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パルミチン酸の状態変化と温度変化

 

・実験手順

太さの異なる2本の試験管 A,Bを用意し、試験管 A には固体のパルミチン酸3.0g入れた。試験管 B は中に木片を入れ、図1のように試験管 A をさしこんだ。 図2のように,図1の試験管を水が入ったビーカーに入れ、加熱した。 加熱開始から 30 秒ごとにパルミチン酸の温度を測定し,そのときのようすを観察した。 図3は、加熱した時間と温度の測定結果をグラフに表したものである。

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・問題

(1)この実験で試験管を2重にする目的は何か

(2)固体の物質が液体になる現象を何というか。

(3)図3のXでは加熱しているのにもかかわらず温度が一定であるこれについて次の問いに答えなさい。

①このときのパルミチン酸はどのような状態になっているか。

②このとき温度が一定なのはなぜか。言葉で説明しなさい。

③パルミチン酸の量を半分にした時、その結果はどのようになるか。次のア~エの中から選びなさい。ただし、パルミチン酸の量以外はすべて同じ実験条件で行ったものとする。

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・考え方

(1)水は比熱が大きく 1℃上昇するのに4.2J必要なため、温度上昇が緩やかである。しかし、多くの物質は比熱が小さく、加熱すると温度上昇が大きい、

パルミチン酸も加熱をすると温度上昇の速さが大きい。

この実験では、固体から液体に変化するときの状態を観察するのが目的なので穏やかに加熱する必要がある。

(2)固体が液体になる変化を 融解(ゆうかい) という。この時の温度を融点という。パルミチン酸の融点は図3のXから63℃である。

(3)①固体と液体が混じりあっている状態である。

   ②加えられた熱がすべて固体から液体になる変化する熱に使われるため

   ③融点の63℃はおなじである。パルミチン酸の量を半分にしているので、融点に達するまでの時間と融点の時の時間が短くなる。 ウ

・新傾向対策

 実験結果から何が分かるかが今までの入試試験の問題では多くあったが、今後は「見通しをもって実験に取り組む」というのがメインになる。

 パルミチン酸の温度変化が大きいということから、湯浴で加熱し、さらにガラスに熱が伝わる熱伝導が小さくなる方法を使っている。熱伝導という語句と熱の伝わり方(伝導、対流、放射)とともに覚えたい。

 グラフから融点を求めるという問題もある。グラフを適切に読めるかという判断力を試す問題である。

 パルミチン酸の量を変えたところウのようになった。この時パルミチン酸の量は最初と比べてどのようになっているかという問題も考えられる。

 また、図3のXの長さを長くするにはパルミチン酸の量をどのようにすればよいかという問題も考えられる。

 

 融点、沸点では温度が一定になる。

  融点では 固体と液体が混ざっている状態

  沸点では 液体と期待が混ざっている状態

 

このとき、「使われた熱は状態変化に使われるため、温度は変わらない」