【中三応援プログラム】<基本問題>レンズを通って見える像(2021年山口)
今日は、2021年の山口県の問題である。
レンズに関する基本問題なので、全問正解したいところである。
しかし、焦点距離が示されていないので最後の問題は
「レンズが焦点距離上にあるので」
とかくか「レンズが焦点距離よりも小さいところにあるので」:
とかくかが問題になる。
中学校ではレンズの公式は習わないが、もし、レンズの焦点距離が5cmだった場合、レンズと光源との間が10cmのとき、レンズとスクリーンとの距離は同じ長さの10cmになるはずである。この問題では光源からスクリーンまでの距離が合計で表されているので20cmになる。
このことから、焦点距離は5cmではないと考えられる。
焦点距離でもないのに実像ができないということは焦点距離よりも近いということである。
このようにレンズの公式を使わなくてもこの問題は推測してとくことができる。
レンズの公式を用いれば焦点距離は8cmでレンズと光源の距離が焦点距離より近いというのは明らかになる。焦点距離に光源があるときは光の道筋はレンズを通った後、平行になる。
焦点距離よりも近い場合は、光の道筋はレンズを通った後、広がる。
これを書けるかどうかがこの問題のポイントである。
[実験] 1 図1のように,Lの文字を切り抜いた黒い画用紙を用意した。
2図2のように,スタンドの上に光源 を設置し,光源の上に1の画用紙を置 いた。また,ものさしの0の目盛りを 画用紙の位置とし,虫めがねの位置を,0の目盛りの位置から 30.0 cm になる ように固定した。
3 半透明の紙でつくったスクリーンに, はっきりとした像ができるようにスクリーンの位置を調節し,その位置を記録 した。
4 虫めがねの位置を, 25.0 cm,20.0 cm, 15.0 cm, 10.0 cm, 5.0 cm に かえて、3の操作を行った。
5 記録したそれぞれのスクリーンの位置 を,表1にまとめた。
表1
※「-」は、はっきりとした像ができなかったことを示している。
光の性質
(1) 虫めがねを通った光のように,光が異なる物質の境界へ進むとき,境界の面で光が
屈折する。光の屈折する現象として最も適当なものを次の1~4の中から選び,記号で答えなさい。
1 風のない日に、湖の水面に周りの景色がうつる。
これは光の反射である。
2 底にコインを置いたカップにそっと水を注ぐと,水を注ぐ前には一部しか見えていなかったコインの全体が見える。
これは光の屈折現象である。答えは2
を参照してもらいたい。
3 平面の鏡の前に立つと、鏡に自分の姿がうつる。
これは鏡の大きさを問う問題がよく出る
4 光が線香のけむりにあたると,光がいろいろな方向に散らばり、光の道すじが 見える。
これはチンダル現象である。光の乱反射である。
スクリーンを透かして見た像
(2) 虫めがねの位置が,0の目盛りの位置から 15.0 cm のとき,図2の矢印の方向から観察すると,スクリーンにどのような向きの像ができるか。適切なものを、次の1~4 から1つ選び,記号で答えなさい。
レンズから光源を見るとL スクリーンからレンズを見た時は単純に上下左右逆になって透けて見える。
答えは4
この奈良の問題のようにレンズから光源
レンズからスクリーンとした場合、見える像は上下左右反対にしてさらに鏡のように左右逆になるので注意が必要である。
スクリーンの像が大きい条件
(3) [実験]で調べた中で,スクリーンにできた像が一番大きかったのは,虫めがねの 位置が何 cm のときか。次の1~5から1つ選び,記号で答えなさい。
レンズと光源の距離が一番近く、光源とスクリーンの距離が一番遠いとき大きい像になる。
1 30.0cm
2 25.0 cm
3 20.0 cm
415.0 cm
5 10.0 cm
光源とレンズが10cm、レンズとスクリーンの距離が40cmのとき一番大きい像になる。答えは5
(4) [実験]の4において,虫めがねの位置が 5.0 cm のとき, スクリーンにはっきりと した像ができなかった理由を,虫めがねとスクリーンとの間の光の道すじに着目し, 「焦点距離」という語を用いて述べなさい。
焦点距離をfとする
レンズと光源までの距離a レンズとスクリーンまでの距離をbとすると
レンズの公式より
a=10 b=40として
f==8cm
よって、焦点距離は8cmである。虫眼鏡の位置が5cmのとき。焦点距離よりも光源の位置が近いことになるため光源から出た光の道筋は焦点距離を通ることがない。そのため、光が集まることがないので実像を作ることができない。
画用紙と虫メガネの距離が焦点距離よりも近いため、虫眼鏡を通った光は広がり実像ができないから。