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校庭のボーリング調査から地層の傾きを考える(2016年香川)

 

下の図IIは、ある学校の敷地を模式的に示したものであり、図II中に示したP~Sは、この敷 地の地層を調べるためにボーリングをおこなった地点を示している。この敷地の表面は平らに整 地されており、P~Sの各地点の標高は同じである。また、この地域では、断層やしゅう曲は見 られず,凝灰岩の層は一定の厚さで平面状に広がっている。下の図IIIは、P~Sの各地点でおこ なったボーリングによって得られた試料をもとにして作成した柱状図である。これに関して,あ とのa~dの問いに答えよ。

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地層の傾き

a この地域の地層には、傾きが見られる。図II,Ⅲから判断して,凝灰岩の層は、北東,南 東,南西、北西のうち、どの方位にいくにつれて低くなっていると考えられるか。その方位を 書け。

 

RとSが同じ高さである。

f:id:gomasan8:20211002171015p:plain

かぎ層となる凝灰岩の層で高さを比較する。

校庭は水平に整地してあるから、凝灰岩の層が深いほど、地層は低くなっていることになる。

図に書き入れてみると南西にあるQが凝灰岩が一番高い

次に北東に向かって傾いていると考えると、Pが2番目

RSが3番目になる。

 北東の方向に低くなるように傾いている。

 

b P~Sの各地点と同じ標高にある図 II 中のX地点でボーリングをおこなうと,凝灰岩の層は、地表からの深さがおよそ何m のところで見られると考えられるか。次のア~エのうち, 最も適当なものを一つ選んで、その記号を書け。

ア 10m

イ 15m

ウ 20m

エ 25m

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PとXは同じ高さに凝灰岩の層があると考えられる。

Pは地表から15mの高さにある。

Xも地表から15mの高さにあると考えられる。よって答えはイ

凝灰岩の層からわかること

c 図III中には、凝灰岩の層が見られるが,凝灰岩は何が積み重なり、おし固められてできたも のか。その名称を書け。

 

凝灰岩はカギ層として使われる。

それは火山活動による火山灰などの火山噴出物によって広範囲に短期間で堆積したからである。

新生代示準化石

d ポーリングによって得られた泥岩の層の中からビカリアの化石が見つかった。新生代の代表的示準化石である。次の1~4のうち,新生代の地層中から発見される可能性のある化石として,最も適当なものを一つ選ん で、その記号を書け。

1 フズリナ

2 サンヨウチュウ

3 アンモナイト

4 メタセコイア

 

示準化石地質年代を知ることができる化石である。

 古生代   サンヨウチュウ フズリナ

 中生代   アンモナイト 恐竜

 新生代   ビカリア デスモスチルス ナウマンゾウ

 

というわけで、この問題の答えはありません、

となりますが、「最も適当なもの」ということで仕方がないから「メタセコイヤ」を選ぶしかないです。(この問題は不適当な問題)

 

メタセコイヤが現在も生きている生きた化石であるということで示準化石であるという定義から外れるというわけではない。

 

生きている化石であるオウムガイもその当時にしかいない形状のオウムガイなら示準化石になるので絶滅しているかどうかではない。

 

示準化石になる条件は

 広範囲に生息していた

 特定の時代に生きた

 

というのが条件である。現在、生きた化石として残っているのは一部の地域なので、化石として多く産出するときは広範囲にいたなら、生きた化石示準化石になる

 

しかし、メタセコイヤは、新生代だけでなく中生代白亜紀の地層からも発見されるので

「特定の時代を示す」とは言えない。

ほかの選択肢が明らかに新生代にはいないので、仕方なくメタセコイヤを選ぶしかない。

 このように、受験生を惑わすような問題は公立高校の入学者選抜試験には出題してほしくないものである。

 選択肢として、「ナウマンゾウ デスモスチルス」が新生代示準化石になる。

ポイント

この問題では南北や東西の傾きではなく北東に向けての傾きということで他県にはない問題になっている。このような思考力を伴う問題は良問である。

 しかし、示準化石を選ぶ問題の選択肢はよくない問題であった。

もっとわかりやすい選択肢が望ましい。