【中三応援プログラム】天体望遠鏡の使い方(2020年福井)
今日は二十四節気のひとつ「大雪(たいせつ)」です。
大雪(たいせつ)とは本格的に冬が到来するころ。山々は雪に覆われ、平野にも雪が降り積もります。新しい年の準備をはじめる「正月事始め」もこの時期から行われます。
本格的な冬
今日は日差しがあまり出ないので、昨日に続き最高気温が低い。さらに気圧の谷が通過するので雨が夜に降る。寒くなりそうです。
今日は天体望遠鏡の使い方の問題を見ていきましょう
日本のある地域で、天体望遠鏡を使って太陽の表面を観察する実習を行った。あとの問いに答えよ。
日本のある地域ということは北半球での観測になります。太陽は昼間は南の空にあります。
(実習)
晴れた日の同じ時刻に,下記の操作を行い、1週間続けて黒点の位置を観察した。
同じ時刻に観測することといえば、黒点の観測だなというのがここから推測してください。
[操作]
・図1のように,望遠鏡に投影板としゃ光板をとりつけ,投影板に記録用紙を固定した。
太陽を直接見てはいけません。そのため、ファインダーはキャップをするか外しておく。
設置の仕方
・対物レンズを太陽に向けてピントを合わせたところ,図2のように太陽の像が投影された。
・A太陽の像の大きさを記録用紙の円に合わせるための操作をして、図3のようにした。
・B太陽の像は記録用紙の円から外れていくので、すばやく黒点の位置と形をスケッチした。なお,図4はスケッチ後に太陽の像が円から外れたときのようすである。
・観察できた日の黒点は、図5のように1枚の記録用紙に記録した。
〈気づいたこと》
1 黒点はしだいに位置を変えていった。
2 1日目に記録した円形の黒点が、7日目にはだ円形に形が変わって見えた。
天体望遠鏡の操作
(1) 下線の部分Aについて,どのような操作をしたか。「接眼レンズ」「投影板」の2つの語句を用いて簡潔に書け。
太陽投影板をスクリーンと考えるとレンズとスクリーンとの関係はスクリーンとレンズが遠ざかるほど、像は小さくなります。
今、スクリーンに太陽の像は小さく映っているので大きくするため、
「投影板を接眼レンズに近づける」
太陽が動くのはなぜ?
(2) 下線の部分Bについて,このようになるのは,何のどのような運動によるものか。簡潔に書け。
太陽が動いているのではなく地球が動いているからである。
地球の動きには自転と公転がある。
この答えに「地球が動いているため」は正解ではない。
「自転」という単語を入れること。一日の間で変化するのは地球の自転または太陽の日周運動のためである。
地球の自転によるもの
観測からわかること
(3)〈気づいたこと〉の1と2から,太陽についてわかることとして最も適当なものを、次のア~エからそれぞれ1つずつ選ん で,その記号を書け。
ア太陽は高温である。
太陽の表面温度は7000度以上あり、コロナは百万度以上ある。ということはこの観測からはわからない。
イ 太陽は球形である。
黒点が真ん中にあると木よりも、太陽の恥にあるときの方がゆがんで見えるのは、太陽が球形であるためである。
黒点の楕円形が変わっていったことから、太陽は球形である。これは2からわかる
ウ 太陽は自転している。
黒点の場所は変わらないとして、黒点が移動しているのは太陽が自転しているためと考える。1からわかること。
エ 太陽は自ら光を発している。
太陽は恒星である。しかし、これはこの観察からはわからない。
南中高度の測定
(4) 図6のように,分度器の0°の線と対物レンズの軸が平行になるようにして、分度 器を望遠鏡に貼り付け,分度器の中心から軽いおもりを糸でつるした。夏至の日の南中時刻に太陽の観察を行い,図6に示す角度を測定したところ, 12.5° であった。このときの南中高度と,観察地点の緯度を求め,小数第1位まで書け。ただし, 地軸は公転面に対して垂直な方向から23.4° 傾いているものとする。
この問題は、難しい問題かもしれない。上のように地球を書く。
地面から太陽に向けた天体望遠鏡と地面とのなす角度が南中高度である。
おもりと天体望遠鏡との角度が12.5度なので90―12.5度が
天体望遠鏡と地面との角度、つまり南中高度である。
90-12.5=77.5度
夏至の日の南中高度は
90ー緯度+23.4である
113.4ー緯度=77.5
緯度=113.4-77.5
緯度=35.9
南中高度 77.5度
北緯35.9度