ろうの状態変化と密度
状態変化の問題は記述式で答える問題が多い
なぜ記述式なのか
状態変化の問題は選択肢にすると、正答率が高くなりすぎる。
(小学校で習っている部分で水の状態変化は日常でもよく見られる現象であるため)
そこで、記述式の問題が多い。
具体例(2016年愛知県B日程改題)
①ろうの固体を図1のようにビーカーの中に入れて、加熱し液体のろうにする。
②液体ろうを冷やして固体にすると図2のように、辺面の中央がへこんだ。
問題
②のように、ろうを固体にすると密度はどうなるか。「ろうを固体にすると」から書き始め、「質量」「体積」「密度」という語句を用いて45字以内で説明しなさい。
考え方
物質は 固体→液体→気体 になると、構成している粒子の運動の激しさが大きくなるので体積が大きくなる。
状態変化は構成している粒子の運動だけが変化するので、外の物質と反応するわけではない。(化学変化ではない)
状態変化では質量は変化しない。
状態変化では、気体→液体→固体 になると構成している流の運動の激しさは小さくなるので体積が小さくなる。
密度は 質量/体積 で表されるので、体積が小さくなると密度は大きくなる。
液体から固体になると密度が小さくなる。
採点のポイントは3つ
1 質量は変わらない
2 体積は小さくなる
3 密度は大きくなる
これを45字でまとめて書き表す。
答え方
ろうを固体にすると、質量は変化しないが、体積は小さくなるので密度は大きくなる。(39字)
ここで、採点のポイントのうち、質量の説明と体積の説明はどちらが先でもいいが
「質量と体積の関係から」密度が大きくなるというように、密度が大きくなるは最後に書くこと
液体のろうに固体を入れた時の状態
具体例(2016年三重県改題)
①液体のろうの中に固体のろうを入れるとどうなるかをしらべるため、ビーカーに固体のろうを入れて、図1のように溶かした。
②図2のように固体のろうを液体のろうの中に入れた。
問題
固体のろうは液体のろうに浮かんだか沈んだかについて、「密度」という語を用いて説明しなさい
考え方
固体で身近に思いつくのは氷である。氷は水の中では浮く。このことから、固体は液体に浮くと思いがちである。
氷が水に浮かぶのは氷が水よりも密度が小さいからであり、固体の方が液体よりも密度が小さいのはとても珍しい。
普段目にしている現象は物質全体からみるととても珍しい現象である。
多くの物質は、
固体の方が液体よりも密度が大きいため、液体の中では密度の大きい固体は沈む。
これを文章に表現する。
答え方
固体のろうの方が液体のろうよりも密度が大きいため、沈む。
液体のろうの方が固体のろうよりも密度が小さいため、沈む。
このように、理由を聞かれているので「~だから」、「~のため」という用語を用いること