【基礎問題】断層とアンモナイト(2017年富山)
ある場所のがけ(2017年)
図は,ある場所のがけの地層のようすを模式的に表し たものである。A 層は小さなれきの層,B層はアンモナ イトの化石を含む砂の層,C層は白っぽい鉱物を多く含む火山灰の層であった。また,断層 X Y を境にそれぞ れの層がずれていた。あとの問いに答えなさい。ただし, 大地の変動による地層の逆転はなかったものとする。
断層のでき方
(1) 断層 X-Y ができたときの地層のずれ方と,地層に かかった力の組み合わせはどのようになるか。次の ア~エから1つ選び,記号で答えなさい。ただし,地 層のずれた向きを ⇐,地層にかかった力の向きを← で表すものとする。
断層X-Yは上盤が下盤に乗り上げているので逆断層である。これは圧縮の力が働いてできる。これを説明したのはイ
断層の名称は中学校の教科書には書いていないが
「理科の世界一年」p240大日本図書では
逆断層 上が下へ乗り上げる (圧縮)
正断層 上が下へ落ちる (引っ張り)
横ずれ断層 横にずれる
図だけが書いてある。
地層のでき方の並び替え
(2) 次のア~エの文は,図のそれぞれの地層が形成された当時の環境や大地の変動を示したもので ある。地層が形成されていく順に並びかえ,記号で答えなさい。
ア 断層 X-Y ができた。
イ 海岸近くの波打ち際であった。
ウ 火山活動があった。
エ浅い海の底であった。
地層累重の法則により、下に行くほど古い
Cが一番最初に積もる (火山活動があった) ウ
Bが次に積もる 砂の層ということは 河口から少し離れている エ
Aが次に積もる レキの層ということは 河口近くである イ
砂が積もっていったので海面が下がり、河口に近づいたとも考えられる。
そして、A,B,C全体を断層によって分断しているので最後に圧縮の力で断層ができた。 ア
ウ→エ→イ→ア
火山灰の色と火山の形
(3) C層に白っぽい鉱物が多く含まれていたことに関連し,溶岩の色や火山の形などについて述べた文として,最も適切なものはどれか。次のア~ウから1つ選び,記号で答えなさい。
ア白っぽい色をした溶岩をつくるマグマは、ねばりけが強く,雲仙普賢岳のような盛り上がった形の火山になる。
イ 白っぽい色をした溶岩をつくるマグマは、ねばりけが弱く,三原山のような傾斜のゆるやかな形の火山になる。
ウ溶岩の色とマグマのねばりけには関係がなく,雲仙普賢岳のような盛り上がった形の火山になる場合もあれば,三原山のような傾斜のゆるやかな形の火山になる場合もある。
マグマの粘り気は火山灰の色は中に含まれている二酸化ケイ素の含む割合によって決まる。
二酸化ケイ素の割合が大きいほど、ねばりけが多く、火山灰は白っぽくなり、火山はドーム型になり、爆発的な噴火を起こす。
逆に二酸化ケイ素が少ないとmねばりけが少なくなり、火山灰は黒っぽくなり、糞かは穏やかで溶岩は薄く広がる。
白っぽい火山灰は雲仙普賢岳
黒っぽい火山灰は三原山
である、
関連動画
示準化石
(4) B層に見られるアンモナイトの化石のように,地層が堆積した年 代を知ることに役立つ化石のことを何というか,書きなさい。また,このような化石が生物として生息した期間と範囲の条件として,最も適切な部分は表中のどれか,ア~エから1つ選び,記号答えなさい。
地質年代を決めることができる化石
特定の時代に広範囲に生息した生物のうち、化石として残りやすい生物はその地層ができた年代を決める示準化石になる
エを選択する、
示相化石が
その地層ができた時の環境を知ることができる化石で
示準化石と逆に、いつの時代でも生息しているという違いがある。
アンモナイトと同じ示準化石
(5) B層が堆積した年代はいつ頃と考えられるか,次のア~ウから1 つ選び,記号で答えなさい。また, アンモナイトと同じ頃に生存し ていたと考えられる生物はどれか。次のカーケから1つ選び,記号で答えなさい。
カ ナウマンゾウ キ ティラノサウルス ク, サンヨウチュウ ケ ビカリア
ティラノサウルスは恐竜のことを言っている。
アカケ イキ ウク
という組み合わせでアンモナイトは中生代の示準化石なので イキになる。
工事現場の露頭(2015年)
図は,近くの道路工事現場に地層が見える場所があり,過去の地震による地層のずれをスケッチ したものである。この場所の地層は傾きがなく,どの地層も水平に堆積している。あとの問いに答 えなさい。
(1) 図に見られる地層のずれを何というか,書きなさい。
左側が上盤 右側が下盤
左側が右側よりも上に上がっているので 逆断層 である。 高校入試の答えでは 断層 だけのこたえでよい。
左右の圧縮によってできる断層である。 2017年でも逆断層が出題された。
(2) A 地点の2m 真下にはどの地層があると考えられるか。次のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。
ア火山灰の層
イ 泥の層
ウ 砂の層
エれきの層
地層の重なりの順番から右の3~4mの火山灰の層は右の8~9mの火山灰の層とつながっていた。左の層が5mずりあがったということである、
そこで、ずのように5m下げて考える。A地点の真下の0~1mは火山灰の層
1~3mはレキの層というのが見えてくる。答えはエとなる。
地層のできた順番
A地点の上の泥の層、砂の層、火山灰の層、レキの層ができた
このように順番で出来る連続性のある地層を整合という。
後に、断層が生じる。
このあとに、隆起して、上部が風化して木が生えている層ができた。
地層に不連続が起こる不整合が見られないので、断層が起きた後に沈降してはいない