密度を求める実験(新傾向対応問題)
「見通しをもって実験をする能力を持つ」
実験、観察の問題では次のような思考力、判断力が問われている。
金属Aの質量を測定したところ、23.6gだった。
次に100cm³はかり取れるメスシリンダーに水を入れたところ、次のような目盛りを示した。
(1)目盛りを50.0mLにするためには、あと何mLの水を加えればいいか。
この問題を解くポイント
1 メスシリンダーの目盛りを読み取ることができる
2 50mlにするという見通しをもって、加える水の体積を考えられる。
メスシリンダーの体積は23.0mL
50.0-23.0=27.0mL
水を50.0mL入れたメスシリンダーに金属Aを入れたところ、メスシリンダーの目盛りが54.0mLを示した。
(2)金属Aの密度(g/cm³)を小数第3位を四捨五入して小数第二位まで求めなさい。
密度は質量が23.6g
体積は54.0-50.0=4.00cm³
23.6g/4.0cm³=5.900cm³より 5.90g/cm³
この問題のポイント 5.9と割り切れるが、問題が小数第3位を四捨五入して小数第二位まで求めなさいになっているので、答え方を5.9ではなく5.90にするということ
(3)金属Aは磁石と反応することから鉄だと考えられた。教科書で確認したところ、鉄の密度は7.87g/cm³と書いてあった。メスシリンダーの目盛りが何mLになっていなければならなかったか?
思考力が求められる問題である。
密度を求める問題は正答率が毎年低いのにもかかわらず、このような問題が出題される。密度が7.87g/cm³、質量26.3gから体積を求める問題である。
密度g/cm³= 質量g/体積cm³ だから
7.87g/cm³=23.6g/x
7.87x=23.6
x=23.6/7.87
X=2.998・・・
というように割り切れない。
ここで、判断力が求められる。このメスシリンダーの最小メモリは1mLであるから.測定できるのは0.1mLのめもりまでを目分量で読む。
2.998cm³≒3.0cm³と考える。
ここで3.0cm³と答えてはいけない。
問題はメスシリンダーの目盛りはいくつかである。
メスシリンダーは最初50.0mLにしてあるのだから、それに3.0mL加えて53.0mLと答える。
(4)この実験では、金属Aの密度を測定するときに空気が表面に付着していたと考えられる。空気が付着していると求める体積と密度はそれぞれどうなってしまうか。言葉で書きなさい。
このような問題が最近の傾向では多い。密度をただ計算で求めるだけではない。
この問題では、密度が本来の値の7.87g/cm³に対して5.90g/cm³と小さく出てしまった。
これは、体積が3.0cm³であるはずが4.0cm³と測ってしまったためである
この4.0-3.0=1.0cm³は金属の表面についていた空気と考えられる。
このことで
空気が入ってしまうと 体積は大きく測定され、密度は小さく測定されてしまう。
これを答えなくてはいけない。この問題で(4)を解くために(3)の問題がヒントとなる。
しかし、(3)が無くて(4)が突然聞かれることがある。