ヒトの目に映る像の作図(2016年鹿児島)
ヒトの目を凸レンズとしての出題
ヒトの目には,水晶体とよばれる凸レンズのはたらきをする部分があり,目に入射した光は, 水晶体を通って網膜上に像を結ぶ。
1 凸レンズは、光のどのような現象を利用して像を結ぶか。
屈折
2 凸レンズの軸に平行に入射する光は、凸レンズを出た後,凸レンズの軸上の1点に集まる。 この点を何というか。
焦点
レンズの作図
3 図は,物体を見ているときのヒトの目のようすを模式的に示したものである。網膜上に物 体の像を結んでいるとき,図の点Pから点Qに進んだ光がその後進む道すじは、ア~エのど れか。ただし,点は水晶体の中心で, → は光の道すじを示している。
スクリーン上に映る像は
物体Pから平行にレンズに入った光は、レンズの中心軸で屈折し、スクリーン側の焦点を通ってできる。
この問題の場合は焦点が示されていないので、上の図のように書き込むことはできない。この問題ではこの作図はできない。
物体Pからレンズの手前の焦点を通った光は、レンズの中心軸で屈折し、スクリーン側まで水晶体の軸と平行に進む。
この問題の場合は焦点が示されていないので、上の図のように書き込むことはできない。この問題ではこの作図はできない、
このふたつのほうほうでは、ア、イ、ウ、エのどれが答えになるかわからない。
物体‘Pを出た光はレンズの中心を通る直線を進む
この作図によってPを出た光はウに到達する。水晶体の軸に平行に進まない光もウに到達する。このように作図するっことで、焦点が求められる、
網膜に映る像はどこにできるのかという作図はあまり出題されていない。
レンズの学習が中学1年、目の構造が中学2年と学年が異なっているためである。
入試問題では学年をまたぐような問題は今まで少なかった、しかし、最近はこのような問題が出題される傾向が多いので同じように考える習慣をつけておく必要がある。
4 目で物体を見たとき,網膜上にはどのような像ができるか。
ア 物体と同じ向きの虚像ができる。
イ物体と同じ向きの実像ができる。
ウ 物体と上下左右逆の虚像ができる。
工物体と上下左右逆の実像ができる。
レンズを通過すると上下左右逆の像になる、
光が集まって映る像のことを実像という、
虚像にはこんなものがある。
- レンズを通じて大きな像が見えた。というように、レンズを通してみている場合、そこから光が出ていないので虚像になる。
- 台ガラスや半円形ガラスの向こう側に見える像は実際よりもずれて見えた。 これはそこから光は出ていないので虚像である。
- 水面に見えるコインは実際よりも上にあるように見える
- 鳥が見ているメダカの像(2011年岡山)
これは作図すると次のようになる。
鳥は見えるところにあるよりも深い位置にある魚を取っているんですね。
また、鏡に映る像はすべて虚像である。それはそこから光は出ていないからである。
水面に映った像の作図(2019年岡山)
考え方1と考え方2では、考え方2の方が正しい。
点Pが水面に映ったQを光の直進になるように見ているためである。
入射角と反射角が等しいという反射の法則によりこれが成り立つ。
これは反射して見えている像は木の形がゆがんで見えている。これは、反射して見えている像が虚像だからである。
虚像と実像を区別しないと間違った作図をしてしまうので注意が必要である。
もし、PとOの間に凸レンズを置いたとき、Oから見ると木は次のように見える
ここで見える上下左右逆の小さい木の像は実像である。
望遠鏡で木を見たとすると木は上下左右逆に拡大して見える。
これは凸レンズで作られた上下左右反対の実像をもう一枚のレンズで拡大してみるためである、この拡大して見えている像は虚像である。
超入門 望遠鏡光学 (その3) 望遠鏡の原理を知る | スタパオーナー八ヶ岳日記より図の引用