水中ゴーグルを使う理由(2016年埼玉)
水の中でのレンズの屈折
図4のように、空気中で光源装置から出た光を凸レンズに入射させたときと、水中に沈めた 凸レンズに光源装置から出た光を入射させたときの光の進み方を調べた。実験の結果,水中に 沈めた凸レンズを通過する光は、空気中で凸レンズを通過する光よりも曲がりにくいことが わかった。
(1) 実験の結果をもとに,「水中に潜って目を開けると、空気中に比べて見えにくい。」こと について、屈折の現象から次のようにまとめました。文章中の( )にあてはまる 語句を書きなさい。
水中での凸レンズの焦点距離は空気中に比べて( )と 考えられる。ヒトの目は,陸上(空気中)ではちょうど網膜上に像を結ぶしくみになって いるが、水中では目に入る光が実験のように曲がりにくくなるので、網膜上に像を 結ぶことができなくなり、見えにくくなると考えられる。
(2) ゴーグルをつけて水中に潜ると、空気中と同じように見えます。それはなぜですか。実験3 の屈折の現象から考えられる理由を、「ゴーグルをつけて水中に潜ると」に続けて書きな さい。
考え方
レンズに平行に入った光は、焦点を通る。水の中では曲がりにくいということは、焦点への距離は長くなる。
光がどのくらい屈折するかを示す値を屈折率という。屈折率が大きいほど、光は大きく屈折する。水の屈折率は1.3、ガラスは1.5、サラダ油も約1.5である。
))「理科の世界1年」p152 大日本図書
屈折率の差が大きい物質の境界面では屈折が大きいが、屈折率の差が小さい物質の境界面では屈折が小さい。このため、空気中よりも水中の方が屈折しにくくなる。
ゴーグルをつけて水中にもぐると、目とゴーグルの間に空気の層ができるため、目に光が入射するときに空気中と同じように光が屈折するため
水中でものをそのまま見るよりも見やすくなる。
埼玉や静岡の問題では理由を言葉で説明する問題が多い(採点者は正解の基準に苦労するため、採点者泣かせの問題)
屈折率の違いの利用
アワビとりなど、水中の生き物を採るときに使う箱メガネも同様のものである
【漁業】箱めがね | 暮らしの道具 | 生活の歓 | 南三陸町 VIRTUAL MUSEUMより写真引用
水にもぐると光が曲がりにくいの水中のものが見えにくい。
そのため、空気の層をつくることで見えやすくしている。