家庭から出る二酸化炭素を木が吸収するとしたら何本の木が必要になるか(2016年群馬)
植物の光合成によるはたらきは、地球温暖化対策にも役立つものとされており、植林によって森林を増やすことで、大気中の二酸化炭素を削減する効果が期待されている。家庭1世帯から1年間に排出される二酸化炭素を1年間で吸収するためには、何本の木が必要となるか、書きなさい。
ただし、図IIのように,家庭1世帯からの二酸化炭素排出量を年間5370kgとし、葉は1m2
あたり平均して年間3.5kgの二酸化炭素を光合成で吸収し,0.9kgの二酸化炭素を呼吸で排出 しているものとする。また,木1本の葉の総面積を 150m2 とし,木1本の葉以外の器官から 呼吸によって排出される二酸化炭素の量を年間380kgとする。
木1本が1年間で光合成で取り入れる二酸化炭素の量
葉は1m²あたり、二酸化炭素を3.5kg/年を光合成で吸収し、呼吸で 二酸化炭素0.9kg/年排出する。
3.5kg/年ー0.9kg/年=2.6kg/年の二酸化炭素を木が吸収する。
木1本の葉の総面積は150m²
木一本が1年で吸収する二酸化炭素
1m²当たりの吸収量 × 1本あたりの総面積
2.6kg/年 × 150 =390㎏/年
吸収した二酸化炭素のうち、植物の体内に保持される量
木1本あたり葉以外の器官からの二酸化炭素排出量380kg/年より
木1本が吸収する二酸化炭素の量は
390kg/年ー380kg/年=10kg/年
家庭から出る二酸化炭素を吸収する木の本数
家庭一世帯からの二酸化炭素排出量は5370kg/年より
=537
537本
ポイント
植物は呼吸と光合成をしている。
葉1m²が二酸化炭素を吸収する量は 光合成量から呼吸量を引いた量である。
この量を木1本の葉の表面積でかけたものが木1本が吸収している二酸化炭素量になる。
ここで、木は光合成で取り入れた二酸化炭素の多くを光合成をしない器官の呼吸で排出する。
ここでは1年間に390kg 吸収して、380kg排出している。
その割合は
%
そのため、かなりの本数の木が必要となる。
このような思考力が必要な問題も多く出題されている。