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【中三応援プログラム】斜面の運動をストロボ写真から読み解く。(2021年香川)

 

近畿や山陰を襲った寒波のことをJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)というらしい。

今年は北九州や広島に 線状降水帯が発生し、記録的な大雨が降ったが、このJPCZも記録的な大雪をもたらしました。

滋賀県彦根市で平年の積雪量の3550%の71cmの積雪でいまだに車は立ち往生

2cmの35.5倍の71cmという表現で3550%という表現

 不思議な数の使い方です。

news.yahoo.co.jp

 

こういうときこそ、不要不急で動かないのが一番です。

 最近は何が不要不急なのかがわからなくなっていますが。

 

今回も四国の県立高校の入試問題です。

 香川県の県立高校入試からジェットコースターの速さの問題。

ジェットコースターの問題は力学的エネルギー保存の法則を常に意識すること

今回は、単位の変換や同じ距離を進むときは速さの大きいほうが短い時間で移動する

ということなど、思考力判断力が必要な問題でした。

 

最後のコースターの問題は図が2ページにもわたるほどの問題ですが、ただの高さの比較という単純なものでした。それまでの問題が難しい問題が続いたので拍子抜けかもしれません。

 

問題はあとに行くほど難しくなるというのは定番ですが、今回のように最後がいちばんやさしいという問題も中にはあるんだなという感じです。

 

 

 

 実験

図Iのように、なめらかな板で斜面をつくり,斜 面上のK点に小球を置き、静 かに手を離した。手を離して から0.1秒ごとの小球の位置 をストロボ写真にとったとこ ろ、図1のようになった。 図1中のL~0点は、手を離 してからの 0.1秒ごとの小球の位置である。

f:id:gomasan8:20211227082203p:plain

 

平均の速さを求めなさい

(1)図で,L点とN点の間の小球の平均の速さは何m/sか。

台車の運動は記録タイマーを用いた問題が多い。それが、ストロボ写真になっている。

ストロボ写真なのですべて0.1秒間隔である

 L点からN点までの距離は6+10=16cm

 その間は0.2秒より

 平均の速さは

平均の速さ= \dfrac {LN間の長さ}{0.2秒}=\dfrac{16}{0.2}=80cm/s

ここで答えがm/s となっているので単位を変換する

80cm/s=0.8m/s

 

答え 0.8m/s

等加速度運動の説明

(2)次の文は、この実験において、小球にはたらく力と小球の運動について述べようとしたものである。文中の2つの(     ) 内 にあてはまる言葉を、アーウから一つ、エからカから一つ、それぞ れ選んで、その記号を書け。

 

図1で、小球がL点を通過してから0点に達するまで、小球にはたらく斜面に平行な下向 きの力は(ア 大きくなっていく    イ 一定である  ウ 小さくなっていく)。また、小球がN点に あるときから斜面にそって5.0cm下る時間は、小球がM点にあるときから斜面にそって5.0cm 下る時間に比べてて(エ長い オ変わらない カ短い)。

 

斜面を下る運動は重力の斜面と平行な下向きの力による 等加速度運動である

等加速度運動は 力の大きさは同じである よって 

 M点とN点では LM感とMN感ではMN感の方が長いことからMN感の方が速さが大きい。このため。速さが大きければ、同じ距離を通過するのにかかる時間は短くなる。よって 

 

運動エネルギーは何倍か

(3)図1において、小球はK点では位置エネルギーだけをもっており、この位置エネルギーは、小球が斜面を下るにつれて減少し、減少した分だけ、小球の運動エネルギーが増加する。小球がO 点に達したときには、小球は運動エネルギーだけをもっている。小球がM点に達したとき、小球 の位置エネルギーが小球の運動エネルギーの3倍であったとすると、M点での小球の運動エネル ギーは、0点に達したときの小球の運動エネルギーの何倍であると考えられるか。

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M点での位置エネルギーはM点での運動エネルギーの3倍であるから

 M点での位置エネルギー=3×M点での運動エネルギー

M点での力学的エネルギー=M点での位置エネルギー+M点での運動エネルギー

M点での力学的エネルギー=(3×M点の運動エネルギー)+M点の運動エネルギ―

M点での力学的エネルギー=4×M点での運動エネルギー

力学的エネルギー保存の法則から

M点での力学的エネルギー=O点での力学的エネルギー

O点での力学的エネルギー=O点での位置エネルギー+O点での運動エネルギー

O点では位置エネルギーは0になるんで

O点での力学的エネルギー=O点での運動エネルギー

よって、

 4✕M点での運動エネルギー=O点の運動エネルギー

 

ここで問題を見てみよう M点での運動エネルギーはO点での運動エネルギーの何倍か。

 4倍と答えてはいけません

M点の方がO点よりも運動エネルギーは小さい。ここまで、問題を解いてきて最後でミスすることのないように

M点の運動エネルギー=\dfrac{1}{4} \times O点での運動エネルギー

よって、\dfrac{1}{4}倍(0.25倍)

 

0.3sで進む距離は

 (4)図Iの装置を用いて、はじめに小球を置く斜面上の位置だけをK点より低い位置に変えて、同 じように実験をしたところ、小球は、手を離れてから0.3秒後に0点に達した。このとき、はじめに小球を置いた位置はK点から斜面にそって下向きに何cmの位置であったと考えられるか。

結果を表にまとめてみる

時間s 0 0.1 0.2 0.3 0.4
距離cm 0 2 6 10 14
速さcm/s 0 20 60 100 140

 

この表から0.3秒で2+6+10=18cm移動することがわかる。

KからOまでは2+6+10+14=32cmであることから

 Kから32-18=14cmの位置に置くと点Oに0.3秒後に通過する。

答え 14cm

 

ジェットコースターの速さ

(5)太郎さんは、ジェットコースターのコースの模型を作り、小球を転がしてその運動を観察した。図Ⅱは、そのときのようすを示したものである。また、 図Ⅲは太郎さんが作成したジェットコースターの コースの模型を真横から見たときのようすを模式的に表したもの である。P点に小球を置き,静かに手を離すと、小球はQ点, R点,S点,T点を通過し、P点と同じ高さになるし点まで達し た。小球がQ点,R点,S点,T点にあるときの小球の速さをそ れぞれq.r, s,t とする。エネルギーの関係から考えて、q~tを小球の速さが大きい順に 並べかえたとき、1番目と4番目はそれぞれどれになると考えられるか。その記号を書け。

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高い順に並べてみると

Q T S R

位置エネルギーは大きい順から QTSR

運動エネルギーは位置エネルギーの順と逆になる

 RSTQ

運動エネルギーが大きいほど、速さは大きくなるので早い順に

 rstq

一番目 r

四番目 q

 

これが高校の物理基礎では高さがわかれば、速さを求めるということになる