台風と風向きの変化(2016年千葉県)
入試にはその年の台風が出題されることもある
図1はある年の8月22日 15 時の天気図で,図2は図1の 斜線で囲まれた範囲内における台風 15 号の通った経路を表したものです。これに関して,あとの(1)~(3)の問いに答えなさい。
「ある年の8月22日15時の天気図」が出題されている2016年度(平成28年度)千葉県公立高等学校一般入学者抜学力検査後期選抜の大問2は台風に関する問題である。
ある年とはいったいいつなのか?入試問題のために用意された架空の天気図なのか?
という疑問があるために調べてみた。
この天気図とよく似た天気図が見つかった。
2015年8月22日の天気図である。2016年3月に実施された試験に登場したのは約半年前に日本列島に接近した台風だった。
このように気象の問題は直前に起きたことも出題されることが多い。
台風10号接近中
現在、東京ではオリンピック中にもかかわらず台風10号が接近している。
過去24時間のの実況天気図
関東地方に
— 理科応援「一緒に学ぼう」ゴッチャンねる (@rikaouen) 2021年8月7日
台風10号接近中
大雨、洪水、強風、雷の各警報が各地に出ています。https://t.co/lRPhcEB0ug pic.twitter.com/JwWFtXmUu7
現在の天気図
オリンピックの会場のある東京、神奈川、千葉には、大雨、洪水、強風、雷の各警報が出されております、
各競技にどのような影響を及ぼすのか心配です、
予想される風向き
このような台風接近のとき、入試に出題されるのは
「風向き」です。予想される東京の風向きを見てみましょう。
この風予測から現在は北から風が吹いています。
それが、午後から北北西から吹くようになります
そして、北性、西へと変化していきます。
夕方には南西の風
夜には南の風に変わっていきます、
このように
北 → 西 → 南
接近中 一番近いとき 離れていくとき
このように反時計回りに風向きが変わります。このように風向きが変わるのは、台風の進行方向に対して西側の地域です、(地図で言うと左側)
雨も昼前に強くなると予想されます。
この台風は試験によく出そうな台風なので、今後も警戒するとともにその挙動を観測し、台風への理解につなげてほしいと思います。
話は戻って
2016年の入試問題
雲の名称
(1) 台風の目(眼)の周りをとりまいている、強い上昇気流によって発達する雲は何か、その名称 を書きなさい。
大雨、雷、洪水などを引き起こす雲は積乱雲
等圧線の読み方
(2) 図1のア~エのうち,Pと同じ気圧の地点はどこか。最も適当なものを一つ選び、その符号を書きなさい。
等圧線は4hPaごとに引かれています。台風は低気圧なので台風の目に近づくほど気圧は下がり、遠ざかるほど気圧は大きくなります。
Pは太線の1つ外側、同様に台風16号において同じ大きさの等圧線の太線の1つ外側
答えはウになります。
このように低気圧と高気圧の関係から、等圧線を読み取る問題が出題されています、
-台風の接近と気圧と風向きの関係
3(3) 次のA,B,Cは、それぞれ図2のオ、カ,キのいずれかの地点で観測した気圧,風向・風力 を表したものである。それぞれどの地点で観測したものか。最も適当なものを図2のオ,カ,キ のうちから一つずつ選び、その符号を書きなさい。
20時ごろに気圧が一番小さくなっているので、この時に台風に最接近したと考えられます。
台風が近づいて、離れるときに風向きがは北風から西風に変化します
これは、今回の台風10号の関東接近の場合と同じですね。
ということは、観測地点は台風の西側(地図で言うと左側)になります。
西側にはカ、オがありますが、台風の影響を大きく受けているのはカ
風向きが北寄りから西寄りに変わる。
そして気圧の変化が小さい
風向きから観測地点は台風の西側、気圧の変化が小さいから台風から離れているオ
風向きが南寄りから西寄りに変化しています、
南寄りは観測地点は台風の東側(地図では右側)のキになります。
風向きがどう変化するかで台風の位置を読み取れるようにしましょう。
A カ B オ C キ