【中三応援プログラム】透明半球を使った夏至の日の記録(2021年鳥取)
今日は冬至です。
一年の中で一番昼の長さが短い日です。
北半球では南寄りから日が昇り、南寄りに日が沈む。
北極圏では一日中夜の極夜になる
太陽の方向と反対側に地軸が傾いているから
この現象が起こります。
さて、本当に今日は一年の中で一番昼の長さが短いのでしょうか?
12月22日 日の出 6時45分 日の入り 16時31分
9時間46分です。
ちなみに一年の間で昼の長さが一番長い夏至の6月22日は
日の出 4時22分 日の入り 18時59分
だから 14時間37分
5時間-近くも昼の長さが違う、
南中高度6月22日 77.8度
12月22日 31度
46.8度違います。
南中高度の差は 夏至=90―緯度+23.4
冬至=90-緯度ー23.4
90-緯度+23.4ー90―緯度+23.4=46.8度
というわけで、緯度には関係なく、地軸の傾き×2=46.8
さて、昼の長さが一番短い冬至ですが本当に今日が一番短いのでしょうか?
12月21日のこよみ
日の出6時45分 日の入り16時30分
あれ?昨日の方が今日よりも1分、日の入りが早い
21日 日の出 6:45 日の入 16:30
22日 日の出 6:45 日の入 16:31
23日 日の出 6:46 日の入 16:31
あれっ今日より明日の方が昼間が短い
どういうことだ???
冬至はそもそもどうやって決められているかがポイントになります
地球の公転面に垂直な方向に対して地軸が太陽とは反対向きに傾いたとき
これが冬至です。
地球は公転と自転を同時にしています。
冬至の日は一日中
地球の公転面に垂直な方向に対して地軸が太陽とは反対向きに傾いたとき
ではなく
冬至の日は
地球の公転面に垂直な方向に対して地軸が太陽とは反対向きに傾いたとき
という状態を含む日なのです。だから、昼の長さが一番短い日が前後するということがあります。
厳密に南中高度を今日、測定したら
90ー緯度ー23.4度ではない。
まず、地軸の傾きの補正
冬至からの時間のずれ
これを考えないといけません。
「今日を境にして、明日から昼間の長さが長くなる」と思ったら、明日の方が今日よりも1分、昼の長さが短かった。という衝撃の事実
さて、今日は鳥取県の問題を見てみましょう。
日本海側の県の問題はオーソドックスな問題よりもちょっとひねってある問題が多いので、思考力判断力が求められている今のご時世にぴったりなものがあります。
透明半球を使った観測の問題もその一つです。
「観測」
操作1
図1のように、日当たりのよい水平な場所に置いた厚紙の上に、 透明半球と同じ直径の円をかき、 円の中心Oを通り、直角に交わる 線を引いた。透明半球を円に重 ね、方位針を使って、2本の直 線を、南北,東西の正しい方向に 方位磁針 合わせた。
操作2
太陽の動きを記録するそれぞれの日に、1時間ごとにサインペンを透明半球に当 て、サインペンの先の影が、円の中心0にくるようにして、太陽の位置を透明半球 上に点で記録した。
操作3
記録した各点をなめらかな曲線で結んで透明半球のふちと厚紙との交点までのば した線を引いた。 次の図2は、日本のある場所で春分の日,夏至の日、秋分の日、冬至の日の観測の結果を まとめたものである。また,図3は、この場所における日の出と日の入りの時刻を調べ、 1年間の昼間の長さの変化を表したものである。
夏至はどれか
問1この場所での、夏至の日の太陽の動きと、日の出,日の入りの時刻として,最も適切 なものを,図2のA~C.図3のアーエからそれぞれひとつずつ選び,記号で答えなさい
夏至は北寄りから日が昇り南中高度が一番高く、北寄りに日が沈む C
Aは南寄りに日が昇り、南中高度が一番低く、南寄りに日が沈むので 冬至
夏至は昼の長さが一番長いときなのでイ(6月22日ごろ)
冬至は昼の長さが一番短いときなのでエ(12月22日ごろ)
春分は3月20日ごろなのでア
昼間の長さが変わる理由
問2 同じ場所で太陽の動きを継続的に調べると、季節によって太陽の南中高度や日の出, 日の入りの位置が変化し、昼間の長さも変化していることがわかる。1年間で、太陽の 南中高度や昼間の長さが変化するのはなぜか、答えなさい。
地球の地軸が公転面に対して23.4度傾いているため
問3夏至の日に、鳥取県のある場所と沖縄県のある場所で、同じ長さの棒を水平な地面に垂直に立て、正午と午後4時にできる影の長さをそれぞれ測定した。このときの長さ が一番長い測定場所と時刻として,最も適切なものを、次のア~エからひとつ選び,記 号で答えなさい。
ア鳥取県のある場所で正午に測定したとき
イ 沖縄県のある場所で正午に測定したとき
ウ鳥取県のある場所で午後4時に測定したとき
エ 沖縄県のある場所で午後4時に測定したとき
影は太陽の高度が低いほど長くなる。
90-井戸+23.4で表される 南中高度は鳥取県のほうが低くなる
正午と午後4時では午後4時のほうが高度が低い。
よって、ウ
問4 図4は、観測とは別の場所において,観測と同様の操作で、午前8時から午後4時まで、太陽の位置を透明半球上に1時間ごとに記録し、透明半球のふちと厚紙の交点を D.Eとしたものである。図5は、図4の点D.Eを通る線にそって、透明半球上に紙 テープを重ねて、記録した点を写しとったものである。あとの(1)、(2)に答えなさい。
記録した点は等間隔
(1) 図5の紙テープに写しとった午前8時から午後4時までの点と点の間の長さは、ほぼ 一定であることがわかった。その理由として、最も適切なものを、次のアーエからひと つ選び、記号で答えなさい。
ア地球がほぼ一定の速さで公転しているため。
イ 地球がほぼ一定の速さで自転しているため。
ウ太陽がほぼ一定の速さで公転しているため。
エ 太陽がほぼ一定の速さで自転しているため。
一日の間での出来事なので自転である。
太陽の自転では黒点の位置が移動して見えるということを観察できるが東名阪急とは無関係である
よって答えはイ
(2) 図5のDとEの間は58cm,午前8時の点の位置と、午前9時の点の位置の間隔は、4cmであった。この日の、日の出の時刻を求めなさい。なお、この日の,日の入りの 時刻は、午後7時22分とする。
一時間に4㎝動くので
58㎝では
=14.5時間
日の入りの時刻が7時22分より、それの14時間30分前である。
午後7時22分は 19時22分
14時間前は5時22分
30分前は4時58分
よって日の出の時刻は 4時58分
一日の全体の長さから日の出の時刻を求めるというのは今までにない求め方なのでこれの解き方をマスターしておこう。