SDGs(持続可能な社会)がこれから出題される(2018年長野)
一番右側が消費者ではない生態系の図
炭素を含む物質の循環について考えた。 (1) 図6は,自然界における,二酸化炭素,酸素,有機物の流れを模式的に示したもので,X~Zは 生産者,消費者,分解者のいずれかである。
生態系と炭素の循環といえば・・・
次のような図はよく出題される(2021年岡山)
このひし形の形で、生産者→草食動物→肉食動物の下に分解者、上に大気という模式図
a,c,d,gが呼吸によって出される二酸化炭素、bが光合成という図
ところが、上の問題では、
となっている、消費者と分解者の位置関係が違う。それだけで問題がとけなくなる中学生が多い。よくある図をそのまま、暗記していると怒る現象である。
矢印の向きがいつも右向きとは限らない。
この図のように植物から生物b、ムクドリへという流れは左側なのである。
どんな図を与えられても、同じようにとけるかどうかというのが、この生態系の問題ではポイントになる。
見通しをもって問題を解く
この問題はきっと、図6のX,Y,Zがなんであるかとかいう質問があるに違いないなと予測しながら、X 生産者 Y 消費者 Z 分解者 と埋めておくと
問題文を読むと、ほら来た!という問題に出会う。
図6で,分解者はどれか,図6のX~Zから1つ選び,記号を書きなさい。
思った通りだ、答えはZだ。一番右が消費者の図を見慣れている人はどこだかわからないだろうなと思いながら、Zと答える。
生産者が無機物から有機物をつくり出す活動に使うエネルギーは何エネルギーか,書きなさい。
この生態系の問題で、よくあるのは、「生産者が無機物から有機物を作り出す活動を何というか」というものである。これは光合成であるが、問題はエネルギーを聞いている。
光エネルギー
問題演習に慣れすぎると、間違えてしまうので気を付けたいところだ。
モグラのからだをつくる有機物に含まれている炭素が,モグラが死んでから植物にとり入れられるまでの流れを表す矢印を,図6のア〜サからすべて選び,記号を書きなさい。
いきなり、モグラか!この生態系は土の中だった。「理科の世界3年」大日本図書p145の右下の図を聞いているわけだ。
モグラは消費者であるから 図Yにあてはまる。
モグラから直接出ている ウの矢印は モグラが呼吸しているときに出される二酸化炭素の矢印なので、「モグラが死んでから」といわれたら。ウの矢印はなくなる、モグラの体が分解者の呼吸によって二酸化炭素になり、その二酸化炭素を光合成で生産者は取り入れる。コエイの流れが見えるかということである、
問題は「炭素の流れ」であって「二酸化炭素の流れ」ではないのでコを含む。
ウを書いてしまったり、コをかかなかったり、逆にコだけしか書かなかったりする間違いが多い。
(2) 現在,大気中の二酸化炭素濃度は年々上昇する傾向にある。近年では,その上昇を抑制し,将来に わたって利用できる再生可能なエネルギーが注目されている。再生可能なエネルギー資源の1つと して木材やバイオエタノールなどのバイオマスがある。」
i 再生可能なエネルギー資源を,次のア~オからすべて選び,記号を書きなさい。
「すべて」選びなさいという答えが何個あるかわからない問題である。
石油、石炭、天然ガスは除外する イオ
そして、「発電時は二酸化炭素をほとんどださない」という原子力発電
燃料となるウランはエネルギーの可採年数「理科の世界3年」(大日本図書)p306で99年、原子力発電で使ったあとの燃料を再び、再処理して燃料として使うぷ一番右側が消費者ではない生態系の図
炭素を含む物質の循環について考えた。 (1) 図6は,自然界における,二酸化炭素,酸素,有機物の流れを模式的に示したもので,X~Zは 生産者,消費者,分解者のいずれかである。

生態系と炭素の循環といえば・・・
次のような図はよく出題される(2021年岡山)

このひし形の形で、生産者→草食動物→肉食動物の下に分解者、上に大気という模式図
a,c,d,gが呼吸によって出される二酸化炭素、bが光合成という図
ところが、上の問題では、

となっている、消費者と分解者の位置関係が違う。それだけで問題がとけなくなる中学生が多い。よくある図をそのまま、暗記していると怒る現象である。
矢印の向きがいつも右向きとは限らない。

この図のように植物から生物b、ムクドリへという流れは左側なのである。
どんな図を与えられても、同じようにとけるかどうかというのが、この生態系の問題ではポイントになる。
見通しをもって問題を解く
この問題はきっと、図6のX,Y,Zがなんであるかとかいう質問があるに違いないなと予測しながら、X 生産者 Y 消費者 Z 分解者 と埋めておくと
問題文を読むと、ほら来た!という問題に出会う。
図6で,分解者はどれか,図6のX~Zから1つ選び,記号を書きなさい。
思った通りだ、答えはZだ。一番右が消費者の図を見慣れている人はどこだかわからないだろうなと思いながら、Zと答える。
生産者が無機物から有機物をつくり出す活動に使うエネルギーは何エネルギーか,書きなさい。
この生態系の問題で、よくあるのは、「生産者が無機物から有機物を作り出す活動を何というか」というものである。これは光合成であるが、問題はエネルギーを聞いている。
光エネルギー
問題演習に慣れすぎると、間違えてしまうので気を付けたいところだ。
モグラのからだをつくる有機物に含まれている炭素が,モグラが死んでから植物にとり入れられるまでの流れを表す矢印を,図6のア〜サからすべて選び,記号を書きなさい。
いきなり、モグラか!この生態系は土の中だった。「理科の世界3年」大日本図書p145の右下の図を聞いているわけだ。
モグラは消費者であるから 図Yにあてはまる。

モグラから直接出ている ウの矢印は モグラが呼吸しているときに出される二酸化炭素の矢印なので、「モグラが死んでから」といわれたら。ウの矢印はなくなる、モグラの体が分解者の呼吸によって二酸化炭素になり、その二酸化炭素を光合成で生産者は取り入れる。コエイの流れが見えるかということである、
問題は「炭素の流れ」であって「二酸化炭素の流れ」ではないのでコを含む。
ウを書いてしまったり、コをかかなかったり、逆にコだけしか書かなかったりする間違いが多い。
(2) 現在,大気中の二酸化炭素濃度は年々上昇する傾向にある。近年では,その上昇を抑制し,将来に わたって利用できる再生可能なエネルギーが注目されている。再生可能なエネルギー資源の1つと して木材やバイオエタノールなどのバイオマスがある。」
i 再生可能なエネルギー資源を,次のア~オからすべて選び,記号を書きなさい。
「すべて」選びなさいという答えが何個あるかわからない問題である。
石油、石炭、天然ガスは除外する イオ
原子力発電の課題
そして、「発電時は二酸化炭素をほとんどださない」という原子力発電
燃料となるウランはエネルギーの可採年数「理科の世界3年」(大日本図書)p306で99年、原子力発電で使ったあとの燃料を再び、再処理して燃料として使うプルサーマル計画で原子力発電の燃料はまだ十分にあるといわれる。
プルサーマル計画について
そして、石油は50年後に枯渇すると50年前から言われているが、枯渇しないで使い続けている。技術の進歩で50年前には採掘できなかった化石燃料を採掘できるようになったのでこの可採年数は将来を予測しているかどうかわからない数字である。7
だからといって、楽観的に使い続けていれば将来枯渇する。
再生エネルギーの利用は進みにくい
地熱は火山地帯などでの温水を利用する方法
日本は火山が多いのでこの地熱発電に適した場所が多いがこの発電は広がらない。
なぜなら、温泉は観光資源だからである。温水をくみ上げることで温泉が出なくなるのではないかという問題がある。
また火山のすぐそばで発電をし、火山活動を誘発するのではないかという懸念もある。
風力は風の強い海岸などに風力発電を設置して利用する方法がある。
しかし、鳥がプロペラに巻き込まれるバードアウト、そして塩害によるトラブルにより発電できない。
発電時の誘導電流により電波障害が起こるなどの問題がある。
そして、自然エネルギーを利用する取り組みをしても、発電所と消費場所が異なるため送電ロスが生じる。
この問題の答えは ウ、エだけである、
燃料電池は再生可能エネルギーじゃない
アの燃料電池は水素と酸素からエネルギーを取り出すことができるが、水素を得るために化石燃料を使わなければいけないので、再生可能エネルギーではない。
地球温暖化を防ぐ手段のエネルギーとして二酸化炭素を排出しないエネルギーと再生可能エネルギーを同じに考えてしまいがちである。
原子力発電は、発電時に二酸化炭素を出さないが、建設時、運転停止時、廃炉時、そして放射性物質の処理時に二酸化炭素を放出する
太陽の光エネルギーを利用したものも再生可能エネルギーである。
再生可能エネルギーは進めるべきか?
バイオマスの利用で大気中の二酸化炭素濃度の上昇を図7 抑制できる理由をまとめた。次の文章の空欄 に適切な言葉を,図7の中の語句を使って 簡潔に書きなさい。
燃料(木材) * バイオマスは,植物が空気中の二酸化炭素をとり 入れてつくった有機物がもとになっている。そして、バイオマスを燃やしたときに出る二酸化炭素の量は,
(植物が光合成によって吸収 )する二酸化炭素の量とほぼつり合うと考えられているので,大気中の二酸化炭素濃度の上昇 を抑制できる。
バイオマスの問題点
バイオマスを利用しても,バイオエタノールでは大気中の 二酸化炭素濃度の上昇を抑制しにくい。その理由を,簡潔に説明しなさい。
この問題は今まで高校入試には取り上げられなかった。「理科の世界3年」
大日本図書)p328にある、「持続可能な社会」に関する問題である。これは、最近、取り上げられるようになったSDGsという考え方である。
これは今年から新学習指導要領に取り上げられることになった。
しかも教科書の一番最後に書いてあり、これについて、学習したことのある学校の先生はほとんどいないため、現在の中学3年生はこれの対策ができるのかどうか不安である。
原子力発電のように
「発電時は二酸化炭素を発生しない」
とされるエネルギーは、エネルギーを生み出すまでに二酸化炭素を多く輩出している。
太陽光発電でも、太陽光パネルの寿命は20年、そして、太陽光パネルによる電気エネルギーとして設置の費用を取るのに20年かかる。さらに廃棄のコストを考えると建設するほど赤字になるシステムである。
しかも、天候に左右される太陽光エネルギーは需要のある時に多く活用できるとは限らない、
また、九州電力のように、秋の電力需要のないところで晴天が続き太陽光発電が余ってしまうこともある。
どのエネルギーにも短所を持っているが、バイオマスをエネルギー源にすることは、植物によって再利用されることで、「カーボンニュートラル」という考えで二酸化炭素削減の切り札として注目されている。
しかし、実際は、「バイオエタノールを作り出す過程において化石燃料を燃やして二酸化炭素を発生させているため」、
二酸化炭素の排出抑制が進まない。
リサイクル製品の矛盾
リサイクル製品の方が新しく作り出すものよりも高くなる。そのような再生紙、燃料、エネルギーはそれを生み出すために使われる化石燃料が大きいことを示している。
リサイクルの活動でSDGsを目指しているというのは聞こえはいいが、
本来しなければならないことは
省エネルギー社会である。エネルギーを新たに使わなくてもよい社会である。
コロナ禍、五輪開催で起こっているエネルギー問題
しかし、現実にはエネルギーの無駄は起きている。
SDGsの取り組みが重要視されている五輪で起きた出来事に対して組織委員会の取った回答
バイオマスエネルギーに転用したそうだ、聞こえとしてはリサイクルされたという風に聞こえる。
しかし、バイオマスエネルギーは本来、利用できないものを利用するエネルギーである。
余ったのなら生活困窮者に届けられることもできる食品であり、「利用できないもの」ではないものを「利用しなかった」だけでごみとして扱う。
ごみと
そして、世界には通用しないのでバイオマスに転用とした。
さらに、コロナの感染拡大で自宅療養者の食糧不足も深刻になっている。
食品ロスが出ている世界と食料に困窮している世界が同じ東京で起きている。
これらのことは入試には出る可能性はほとんどない。
しかし、入試に出ないことは関係がないとして切り捨ててしまう考え方は危険である。
しかし、このバイオマスに転用するときに食品加工で使われたエネルギーのことを考えると持続可能な社会に当てはまるとは言えない。