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小笠原、佐賀、札幌の昼の長さの違い(2020年佐賀)

 

図1は佐賀(東経130度、北緯33度)における1年間の日の出と日の入りの時刻の 変化を表したもので、破線A~Dは1年のうち、それぞれ特徴的な日を示している。 また、図2は、東京の小笠原(東経142度、北緯27度)と北海道の札幌(東経141度、 北緯43度)における1年間の日の出と日の入りの時刻の変化をまとめて表したもので ある。表は、図1のA~Dの日における、佐賀と小笠原、札幌の太陽の南中高度をま とめたものである。1~7の各問いに答えなさい。

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昼の長さが一番長いのはいつか。

1 図1のA~Dのうち、昼の長さが最も長い日はいつか。最も適当な日を1つ選び、 記号を書きなさい。

 

A 春分(昼と夜が同じ)

B 夏至(昼が1年で一番長い)

C 秋分(昼と夜が同じ)

D 冬至(昼が一番短い)

よって、昼の長さが一番長いのは夏至

 

これは基本問題、すぐに答えたい問題である。

札幌と小笠原の昼の長さの違い

2 昼の長さについて、図2を用いて説明しなさい。ただし、次の点を踏まえること。 ・夏と冬それぞれについて、小笠原と札幌を比較すること。

 

この問題は与えられた資料を基に「言葉で表現する問題」

正しいものを選びなさいという選択肢の問題に比べて解きにくい問題である。

 資料は

 低緯度の小笠原と高緯度の札幌の日の出と日の入りの時刻を表したものでその間の時間が昼間の長さになる。

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小笠原と札幌を比較すると

昼の長さを比較すると夏至では札幌の方が長く、冬至では小笠原の方が長い

 

 これは地球の地軸が公転面に垂直な方向に対して23.4°傾いているためである。

夏になると高緯度になるほど、昼の時間が長くなり、

冬になると高緯度になるほど、昼の時間が短くなる。

このため、高緯度では夏には夜が来ない白夜、冬には昼が来ない極夜が起こる。

 

このことを知っているかどうかを答える問題である。

 

昼の長さは、夏は札幌の方が小笠原より長く、冬は小笠原の方が札幌より長い

 

  • 昼の長さに関しての問いである
  • 夏と冬の違いを聞いている
  • 札幌と小笠原の違いを聞いている

 

3つの条件が当てはまっていればいい。

 昼の長さは、夏は札幌と小笠原では小笠原の方が短いが、冬では小笠原の方が長い。

 

 昼の長さは、夏は札幌と小笠原では札幌の方が長いが、冬では札幌の方が短い。

 

 昼の長さは、夏は札幌と小笠原では小笠原が短い。冬は札幌と小笠原では札幌の方が短い

 

という4種類の答え方がある。

南中高度の計算

3 表中の ( X )、( Y )にあてはまる数値を、それぞれ整数で書きなさい。

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Aが春分 Bが夏至 Cが春分 Dが冬至

AとCが同じ南中高度になるから 小笠原の秋分の南中高度は小笠原の春分の南中高度と同じである。よってYは63°

 

Xは 佐賀の夏至である。夏至春分秋分よりも23.4度、高度が高くなっている。

佐賀の春分の南中高度が57度より

57+23.4=80.4°

整数で答えよとなっているので80°

 

この問題は緯度をまず求めてから、夏至の日の公式に当てはめるというときかたもある。

 佐賀の緯度をxとすると、

  春分の日から 90ーx=57

                  x=90-57

                           x=33° 佐賀の緯度は33度

ここから夏至の公式

  90ー緯度+23.4=90-22+23.4=80.4°

  と出せるが、夏至春分より23.4°高度が大きい、冬至秋分より23.4°高度が小さいということを知っていれば、表のほかの値を利用して問題を解くことができる。資料を活用する能力があるかどうかの問題である。

 

影の長さ

4 次の文は表の太陽の南中高度について述べたものである。文中の ( a )、( b )にあてはまる語句の組み合わせとして最も適当なものを書きなさい。

 

水平面に対して垂直に立てた棒が水平面につくる影の長さを観察すると、太 陽の高度が高くなればなるほど、影の長さは( a ) なるので、表の中で太 陽が南中したときの影の長さが最も長くなるのは、( b )である。

 

影の長さに関する問題である。

 南中高度が大きくなるほど、影の長さが短くなる。  a(短く

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南中高度が一年のうち一番高いのは夏至の日 Bのとき

そして緯度がちいさい小笠原である     b(小笠原

 

入試問題では文章中の穴埋めはすべて正しくて得点になる。

XとYの値を求める問題で計算ミスをしても止められなかったとしても、北半球では南中高度は低緯度ほど大きく、夏至が一番大きいということを知っていれば答えられる。

 

この問題では、昼の長さがなぜ季節によって異なるのかというのが出題されていない。

もちろん

 地軸が傾いているから

と答えられるようにしておこう。

 

図3は、小笠原における6月と12月の天球上の太陽の動きを表したものである。実 線 ( ― )が昼の太陽の動きを、破線( ----- )が夜の太陽の動きをそれぞれ表して いる。

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観測できるの上半分で透明半球で観測している。

夜の太陽の動きというのは、南半球で同じ緯度の太陽の運動に等しい。

 

また太陽の通り道を黄道という、

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6 図3において、観測者の真上の天球上の点を何というか、書きなさい。

 天頂という


7 札幌における6月と12月の天球上の太陽の動きを表した図として最も適当なもの を、次のア~エの中から1つ選び、記号を書きなさい。

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小笠原よりも年間を通じて、南中高度は低い。さらに6月と12月は6月の方が南中高度が高い。

 

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アは6月の日の出が真東、日の入りが真西になっている。これは春分秋分の日の出、日の入りである。

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イは小笠原よりも南中高度が高い。高緯度なのでこれはありえない。

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ウは6月と12月で地軸が異なるのはありえない。

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エは小笠原より南中高度が低いのでこれが答えになる。