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太陽の高度と四季の気温の変化(2020年大分)(2016年長野)

 

四季の変化はなぜ起こるか

太陽の高度と四季の気温の変化に何か関係があるのではないかと考えた2人は,次の課題を設定し て予想を立て,解決するための実験方法を考えた。
【課 題 】 夏の方が冬よりも,気温が高いのはどうしてだろうか。

【予想】夏の方が冬よりも,太陽の南中高度が高いから。

【実験方法】 太陽光があたる角度と温度変化の関係を調べる。

そこで2人は、ある年の1月下旬に大分県のある地点で,次の実験を行った。

III 黒い紙をはった同じ面積の長方形の板A,Bを準備し, 太陽光があたる角度と温度変化の関係について調べた。

6 [図4] のように,板Aには、板の面に太陽光が垂直にあたるよう調節し,板Bは,水平な位置に置いた。 7 赤外線放射温度計を用いて,2分おきに 10分間,板A 板A,Bの表面温度をはかった。
7 [図5] は,その結果をグラフにまとめたものである。

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(5) 次の文は、「7」の結果から,2人が考察したときの会話の一部である。正しい文になるように,  (        )に当てはまる語句を簡潔に書きなさい。ただし,「面積」「光の量」という2つの語句を用いて書くこと。
太郎:「図5] の温度の測定結果から,太陽光が垂直にあたる板Aの方が早く温度が上昇しているので、太陽の高度が高い方が,早く温度が上昇するといえるね。

花子:でも,なぜ太陽の高度が高い方が,早く板A 温度が上昇するのだろう。

太郎:[図6] のように考えると,太陽の高度が高い方が,低い方よりも (       )
からだよ。

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 花子:なるほどね。でも太陽の南中高度が高い方が,気温が高くなる理由は,本当にそれだけかしら。

新たな疑問が生じた2人は,それを解決するため、続けて次の観察を行った。

IV 太陽の1日の動きについて調べた。
8 [図7]のように,水平な位置に置いた白い紙に透明太陽光、 半球と同じ直径の円をかき、円の中心を通る2本の直 角な線を引いた。方位磁針で東西南北を合わせ,透明
半球を固定した。

9 9時に油性ペンの先端Aの影が円の中心と一致する半球上の位置に,丸印とその時刻を記入した。15時ま で、1時間おきに記録し、記録した点をなめらかな線で結んだ。

10 8,9を,同じ地点で,半年後の7月下旬に行った。 【図8]は, 8 ~ 10 の結果を,模式的に表したものである。

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(6)  [図8]をもとに考えると,会話文の (  )以外にもう一つ,夏の方が冬よりも気温が高くなる理由があることがわかる。その理由を,簡潔に書きなさい。

 

考え方

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図4のように光が垂直に当たるようにしておいた板Aは最高温度に達するまでの時間が2分、最高温度が50度だった。

 

板Bは最高温度に達するまで4分、最高温度は30度だった。

 

このことから、垂直に当てたほうが、最高温度に達する時間が短く、最高温度も高いことがわかる。

これが起こった理由を図6のように太陽の光が斜めから等間隔に当たる模式図で考えると

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板Aには太陽の光が6本

板Bには太陽の光が4本

当たっていることになる。

これは同じ面積に当たる太陽の光の量が板Aの方が板Bよりも多いことを示す。

空欄には 同じ面積に当たる光の量が多い と答える

 

 太陽の南中高度が大きくなると板Aのように光が垂直に近く当たるようになる。

夏は南中高度が高いため、光が垂直に当たれば当たるほど、温度上昇が大きい。

 光が当たる面積の大きさだけで気温の上昇が決まるかどうかを、透明半球を用いて1月と7月の太陽の日周運動を比較すると、

1月は南寄りから太陽は昇り、南寄りに太陽は沈む

7月は北寄りから太陽は昇り、北寄りに太陽は沈む

 

このことから、昼間の長さを比較すると、1月よりも7月の方が昼間の長さは長いことがわかる。

 

1月は冬、7月は夏なので夏の方が、昼間の長さが長いことがわかる。

 

このことから

(6)太陽光の当たる時間が長いから

 

夏の方が冬よりも暑いのは

1 南中高度が高いため、同じ面積に当たる光の量が多い

2 昼間の時間が長いため、太陽光の当たる時間が長い

この二つが考えられる

 この大分の問題では出題されていないが、このように季節によって、太陽の光の量や光の当たる時間が変化する理由を答えなさいというのが定番問題としてある。

 

これは、

 地球の地軸が公転面に垂直な方向に対して23.4度かたむいているため

 

と答える。

南中高度に関する解説動画

youtu.be

 

南中高度の計算の仕方(東京)の解説動画

youtu.be

 

太陽パネルの角度と発電能力(2016年長野)

日本で,太陽光発電パネルを設置するときの傾きについて調べた。

【実験1] 光電池の傾きをかえて発生する電流の大きさを調べた。 図1のように,太陽の光が光電池に垂直に当たる傾きにしたとき太陽の光 電流が最も大きくなった。

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図5のように,光源の光をAは斜めから,Bは垂直に,地面に図5 当てる。ただし,光の量は同じで,光は広がらずに平行なまま進むものとする。光が地面に当たる部分の面積を比べると, Bの方がAよりも(小さい     )。したがって,1cm2あたりに当たる 光の量はBの方がAよりも( 大きい     )。

 

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二つの問題の違い

2020年の大分県の問題と2016年の長野県の問題はどちらも光を垂直に当てた時と斜めに当てた時で光の量がどうなるかについて答える問題である。

 

長野県の問題では

光を斜めからあてると、光の当たる面積が大きくなる

光の量は同じとすると面積が広くなった分、同じ面積に当たる光の量は小さくなる。

 

光を真上からあてると、光の当たる面積は小さくなる

光の量は同じとすると面積が小さくなった分、同じ面積に当たる光の量は多くなる。

 

これを大分の問題では

同じ面積に当たる光の量は角度が大きくなるほど多くなる

 

となっている。

この分野では同じことを聞くのに答え方を変えるというのが難しい所である。