【中三応援プログラム】電球はどちらの方が明るいか?電力の計算方法(2021年宮崎)
入試の救済措置
先手で動く内閣が朝発表しました。
書類のみの選考というのは、現場が混乱するような気がする。
選考方法は事前に学校説明会等で周知されているからである。混乱の末、朝令暮改になるような気がする。
今日も宮崎県の問題である。電流の分野の問題であるが、オームの法則は使わない。
直列回路では電流の大きさは同じで電圧は各電球にそれぞれかかったものの和が電源の電圧に等しい
並列回路では電圧の大きさが同じで電流は各電球にそれぞれ流れたものの和が回路全体を流れる電流である
という関係を使う。
そして、四捨五入をどこでするかという計算の仕方に関する問題が出題されている。
計算の仕方の出題は全国でも珍しい。
有効数字というものを中学校では厳密に考えないためである。
この問題の場合、
2.50V 330mAと有効数字が3桁であるから
2.50✕0.330=0.825
と有効数字3桁で0.825Wと出せばいいのにわざわざ選択させている。
問題としてはよくない問題であるが、今後このようなどこで四捨五入するかという問題が増えるかもしれない。
豆電球を使った回路
健雄さんは,電気回路と豆電球の明るさの関係について,次のような実験を行い, レポート
にまとめた。下の(1),(2)の問いに答えなさい。
〔実験〕
1 図1のように,同じ豆電球2個と電源装置とスイッチをつなぎ,電源装置の電圧を2.5 Vに設定した。
2図1の回路で,点Aの電流とAB間の電圧をそれぞれ測定した。
3 2つの豆電球の明るさを記録した。
4 図2のように,1で使用した豆電球2個と電源装置とスイッチをつなぎ,電源装置の電圧を2.5 V に設定した。
5 図2の回路で,点C,D,Fの電流およびDE間の電圧をそれぞれ測定した。
6 2つの豆電球の明るさを記録した。
【結果】 電流と電圧の測定結果は,次の表のようになった。
【考察】 図1のXと図2のYの豆電球の明るさを比べると,( b) の方が明るかった。この
とき, (b)の豆電球が消費する電力は(c)W であった。
並列回路の電流
(1) レポートのaに適切な数値を入れなさい。
豆電球を使った回路ではオームの法則は成り立たないが、並列回路に流れる電流の各電球に流れる電流は、合流した電流の大きさになるという関係があるので
Cを流れる電流=Dを流れる電流+Eを流れる電流
660mA=330mA+amA
a=660-330
a=330
330
(2) レポートのbに「X」または「Y」のどちらかを入れなさい。また,(c)に入る数値として最も適切なものを,次のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。
DE間の電圧が2.50Vより電源の電圧は2.50Vである。
図1の電圧も2.50VでAB間の電圧が1.25Vより、
Xにかかる電圧+AB間の電圧=電源の電圧
Xにかかる電圧+1.25V=2.50V
Xにかかる電圧=2.50-1.25
Xにかかる電圧=1.25V
Xに流れる電流は230mA
Yにかかる電圧は2.50V
Yを流れる電流は330mA
電流が多く流れるほど、電球は明るくなるので Yの方が明るい
消費する電力は
電圧✕電流=2.50✕=0.825
ア約0.3
イ 約0.8
ウ約290
エ 約830
選択を見ると「約」とついてある。
0.825をどう処理するか、小数第3位を四捨五入して 約0.83
小数点第2位を四捨五入して 約0.8
イとエのどちらが答えになるかで迷うが四捨五入するところを小数第3位にしたらエという答えにはならないから、小数第2位を四捨五入したイになる。
この問題は 数字の処理の仕方として難しい問題かもしれない。
電球は二種類
2 健雄さんは,実験室にある豆電球には2.5V用と3.8V 用があることに気づいた。そこで, この2種類の豆電球を図3のようにつなぎ,電源装置の電圧を2.5 V に設定して明るさを比べ, 下のようにまとめた。
a, bに入る適切な言葉の組み合わせを,下のアーエから 1つ選び,記号で答えなさい。
〔まとめ]
図3の回路では2.5 V 用の豆電球の方が明るかった。このことから, 3.8V用の豆電球と比 べて, 2.5 V 用の豆電球を流れる電流の方が(a)ということがわかる。また,このときの 抵抗は(b)V用の豆電球の方が大きいこともわかった。
ア a:大きい b:3.8
イ a:大きい b:2.5
ウ a:小さい b:3.8
エ a:小さい b:2.5
明るい電球の方が流れる電流の大きさは大きい。2.5V用の豆電球の方が明るかったことから、3.8V用よりも大きい電流が流れている。
並列回路であるから 2.5V用の豆電球も3.8Vの豆電球も同じ大きさの電圧がかかっており、2.50V用の豆電球の方が電流の大きさが大きいことから、2.50V用の豆電球の方が抵抗の大きさは小さい
抵抗の大きさが大きいのは 3.8V用の豆電球
よって、ウ
LED電球と白熱電球
3 健雄さんは,図4のような2種類の電球があることに気づき,明るさを比べた。次の文は, 健雄さんが2種類の電球について,先生に質問したときの会話である。 ( )に入る適切な 内容を,「光エネルギー」という言葉を使って,簡潔に書きなさい。
健雄 : 2つの電球の明るさを比べてみたら,それほど変わりませんでした。なぜ,2種類の電球があるのか気になりました。
先生: よいところに気がつきましたね。実は,電球Pは電球Qに比べて,消費電力が小さくなっています。
健雄: 消費電力が違うのに同じ明るさなのはどうしてだろう。
先生: そのことを考えるにはエネルギーについて考えてみるとよいですよ。電球Pでは電気エネルギーの約70%が熱エネルギーに移り変わっていて,電球Qでは電気エネルギーの約90%が熱エネルギーに移り変わっています。
健雄: わかりました。2つの電球には消費電力の差があるのに,明るさがそれほど変わらな い理由は,電球Pの方が( )ためだと考えられますね。
先生: その通りです。エネルギーのことを知る,よい機会になりましたね。
LED電球は熱エネルギーに70%、光エネルギーに30%変換される
白熱電球は熱エネルギーに90%、光エネルギーに10%変換される。
光エネルギーの変換が電球Pが30%、電球Qが10%なので、電球Pの方が同じ電気エネルギーが多く光エネルギーに変換される。
このようなことから空欄に当てはまるのは
電気エネルギーから光エネルギーへの変換効率が高い
消費電力が小さくて大きな光エネルギーを取り出すことができるので白熱電球の電球QよりもLED電球の電球Pに置き換わってきている。