軸は小球の速さ(m/s]をそれぞれ示す。

 

問(1) 小球が斜面を下っているとき、小球にはたらく力を表した図はどれか。最も適当なものを次のア~エから1つ選んで,記号を書け。

 

小球に働いている力は重力と垂直抗力だけである。重力は鉛直下向き、垂直抗力は面に対して垂直に働く。

f:id:gomasan8:20210912074922p:plain

ここで、よく間違えるのが。アである。運動の方向に力がかかっているように見えるが、これは、重力の斜面方向の分力であって働いている力ではない。

 

イは重力が書かれていない

エは重力の向きがちがう。垂直抗力が書かれていない。

ア、イ、エは運動の向きの力が書いてあるがこれは、重力の分力なので間違い。

 分力は、物体に働く力を分けたもの。物体に直接働く力で分力は表さない。

 

答えは

(2) 表の空欄について,Cで手を静かに離したあとの写真を見ると,小球は水平面 EF 上を 0.5 s の間に 140 cm 移動していることが分かった。表の空欄に入る速さは何m/sか,書け。

 

EF間は等速直線運動をしている、

 速さの単位が m/s なので

140cm→\dfrac{140}{100}m

と変換しなくてはいけない。

 

  速さ=\dfrac{距離}{時間}

速さ=\dfrac{140}{100} ÷ 0.5

     =\dfrac{140}{100} ÷\dfrac{5}{10}

    =\dfrac{140}{100} \times \dfrac{10}{5}

   =\dfrac{280}{100}

=2.8m/s

 

(3) 図3について,Fに到達するまでの小球の速さと時間の関係を,解答用紙のグラフに続けてかけ。

EF区間では速さが4.0m/sになっていることから、斜面上では等加速度運動をし、4.0m/sまで速さは大きくなる。このことから、グラフを4.0m/sまで延長してかく。

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0.6秒でEに到達することがわかる。1.5秒までの0.6秒間に4.0m/sで等速直線運動を

したとすると

 距離=速さ×時間 より

  4.0\times0.6=2.4m

になる。

EF区間は2.00mなので、速さは途中で変わることになる

 200cmのところまで行く時間を求める

 時間=距離÷速さより

 2.0÷4.0=0.5s

0.5s間、(0.6+0.5=1.1sまで)等速直線運動をする。

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これが答えになる。

 

次に、斜面をのぼるが、斜面の傾きは最初の斜面と同じで、のぼる斜面の最大の高さはD地点と同じであることから、D地点と同じ速さになる。(減速する)

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角度が同じ斜面なので加速する割合0.3sで2.0m/s変化するというのは同じである。

斜面から上がると水平になるので等速直線運動をする。

 2.0m/sで100cm進む時間は

時間=距離÷速さより

 \dfrac{100}{100} \times \dfrac{1}{4}=0.25s

 

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よって1.4s+0.5s=1.9sでGに着く。

 

コースターの速さの比較

【実験2] 図1と図2のそれぞれのコースで A に小球を置き,静かに手を離したときの小球の運動について比較した。

(4) 図1と図2のコースで,Gにおける小球のそれぞれの速さを比較すると,どのようになっているか。次のア~ウから1つ 選んで,その記号を書け。

ア  図1のコースの方が速い。

イ 図2のコースの方が速い。

ウ  図1と図2のコースは同じ速さになる。

 

Gの高さは図1と図2で同じである。

Aの位置の力学的エネルギーとGの位置の力学的エネルギーが同じである。

高さが同じなので、運動エネルギーも同じになる。

 よって

 

時間の比較

(5) 図1と図2のそれぞれのコースについて, A に小球を置き,静かに手を離してからGに到達するまでの時間を比較すると,どのようになっているか。次のア~ウから1つ選んで,その記号を書け。

ア  図1のコースの方が短い。

イ 図2のコースの方が短い。

ウ 図1と図2のコースは同じ時間になる。

 

図1と図2で一番低い所の距離が図1の方が大きい。このことから図1の方が運動エネルギーが大きい区間が長い。そのため、速さが大きい区間も大きい。

 その分、時間が短くなる。

図1の方が短い。

 

この問題ではグラフを書いたときのように各場所での時間と速さを求めずとも、

運動エネルギーの大きくなっている区間を比較するだけで解くことができる。

 

実際に時間を考えてみよう。

図1は

AEまで0.6s

EFまで0.5s

FGまで0.3s+

図2では D地点では2.0m/sになるまでだから図1と同じで0.3s

そこから等速直線運動で200cm移動するので

時間は

 時間=距離÷速さ

時間=2.00m÷2.0m/s=1.0s

この後、斜面を下るのに0.3sかかる。

そしてE地点で速さ4.0m/sになる。

4.0m/sでFまで100cm進むので

時間は

時間=距離÷速さ

  1.00m÷4.0m/s=0.25s

このあと、G地点まで上昇するのに0.3sかかる。

ADまで0.3s

DEまで1.0+0.3=1.3s

EFまで0.25s

FGまで0.3s

足すと0.3+1.3+0.25+0.3=2.15s

図1は1.90sより、図1の方が時間が短い