白い粉末の区別
物質とは、物を作っている材料に注目したときの名称
材料には特有の性質がある。物にある特定の性質によって物を分類する
これが物質の分類である
中学1年生では
生物において、外見と機能の違いで分類した。
物質も外見で分類しよう!としたが
白いという同じ外見を持っている物質をどうやって分けたらいいのかということで物質がほかの物質と反応することで見分けるという手法を使う。
これが
デンプンはヨウ素液と反応すると青紫色になるという変化で調べる方法である。
次に、構成する元素によって分類する方法である。
炭素という元素を含む物質の場合、加熱すると二酸化炭素(炭素)が発生して黒く焦げる。
デンプンと砂糖があった時、ヨウ素液には反応しないが、加熱すると二酸化炭素が発生するということで砂糖を判断することができる。
ここで、「加熱すると二酸化炭素が発生し、炭になる物質」を有機物とし、それ以外を無機物とした。
ところが物質の中には、炭酸水素ナトリウムのように加熱して二酸化炭素を発生する物質もある。
加熱して、二酸化炭素を発生する物質は有機物とすると炭酸水素ナトリウムは有機物になってしまう。このため、ここでは、「炭酸○○:と炭酸となまえがつくものは有機物ではないということを押さえておく必要がある。
昔は有機物は生物が作り出すもので、無機物は有機物以外の物質という分類があった。そのときに分類されたのが「炭酸○○」が無機物という分類である。
ところが有機物は生物以外でも作ることができるようになり、定義が変わった。
「炭素を骨格に持つもの」という定義になったのである。そのときにはじめに炭酸○○は無機物に分類したのだから有機物にしないことにしようということで無機物のままになった。
はじめから、無機物に分類されていた炭素を含む物質、二酸化炭素、一酸化炭素、炭酸○○は無機物という約束事にしたんです。
教科書には白い粉末の区別で
デンプン、砂糖、食塩の3つが使われている。
この3つのうち、加熱しても変化しないということで食塩が無機物になるというわけである。
しかし、入試では、4種類の白い物質を分けることがある。
2019年京都の問題は
砂糖、食塩、でんぷん、炭酸水素ナトリウム
2020年三重県の問題では
デンプン、砂糖、水酸化ナトリウム、食塩を分類する
教科書の実験項目のほかに電気伝導性とpH指示薬を使うという中学3年で学習する内容が加わっている。学年をまたぐ思考力が必要な問題である。
この問題では、はじめに問題文を読んで、実験結果から砂糖、デンプン、食塩がどれなのかを見抜けるかというのが大事である。